勝率だけ考えていてはだめんじゃ!
それでは、今日は、リスクリワードレシオについて教えてあげましょう!
「毎日トレードを繰り返しているのに、なぜか利益が伸びない・・・」
「むしろ、トータルでマイナス収支・・・」
「勝率が悪くないのになぜか勝てない・・・」
あなたはこのように感じたことはないですか?
上級トレーダーは、勝率はもちろんですが、もうひとつ大切な指標を持っています。
「リスクリワードレシオ」です。
運用している手法が使える手法なのか?また、どこを修正するべきなのか?を知るうえで「リスクリワードレシオ」を分析することはとても大切です。
そこで、この記事では、
- リスクリワードレシオの意味
- リスクリワードレシオの計算方法
- リスクリワードレシオの理想的な比率
- リスクリワードレシオと勝率の関係
- 性格別リスクリワードレシオ値と勝率
について分かりやすく解説していきます。
リアルトレードや過去検証のリスクリワードレシオを計算できるようになると、トレードレベルが上がるだけではなく、自分の力で手法をカスタマイズできるようになります。
そのことによって、すぐに成績が向上することもあります。
この記事があなたのトレードレベルの向上のお役に立てれば幸いです。
目次
なぜリスクリワードレシオを知る必要があるのか?
FXで利益を残していくためには、シンプルに以下の2つを向上することが必要になります。
-
勝率
-
リスクリワードレシオ
この2つです。
勝率は、とても身近な指標なので誰でも分かると思います。
勝ちトレードを総取引で割って百分率(%)で計算すれば勝率はでますね。
もちろん、勝率が良いに越したことはありません。
しかし、勝率が80%や90%でも『リスクリワードレシオ』が悪ければトータルで負けてしまいます。
反対に、勝率が30%や40%でも『リスクリワードレシオ』が良ければトータルで勝つことができます。
つまり、FXで生き残るために勝率と同等に重要な指標が『リスクリワードレシオ』なんです。
これから、数百数千と繰り返す取引で利益を残すためには、『リスクリワードレシオ』を把握することが必須になります。
FXのリスクリワードとリスクリワードの求め方
リスクリワードとは?
リスクリワードの意味はとても簡単です。
リスク=「損失」
リワード=「利益」
つまり、リスクリワードとは、1回のトレードでどれくらいの「損失」に対して、どれほどの「利益」が見込めるのかという期待値になります。
リスクリワードの求め方(1回のトレード)
それでは、1回のトレードにおけるリスクリワードの求め方を解説していきます。
例えば、損切り20Pips(リスク)に対して、利益40Pips(リワード)を狙っているトレードであれば、
リスクリワード[1:2]のトレードとなります。
FXのリスクリワードレシオと計算方法
リスクリワードレシオとは?
リスクリワードに新しくレシオが加わりましたね。
つまり、リスクリワードレシオとは、平均損失と平均利益の比率のことを言います。
このリスクリワードレシオの数値が高ければ高いほど優秀な手法といえます。
それでは、次の項目で、リスクリワードレシオの具体的な計算方法を解説していきますね。
リスクリワードレシオの計算方法
リスクリワードレシオの計算方法は
簡単ですね。
それでは、実際の数字で具体的に解説していきます。
まずは、下の画像をご覧ください。
取引回数 | 損益額 |
1 | +10万円 |
2 | +15万円 |
3 | +5万円 |
4 | +10万円 |
5 | +10万円 |
6 | -60万円 |
7 | +10万円 |
8 | +10万円 |
9 | -40万円 |
10 | +10万円 |
総利益 +80万円 | |
総損失 -100万円 | |
合計損益 -20万円 |
例えば表のように、10回のトレードを終えたとします。
まずは、平均利益と平均損益を計算します。
10回の取引のうち8回の勝ちトレードで80万円の利益を出すことができました。
つまり、1回のトレードで平均10万円の利益を出すことができたということです。
これだけみれば勝率80%でいい感じで稼いでそうですね。
それでは、次に平均損益を計算してみましょう。
10回のトレードのうち2回は負けトレードです。
例えば、2回のトレードで100万円負けました。
1回の負けトレードで、平均50万円負けているということになります。
平均利益と平均損益が計算できたので、最後にリスクリワードレシオを計算してみましょう。
リスクリワードレシオ = 平均利益 ÷ 平 均損益
リスクリワードレシオ = 50万円 ÷ 100万円 = 0.5
あまり良い数値とは言えないね!
リスクリワードレシオは[1]以上が望ましいんだよ!
一般的にリスクリワードレシオは[1]以上が望ましいです。
リスクリワードレシオが[1]にならなければ破産する確率が高いと言われています。
リスクリワードレシオは[1]以上を目安にする
リスクリワードレシオの損益分岐点は[1]を目安にするのが基本です!
