
※冒頭画像はテーマを示すイメージです。
以下の調査だけで、負ける人の特徴や原因がすべて分かるわけではありません。
「FXで勝てる人は、実際どのくらいいるの?」
これから始める方も、なかなか利益が残らない方も、気になる数字ですよね。
過去の調査には、生涯収支がプラスだった人が31.1%、前年などの収支で利益を回答した人が60.3%という結果があります。
ただし、調査対象も、利益を集計した期間も違います。
この数字をそのまま「自分が勝てる確率」や「何年も勝ち続ける人の割合」と考えることはできません。
ここでは、FXで勝てる人の割合を調査データから確認し、数字で誤解しやすい点と、自分の取引を見直す方法を解説します。
情報確認日:2026年10月9日/紹介する収支調査は2018年・2021年のものです。
FXで勝てる人の割合は?調査によって数字が違う
まずは「誰の、いつの、どんな利益を調べた数字か」を確認しましょう。
| 調査 | 対象・実施時期 | 利益を回答した割合 | 数字の意味 |
|---|---|---|---|
| RUNWAYS/海外FX wiki調べ | FX経験者1,000人/2021年2月21〜28日 | 31.1% | これまでの生涯収支がプラス |
| 金融先物取引業協会(FFAJ) | FX経験者1,000人/2018年2月23日〜3月1日 | 60.3% | 前年の利益・損失。過去取引者は直近の取引年 |
出典:RUNWAYSプレスリリース掲載(海外FX wiki調べ)/金融先物取引業協会「金融リテラシーに関する実態調査」(調査概要・Q15)。
FFAJの調査は、現在取引している人や、取引をやめた時期が調査日に近い人を優先して抽出しています。
対象の選び方が違うため、2つの数字の大小だけで「FXが簡単になった」「日本のトレーダーの実力が上がった」とは判断できません。
どちらも過去のアンケート結果です。
2026年現在の全トレーダーを数えた割合でも、初心者がこれから利益を出せる確率でもありません。
2021年の生涯収支:利益31.1%・損失48.9%
図の出典:海外FX wiki調べ/RUNWAYSの2021年調査。
| 生涯収支の回答 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| プラス | 311人 | 31.1% |
| マイナス | 489人 | 48.9% |
| 変わらない | 200人 | 20.0% |
ここでの「勝っている」は、アンケートで生涯収支がプラスと回答したという意味です。
毎年利益を出している、現在も利益を出している、という意味ではありません。
また、48.9%は半数未満です。
「半数以上が負けている」と説明すると、元の数字と合わなくなります。
「勝っている人の割合」と「勝ち続ける確率」は別
一度大きな利益が出れば、その後の年に損失があっても、生涯収支はプラスのままかもしれません。
反対に、勉強を始めた頃の損失が大きく、最近は改善していても、生涯収支はマイナスの人も考えられます。
継続して利益を出している人を調べるには、同じ人の収支を複数年追うなど、別の情報が必要です。
「約7割が1年以内に退場」の数字を正しく読む
図の出典:海外FX wiki調べ/RUNWAYSの2021年調査。
このグラフの対象は、調査全体の1,000人ではなく、すでにFXをやめていた530人です。
そのうち、半年未満が131人、半年〜約1年が235人でした。
合計すると366人で、やめた人530人の約69.1%です。
「FXをやめた人の約7割」と「FXを始めた人の約7割」は違います。



「9年以上で約1%」も継続利益の割合ではない
グラフの「約9年以上」は、FXをやめた人のうち、やめるまでの取引期間が長かった人を示しています。
取引期間を聞いた回答なので、その間の収支がプラスだったかどうかは、この図だけでは分かりません。
「9年以上勝ち続けられる人は全体の1%」「1年以上勝ち続ける人はほとんどいない」という結論にはつながりません。
億トレーダーの割合は、この図だけでは分からない
以前から掲載している次の図には、株・為替などのトレーダーの割合が書かれています。
