
- マーチンゲール法って何?
- マーチンゲール法の正しいやり方を学びたい
- 連敗したときの損失と必要資金を知りたい
「負けたらロットを2倍にすれば、いつか取り返せるのでは?」
マーチンゲール法は、負けるたびに次の取引のリスク額を増やす方法です。
ただし、取引量を増やしても勝率は上がりません。
連敗すると必要資金と損失が急増し、次の取引を続けられなくなることがあります。
ここでは、FXのマーチンゲール法の仕組み、計算方法、逆マーチンゲールとの違い、連敗時の損失を元の図と表で確認します。
まずは、次の点を押さえましょう。
- マーチンゲール法の仕組みと計算の前提
- 逆マーチンゲール法との違い
- 連敗時の累積損失と次のリスク額
- ナンピン・両建て・レバレッジの注意点
大切なのは、1回の勝ちで取り返す仕組みよりも、勝つ前にどれだけ失う可能性があるかです。
このページは、リスクを理解するための解説です。
倍増を続ければ安全に資金が増える、という意味ではありません。
FXのマーチンゲール法とは?仕組みと計算の前提
マーチンゲール法とは
マーチンゲール法は、負けた後に次の取引のリスク額を倍にし、勝ったら初回の額に戻す方法です。
利益と損失が同額で、取引コストを考えない条件なら、1回の勝ちでそれまでの負けを回収し、初回のリスク額と同額の利益が残る計算です。
ただし、資金・証拠金・取引数量には上限があるため、勝つまで続けられる保証はありません。

FXでは「証拠金」「取引金額」「損切りまでの損失額」を区別して考えます。
このページの倍増計算は、1回ごとの損切り額を基準にしています。
例えば、損切り額が200円、400円、800円と続き、次の取引の利確額が1,600円になる条件を考えます。

4回目に利確できれば、1,600円−(200円+400円+800円)=200円です。
図は、損益比1:1で取引コストを除いた計算例です。
損益比が変わると、ロットを2倍にしても同じ結果にはなりません。
4回目も負ければ累積損失は3,000円となり、次のリスク額は3,200円に増えます。
取り返せる場面と、続けられなくなる場面の両方を見てください。
FX取引とマーチンゲール法の関係性
FXで損切り幅が同じなら、ロットを2倍にすると想定損失額もおおむね2倍になります。
損切り幅が変わる場合は、ロットの倍増とリスク額の倍増は一致しません。
初回の想定損失が1,000円なら、倍増するリスク額は1,000円、2,000円、4,000円と続きます。
証拠金が少なく済むことと、損失が小さく済むことは別です。
スプレッド、手数料、スワップ、滑りを含めて検証しなければ、実際の損益は分かりません。
逆マーチンゲール法との違い
逆マーチンゲール法は、勝った後に取引のリスク額を増やし、負けた後に減らす、または初回の額に戻す方法です。
2倍ずつ増やす例では、1,000円のリスクで勝ったら次は2,000円、さらに勝ったら4,000円にします。
勝った後に増やす仕組みも、次の取引の勝率を高めるものではありません。
| 方法 | 増やすタイミング | 注意点 |
|---|---|---|
| マーチンゲール | 負けた後にリスク額を増やす | 連敗で損失と必要資金が急増 |
| 逆マーチンゲール | 勝った後に増やす。負けた後は減らす・戻す | 連勝後の負けで利益を失うことがある |
どちらも取引量を変える方法であり、相場を予測する手法とは区別しましょう。
逆マーチンゲールと比較するときの注意点
「資金管理が得意ならマーチンゲールが向く」とは判断できません。
| 確認項目 | マーチンゲール | 逆マーチンゲール |
|---|---|---|
| 最大リスク | 連敗時の増加額を確認 | 連勝後に増やした額を確認 |
| 共通する条件 | 損益比・費用・停止条件を検証 | 損益比・費用・停止条件を検証 |
まずは、連敗時に増えるリスクと、連勝後に失うリスクを比較してください。
1回の勝ちで取り返せる計算と、その限界

マーチンゲール法では、小さな利益で終わる一連の取引が多くても、少数の大きな損失で合計がマイナスになることがあります。
初回2,000円、次に4,000円、さらに8,000円を失うと、累積損失は14,000円です。
次の取引で16,000円を利確できる条件なら、差し引き2,000円が残ります。

