『FXの税金ってどうやって計算したらいいんだろう?』
『私は、税金払わないといけないの?』
『めっちゃ儲かったけど会社にバレたくない!』
主婦やサラリーマン、自営業者や年金生活をされている方まで、税金に関する悩みは様々です。
トレードが上達すると、年間を通してかなりの利益が残ります。
利益が出てもでなくても、気になるのが、FXにまつわる税金!
そこで、この記事では、
- 税金を納める3パターンのトレーダー
- FXで得た利益にかかる税金の計算方法
- 会社にバレたくない場合の対策
- FXにかかる税金の節税方法
について、分かり易く解説しています。
この記事を読むことで、FXにまつわる税金の計算と対策は一通り理解することができます。
そのことによって、これから正しくFXを仕事としてとらえることができるようになります。
この記事があなたのトレードライフの向上のお役に立てれば幸いです。
目次
FXで税金を納める3パターンの人
FXにまつわる税金は確定申告で納めることになります。
FXで得た所得に対する税金を確定申告で納めなければいけない方を、3パターンにまとめました。
主婦やサラリーマン、自営業者や年金生活をされている方など、それぞれ違いがあります。
それぞれの立場によって、かかってくる税金に違いがありますので、まずは、自分がどのパターンに当てはまるのか考えてください。
FXで得た所得は確定申告で納める
1年間にFXで得た所得が一定の金額を超えると、税金を納める必要があるので確定申告をする必要があります。
現在、会社員の方は、会社の経理が年末調整をして所得税を払ってくれるので、確定申告を知らない方もいらっしゃると思います。
ですので、まずは、簡単に確定申告について説明しますね。
自営業や年金生活者など給与所得者でない人、給与所得者であっても年収が2000万円を超えるなど、年末調整の対象外の人は、毎年自分がいくら収入があったかを申告して所得税額を決定します。
これを確定申告といいます。
確定申告をして所得税や住民税を払わなくてはいけないのは、次の3つの場合です。
②他に収入を得る仕事を持っておらず、誰かの扶養家族でもなくて、FXで得た所得から経費を引いた額が基礎控除額の38万円を超える場合。
③専業主婦(夫)や親の扶養家族で、FXで得た所得から経費を引いた額が、基礎控除額の38万円を超える場合。
また被扶養者は扶養控除を受けられなくなってしまうので注意が必要です。
まずは、自分が税金を納めなければいけないか否かを理解しましょう。
FXの税金は給与所得ではなく雑所得
「扶養家族の所得って103万円まで大丈夫じゃないの?」と驚く方もいるでしょう。
しかし103万円というのは給与所得の場合で、この所得からは給与所得控除の65万円を引くことができますから、103万円から65万円を引いた38万円が所得になります。
しかし、FXで得た収入は雑所得の扱いになります。
雑所得には経費以外の控除がありませんから、FXで得た所得から経費を引いた額が38万円を超えれば、扶養家族の要件からははずれることになります。
FXの利益にかかる税率は?
さて、気になるのが利益にかかってくる税率です。
せっかく稼いだ利益も、日本に住んでいる限りはしっかりと税金を納めなければいけません。
まずは、次の画像をご覧ください。
税率はいくらかというと、2018年の時点で所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%の20.315%になります。
分離課税ですので、本業を持っている人やFX以外の収入がある人も、その所得とは切り離してFXの所得のみで計算します。
経費を除いて100万円の収入があれば税金は、20万3150円ということになります。
FXにかかる税率は、数年前まで50%ととんでもない税率の時代もありました。
また、給与所得の税率が最大45%まで上がることを考えればかなり安くなったと言えます。
会社にバレる?FXで収入を得ていることを隠したい場合
就業規則で副業を禁じている会社は多いですよね。
FXの収入を申告すると、会社に副業をしていることがわかってしまうのではないかと心配な方もいるでしょう。
しかし、FXを扱っている会社(ブローカー)は税務署に、取り引きの内容を通知する義務がありますので、あなたがFXで収入を得ていることは税務署にわかってしまいます。
税金がかかるほどの利益が出ているのに、申告をしないでいると、最悪の場合、税務調査をされて、追徴課税や重加算税などを受ける可能性があります。
したがって、『申告は必ず行いましょう!』
とはいうものの、あなたがFXで収入を得ていることは、自分から言わない限り会社にはわかりません。
ただし、確定申告したときの住民税の支払い方法を間違えるとわかってしまいますので注意が必要です。