ただし、この図はFXで1億円以上稼ぐ人の割合を示す根拠としては使えません。
旧掲載図の参照先:「年収1億円以上稼ぐ人は2万人以上!最も多い職業は何か?」。
参照先にも、このグラフの真偽について留保する記載があります。
図の区分・集計方法を一次資料と照合できていないため、56.4%を確定的な統計として扱いません。
また、高所得者の中での構成比と、全FXトレーダーの中での成功者の割合は、そもそも分母が違います。
株などとFXの内訳も分からないため、「FXで億を稼ぐ人が2万人いる」といった人数計算もできません。
勝てる人の割合より、まず自分の取引を見直そう
ここまでの調査から、誰でも勝てる手法や、負ける人の行動を逆にすれば勝てる方法が分かるわけではありません。
私が学習の整理に使いたいのは、手法・心理・資金管理の「3M」です。
これは上のアンケートから証明された勝利条件ではなく、トレードを見直すための考え方として紹介します。
| 3M | 確認すること | 取引前に決めたいこと |
|---|---|---|
| Method:手法 | どんな相場で、何を根拠に入るか | 入る条件・見送る条件・根拠が崩れる位置 |
| Mind:心理 | 負けを取り戻すための取引になっていないか | 連敗や感情的な状態で休む条件 |
| Money:資金管理 | 1回の損失をいくらまで許容するか | 損切り幅・取引数量・損失の上限 |
① 手法は「どこで見送るか」まで決める
サインが出たから入るだけでは、うまくいかなかった理由を振り返りにくくなります。
相場の方向、入る位置、損切りする位置に加えて、条件がそろわないときに見送る理由も書いてみてください。
EAやインジケーターを使う場合も、仕組み・設定・費用・サインの変化を確認し、過去の検証と実際の結果を分けて考えましょう。
② 取り戻したいときほど、判断を記録する
損失の直後に取引数量を増やしたり、普段なら入らない場所で入ったりしていないでしょうか?
気合で我慢するだけでなく、取引した理由と、そのときの気持ちを残しておくと、行動の偏りを確認しやすくなります。
メンタルを見直す考え方は、次の記事で詳しく解説しています。
③ 損切り幅に合わせて、取引数量を決める
損切りは、必ずその価格で約定する保証があるわけではありません。
それでも、損失をどこまで許容するかを決めずに入ると、想定を超える損失を抱えやすくなります。
「何円稼ぎたいか」より先に、「この取引で何円まで失ってよいか」を考えましょう。
資金管理と取引数量の計算は、次の記事で確認できます。
初心者は「学ぶ→検証する→記録する」の順に進める
まずは1つの手法について、入る・見送る・損切り・利確の条件を言葉にします。
次に、過去チャートやデモ取引で条件を確認し、利益だけでなく、連敗や大きな損失が発生した場面も記録します。
勝率だけで判断せず、平均利益と平均損失、取引コスト、資金がどれだけ減ったかまで見直すことが大切です。
学ぶ順序に迷う方は、次の関連記事から始めてみてください。
FXで勝てる割合について、よくある疑問
「FXで勝っている人はいない」は本当?
今回紹介した調査には、収支がプラスと回答した人がいます。
ただし、その人たちが現在も利益を出しているか、今後も利益が続くかは別の話です。
「FXは9割が負ける」と考えてよい?
今回の2つの調査だけでは、全FXトレーダーの9割が負けるとは言えません。
その数字の対象者、調査時期、利益・損失の定義を確認する必要があります。
勝率が高ければ、利益は残る?
勝率だけでは決まりません。
例えば、10回中8回で各1,000円の利益、2回で各5,000円の損失なら、勝率80%でも合計は2,000円の損失です。
これは説明用の仮例で、取引コストは含めていません。
まとめ|他人の割合を、自分の成功確率に置き換えない
FXで勝てる人の割合を見るときは、調査対象・時期・収支の期間をセットで確認しましょう。
生涯収支、1年の収支、取引を続けた期間は、それぞれ別の情報です。
数字だけで安心したり、諦めたりするより、自分の入る理由・見送る理由・損失の上限を具体的にしてみてください。
正しく学び、検証と振り返りを重ねることが、判断を改善するための一歩になります。
