これは損益比1:1、コストなし、4回目の取引を実行できる場合の計算です。
反対に4回目も負ければ、累積損失は30,000円まで増えます。
ルールはシンプルでも、初心者が注意したい理由

「負けたら増やす」というルール自体はシンプルです。
しかし、ルールが簡単なことと、初心者が扱いやすいことは同じではありません。
損切り幅、ロット、必要証拠金、連敗時の停止条件をそろえて考える必要があります。
まずは実取引の前に、表や検証環境で連敗時の損失を確認してください。
5連敗の確率は?勝率50%の仮定で計算
マーチンゲール法を使っても、個々の取引で負ける確率は変わりません。
以下の表は、各取引が独立し、毎回の勝率が50%で一定と仮定した計算です。
ある開始地点から5回連続で負ける確率は、0.5の5乗です。
0.5⁵=0.03125、つまり3.125%となります。
| 連続で負ける回数 | 開始地点からの確率 |
|---|---|
| 1回 | 50% |
| 2回 | 25% |
| 3回 | 12.500% |
| 4回 | 6.250% |
| 5回 | 3.125% |
これは「長く取引を続けても、5連敗に遭遇する確率は3.125%」という意味ではありません。
取引を繰り返したときの連敗遭遇率とは区別しましょう。
EAで自動化しても連敗リスクは残る
マーチンゲール法は、取引量を変えるルールとしてEAに組み込むこともできます。
自動化しても、連敗による損失や証拠金不足はなくなりません。
バックテストでは、利益曲線だけでなく、最大ロット・含み損・最大ドローダウン・停止条件も確認します。
マーチンゲール法のリスク|5連敗の損失を計算

連敗が続くと、確定損失が増え、次の取引に必要なリスク額も大きくなります。
最初に決めるのは、初回ロットだけでなく、一連の取引で許容する合計損失です。
上限に達したら倍増をやめる条件を決め、検証結果を見直します。
勝率50%を超えていれば安全、という基準はありません。
破産リスクの考え方は、
【バルサラの破産確率の計算式や表の見方・使い方をめちゃくちゃ分かりやすく解説】
でも確認できます。
ただし、取引量が増える手法に別の前提の破産確率表をそのまま当てはめないでください。
必要なのは、実際のロット変化と損益を反映したシミュレーションです。
次に、連敗時の計算を具体的に見ていきましょう。
一度の大きな失敗で資金が底をつく

初回の損切り額を1,000円とし、負けるたびに2倍にする例です。
1回ごとの損失額と、ここまでの累積損失を分けて数えます。
1回目1,000円、2回目2,000円、3回目4,000円を失うと、合計は7,000円です。
5連敗では累積損失31,000円、次の6回目に設定するリスク額は32,000円です。
31,000円を失った後に、さらに32,000円を失う可能性のある取引を行う計算になります。
資金が残っていても、必要証拠金や取引数量の上限によって続けられない場合があります。
初回1,000円のシミュレーション|累積損失と次の取引額
下の表は、初回の損切り額1,000円、コストなしの例です。
負けた回数をn、初回のリスク額をRとすると、累積損失はR×(2ⁿ−1)です。
次の取引のリスク額はR×2ⁿとなります。
| 取引回数 | その回の損失額 | 累積損失 |
|---|---|---|
| 1回目 | 1,000円 | 1,000円 |
| 2回目 | 2,000円 | 3,000円 |
| 3回目 | 4,000円 | 7,000円 |
| 4回目 | 8,000円 | 15,000円 |
| 5回目 | 16,000円 | 31,000円 |
| 6回目 | 32,000円 | 63,000円 |
5連敗の累積損失は、1,000円×(2⁵−1)=31,000円です。
次の6回目のリスク額32,000円を足すと、6連敗時の累積損失は63,000円になります。
「次の取引の額」と「すでに失った合計」を混同しないことが大切です。
FXでは損切りの滑りや費用があるため、実損失はこの表と異なることがあります。
適切な資金管理と心構え
リスク管理では、一連の取引の合計損失から考えます。
次の「初回1%でも連敗で損失が増える理由」で確認しましょう。
まず、失ってよい上限額と、何回で取引を止めるかを決めます。
倍増を続けるほど、少しの値動きでも損益の振れが大きくなります。
損失上限を決めても、急変時には予定した価格で損切りできないことがあります。
焦って上限を引き上げると、計画した資金管理が崩れます。
連敗時こそ、取り返すための追加取引より、停止条件を守ることを優先しましょう。
メンタルの強さだけで、倍増する損失を解決することはできません。
負けが込んだ時の心理的アプローチ
FXで連敗を完全に避けることはできません。
負けた直後に次のロットを決めると、回収したい気持ちに引っ張られやすくなります。
事前に決めた条件から外れていないか、一度手を止めて確認しましょう。
許容損失を超えて取り返そうとすると、1回の負けが口座全体に大きく響きます。
負けが込んだ時の具体的なアプローチ
- 取引を一時停止し、自分の判断や戦略を見直す時間を設ける。
- なぜ連敗したのか、原因を分析し、再度の失敗を防ぐための策を練る。
- 心の中の不安や焦りを感じたら、深呼吸をして心を落ち着ける習慣を持つこと
取引を再開する場合も、同じルールで検証し直してから判断します。
休むことも、資金を守るための判断です。
検証で確認したい4つの条件