会社員の住民税は、特別徴収制度といって、給与に課税される住民税と副業収入に課税される住民税の両方を、会社から一括で源泉徴収する仕組みになっています。
したがって確定申告をすると、FXの収入で発生した住民税の金額が税務署から会社に通知されてしまい、会社に給与以外の収入があることがわかってしまいます。
これを避けるには、確定申告の書類にある「住民税・事業税に関する事項」の欄の「自分で納付」を選択しましょう。
こうすれば住民税は自分で払いに行かないといけませんが、会社に通知されることはありません。
FXの収入に対する節税方法
先に述べた通り、FXの収入は雑所得ですので経費以外の控除はありません。
つまり、経費の額で、納付する税金の金額も変わってくるということです。
節税① FXにまつわる経費
まずは、この1年間(1月~12月)で使った経費を出しましょう。
- 通信費
- FXに関する書籍や資料
- 必要書類の印刷用紙やインクなどの消耗品
- セミナーなどを受けた場合、交通費やセミナー代
- FXの教育教材費
もちろん、他にも計上できるものはあると思います。
次に、損失の繰り越しがあります。
FXで出た損失は最大3年まで繰り越すことができます。
例えば1年目にー50万円、2年目にー50万円、3年目に+200万円の場合、
1年目、2年目に確定申告をしていれば(この場合税金はかかりません)、3年目に100万円の損失を計上して、その年の利益を100万円にすることができます。
節税② 法人化する
よく個人事業主として開業届けを出せば、青色申告で最大65万の控除が受けられるという話を聞きますが、これは難しいです。
2010年2月の採決事例集に、
「FXは投機性が高く、継続的に安定した収入が得られる可能性が乏しい」などの理由で、事業所得であることを却下された判例が出ているからです。
このため、開業届けは受け取ってもらえるかもしれませんが、事業所得として申告すると税務署から拒否される可能性が高いです。
むしろ、FXの専業で生活している人なら、個人事業主という自営業の立場ではなく、
起業(法人化)して法人口座でFX取り引きを行うことで、大きく節税できる可能性があります。
会社であれば経費の対象が広がります。
極端な話、社用車として会社名義で車を買えば、購入費用やガソリン代を経費として計上できます。
家族を役員にして役員報酬を払うことで、利益を分散して一人当たりの課税額を小さくすることもできます。
生命保険も法人用商品のものは、一部や全額を経費として計上できるものがあります。
また、会社(法人)の場合、FXの投資と他の投資を損益通算できます。
つまり株などの投資も行うことで、ポートフォリオを作成することができ、リスクの分散が可能になります。
個人のときは3年だった損益の繰り越しも、9年(2018年4月1日以降の年度は10年)繰り越すことができるので、より長い期間で収益をならすことができます。
FX専業と書いたのは、会社が副業を禁じている場合、法人設立となると規模が大きくなるので、副業がわかったときに本業に支障をきたす可能性が高いと判断され、就業規則違反とされる可能性が高いからです。
もっとも最近の企業は働き方改革などの風潮を受けて、副業を認める方向へ動くところも出てきたので、自分の会社の就業規則を確認しておいた方がよいでしょう。
しかし、問題もあります。
法人設立にあたって、登録手続きと登録費用が発生します。
また、法人の決算処理や日々の経理処理は専門家でないと難しいので、よほど経理に精通していない限り、税理士などの専門家を依頼する必要があります。
また、赤字でも法人住民税を払わなければいけませんし、社会保険強制適用事業所なので、社会保険料を支払わなければなりません。
これらの費用をまかなっても、利益がでるだけの収入を継続して出していく必要があります。
かなり投資に自信がないとできない選択ですし、儲けすぎると法人の方が税金が高くなります。
まずは確定申告から
FXで確定申告が必要な収入を得た場合、かならず確定申告をしましょう。
確定申告書を書くと、控除や経費の概念が分かりやすくなります。
申告期間中は、税務署や市役所などが相談を受け付けてくれますので、分からないことを聞くことができます。
また、税理士にすべて丸投げするのもひとつの方法です。
費用はかかりますが、難しいことは、すべて税理士さんに任せることで、時間を有効活用することができます。
FXで大きな利益を出しても、税率は分離課税で一律20.315%です。
給与所得の税率が最大45%まで上がることを考えればかなり安いと言えます。
無理に節税することを考えなくても、かかった経費を計上することで、ある程度節税することができますし、3年の損益繰り越しは収入の上下が激しくなりがちなFXの不安定さを緩和してくれます。
より大きな利益が安定して出せるようなら、法人化などを考えてみてもよいかもしれません。
最初の一歩は確定申告を行うことからです。