検証では、次の4点を分けて確認します。
- 一連の取引の合計損失を計算する
- 勝率・損益比・コストを検証する
- エントリー条件と停止条件を固定する
- ナンピン・両建ての数量を確認する
ロットを変える方法だけでなく、入る条件と見送る条件も固定します。
成績を比較するときは、取引コストと最大損失を含めてください。
初回1%でも連敗で損失が増える理由
初回のリスクを小さくしても、倍増を続ければ合計損失は大きくなります。
「初回1%」と「毎回1%」は、まったく違う資金管理です。
上の連敗確率・損失表と、初期資金に対する損失率を合わせて見ましょう。
| 連続で負ける回数 | 開始地点からの確率 |
|---|---|
| 1回 | 50% |
| 2回 | 25% |
| 3回 | 12.500% |
| 4回 | 6.250% |
| 5回 | 3.125% |
| 取引回数 | その回の損失額 | 累積損失 |
|---|---|---|
| 1回目 | 1,000円 | 1,000円 |
| 2回目 | 2,000円 | 3,000円 |
| 3回目 | 4,000円 | 7,000円 |
| 4回目 | 8,000円 | 15,000円 |
| 5回目 | 16,000円 | 31,000円 |
| 6回目 | 32,000円 | 63,000円 |
初期資金の1%を初回リスクにして倍増すると、5連敗の累積損失は31%です。
初回0.5%なら、同じ5連敗で初期資金の15.5%を失う計算です。
次の6回目のリスク額は、初回1%なら初期資金の32%、初回0.5%なら16%になります。
毎回その時点の残高の1%だけを失う方法なら、5連敗後の損失率は1−0.99⁵≒4.90%です。
この4.90%は、負けるたびに倍増するマーチンゲール法の計算ではありません。
上限を設定すると回収前に停止する場合がありますが、その損失を受け入れる条件を先に決めます。
勝率だけでなく、損益比と期待値を確認する
勝率だけでなく、平均利益・平均損失・取引コストを合わせて確認します。
期待値の基本式は、勝率×平均利益−敗率×平均損失です。
ロットを増やすだけでは、不利な手法の期待値が有利に変わるわけではありません。
損益比1:1でも、勝率50%では取引コスト分がマイナスになります。
利確を小さくして勝率を上げても、損失とのバランスが崩れれば資金は減ります。
トレンドフォローとの組み合わせ
トレンドフォローはエントリーの考え方、マーチンゲール法は取引量の変更ルールです。
この2つを組み合わせても、負けが続くリスクは残ります。
上昇トレンドで買う場合も、反転やレンジへの移行によって損切りが続くことがあります。
一時的な逆行と判断してロットを増やす前に、トレンドが崩れた場合の停止条件を確認します。
損切りした後に新規取引をするのか、含み損のある取引に追加するのかも区別してください。
ナンピン・両建てで損失は限定できる?
ナンピンは、含み損のあるポジションに同方向の取引を追加する方法です。
ナンピンマーチンは、さらに追加数量を増やしていく方法を指します。
買いの平均取得価格が下がっても、合計数量が増えれば下落時の損失は大きくなります。
元の例を、買いと売りの数量に分けて確認しましょう。
150円で1ロット買った後、149円で2ロット買い足し、同時に2ロット売ったとします。
買い3ロットに対して売り2ロットなので、差し引き1ロットの買いが残ります。
149円の買い2ロットと売り2ロットの値動き損益が相殺されても、150円の買い1ロットの損益は動き続けます。
したがって、損失が最初の100pips分に固定されるわけではありません。
さらに148円へ下がれば、残る買い1ロットの損失は200pips相当になります。
実際にはスプレッドやスワップなどの費用もあり、両建てだけで損失を消すことはできません。
両建ての例|差し引きの数量を確認
- 150円で買い1ロットを保有
- 149円で買い2ロットと売り2ロットを追加
- 買い合計3ロット−売り2ロット=差し引き買い1ロット
- 148円まで下落すると、150円の買い1ロットは200pips相当の損失
- 費用や証拠金条件は別途必要。追加した両建て分が相殺されても、元の買いの損失は固定されない
高レバレッジ・海外FXなら安全という誤解

高レバレッジを選んでも、マーチンゲール法の損失構造は変わりません。
海外口座が必須ということでもありません。
口座条件で確認すること
- 必要証拠金と、想定損失額を分けて確認する
- ロスカット水準・数量上限・取引条件を確認する
口座の条件を比較するときは、必要証拠金と、値動きによる損失額を分けて確認してください。
レバレッジと損失額の関係
同じ数量・同じ値幅なら、設定レバレッジを変えても値動きによる損益は変わりません。
高いレバレッジでは、同じ取引量に必要な証拠金が少なくなる場合があります。
その分だけ取引量を増やせば、想定損失額も大きくなります。
「次の倍増取引を建てられること」と「資金を守れること」は別です。
取引数量の上限や、必要証拠金の変更条件も確認してください。
口座開設・出金・サポートの条件は業者ごとに異なるため、一律に評価できません。
取引条件は、その業者の最新の説明書で確認します。
高レバレッジを、連敗時の損失を抑える対策として扱わないでください。
ロスカット水準は業者ごとに異なる
ロスカット水準は業者・口座・商品によって異なります。
国内は一律100%、海外は一律20%という比較はできません。
ロスカットは、予定した損失額で必ず決済できる保証ではありません。
急な値動きや流動性の低下によって、証拠金を上回る損失が生じる場合もあります。
FXのマーチンゲール法でよくある疑問
資金が多ければ必ず勝てますか?
資金が多くても、連敗・取引数量の上限・必要証拠金・取引コストの制約は残ります。
有限の資金で、勝つまで必ず続けられるわけではありません。
1回勝てば、必ず負けを取り返せますか?
損益比1:1でコストを除き、予定どおりに倍増取引を続けられる場合の計算です。
利確幅が小さい場合や滑り・費用がある場合は、1回の勝ちで回収できるとは限りません。
初回1%ならリスクも1%ですか?
初回だけ1%で、その後に倍増すれば、5連敗の累積損失は初期資金の31%です。
毎回その時点の残高の1%を失う方法とは区別してください。
次に学びたい資金管理
資金管理の2%ルールとロット計算で、損切り幅から取引数量を求める手順を確認できます。
バルサラの破産確率表も、前提条件を確認しながら参考にしてください。
まとめ|倍増より先に、失える上限を確認する
マーチンゲール法は、負けた後に取引のリスク額を増やす方法です。
少額の利益を得る場面が多くても、一度の大きな損失で成績が崩れることがあります。
初回1,000円で10連敗すると累積損失は1,023,000円、次の11回目のリスク額は1,024,000円です。
1回の勝ちで回収できる計算には、損益比1:1・コストなし・必要な取引を続けられるという前提があります。
現実のFXでは、この前提どおりになるとは限りません。
まずは初回リスク、最大ロット、合計損失の上限、停止条件を数字で確認しましょう。
取引量を増やす前に、手法自体の期待値と、連敗時に残る資金を検証します。
取り返すことより、次の取引に備えて資金を残すことを大切にしてください。





















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