(※高勝率手法は例外)
平均利益が1万円
平均損失が1万円
であれば、リスクリワードレシオは[1]になりますね。
つまり、勝率が50%の場合リスクリワードレシオ「1」はイーブンになります。
勝率が50%以下になれば、必ず破産することになります。
このように、リスクリワードレシオは、勝率と一緒に考えていく必要があります。
それでは、次の項目で、リスクリワードレシオと勝率の関係を解説していきます。
リスクリワードと勝率の関係
リスクリワードレシオと勝率の関係を理解することで、高勝率をうたっている商材でも勝てないからくりが理解できるようになります。
ここではリスクリワードと勝率の関係について、具体的に解説していきますね。
リスクリワードレシオと勝率のバランスが大切
リスクリワードレシオの数値だけでは、利益は残りません。
リスクリワードレシオは、『勝率』と一緒に考える必要があります。
・勝率=50%
・リスクリワード=[1:2](損失1万円:利益2万円)
だったとします。
損失1万円 ✕ 5回トレード=-5万円
利益2万円 ✕ 5回トレード=+10万円
合計+5万円
結果として、勝率50%でリスクリワード1:2であれば、月に+5万円の利益を得ることができます。
それでは、勝率を60%にあげた場合はどうでしょう。
損失1万円✕4回トレード=-4万円
利益2万円✕6回トレード=+12万円
合計+8万円
結果として、月の利益が+8万円の利益を得ることができます。
このように、同じリスクリワードが[1:2]の場合でも、勝率が50%と60%では、得られる収益に違いが出てきます。
勝率が悪ければ、同じリスクリワードレシオでも破産することになりますので、勝率も合わせて考えていかなければいけません。
次の項目より、リスクリワードレシオと損益分岐勝率を一緒に確認してい行きましょう。
リスクリワードと損益分岐勝率
それでは、もっと具体的にリスクリワードと勝率との関係を紐解いていきたいと思います。
ここでは、損益の分岐となるところはどこなのかを確認していきたいと思います。
以下の例は、ごく一般的で現実的なリスクリワードレシオと勝率を例に解説をしていますので、いずれかの勝ちパターンにあてはまるように、あなたの手法をカスタマイズしていきましょう。
(スプレッドは無視しています。)
損失1万円✕5回トレード=-5万円
利益1万円✕5回トレード=+5万円
合計±0円
損失1万円✕6回トレード=-6万円
利益1万円✕4回トレード=+4万円
合計-2万円
勝率50%以上にしよう!
損失1万円✕6回トレード=-6万円
利益2万円✕4回トレード=+8万円
合計+2万円
損失1万円✕7回トレード=-7万円
利益2万円✕3回トレード=+6万円
合計-1万円
勝率40%以上にしよう!
損失1万円✕7回トレード=-7万円
利益3万円✕3回トレード=+9万円
合計+2万円
損失1万円✕8回トレード=-8万円
利益3万円✕2回トレード=+6万円
合計-2万円
勝率30%以上にしよう!
損失1万円✕7回トレード=-7万円
利益4万円✕3回トレード=+12万円
合計+5万円
損失1万円✕8回トレード=-8万円
利益4万円✕2回トレード=+8万円
合計±0円
勝率20%以上にしよう!
このように、リスクリワードの比率を上げることで、勝率がある程度悪くても、利益を確保することはできます。
逆に、リスクリワードでリワードの比率が低いと、勝率を上げなければ、利益を確保することが難しくなります。
バルサラの破産確率表
ここで、リスクリワードと勝率の関係から破産確率を導き出す『バルサラの破産確率表』を紹介します。
「バルサラの破産確率表」は、
-
自己資金に対するリスクの比率(%)
-
リスクリワードレシオ
-
勝率
各比率にから、破産する確率を導き出した表になります。
計算式はありますが、表を見た方が分かりやすいので、こちらをご覧ください。
ペイオフレシオとは、リスクリワードレシオのことです。
上図は、運用資金に対して、平均損失比率を10%でトレードした場合の破産確率の表になります。
平均損失比率10%とは、10万円の資金に対して平均で1万円の損失となる計算になります。
表で見ると、ペイオフレシオ1.00(リスクリワード1:1)で勝率50%の箇所が、100%となっているのが分かるでしょうか?
●ペイオフレシオ1.0(リスクリワード1:1)
●勝率50%
このようなトレードを続けていれば、『100%破産』しますということです。
破産しないためにも、しっかりとした資金管理を行って、リスクリワードを考えながら、ある程度の勝率を保つ必要があります。
勝率を保つためには、勝てる相場でトレードする必要があります。
ちなみに、私は運用資金に対してのリスク許容を2%にしています。
上図のバルサラ破産確率表がリスク10%ですので、2%とは、その1/5のリスクです。
つまり、100万円の資金に対して、平均の損失を2万円くらいに抑えています。
なぜ2%ルールを採用しているのか?については、以下の記事で分かり易く解説しています。
つまり、リスクリワードレシオと勝率、リスク許容度を含めた手法作りが大切だということですね。
理想的なリスクリワードレシオ値は?
ここまで、読み込んだ方は、内容はなんとなく理解できるけど、もっと分かり易い答えが欲しいという方もいらっしゃると思います。
そのような答え・・・あります。
一般的に、理想的なリスクリワードレシオは[2.5~3.0]と言われています。
リスクリワード[1:2.5]~[1:3]
つまり、損失1万円に対して、利確を2.5万円~3万円に設定するということになります。
リスクリワードレシオ[2.5]で考えると、
損失1万円 ✕ 5回トレード = -5万円
利益2.5万円 ✕ 5回トレード = +12.5万円
合計+7.5万円
となり、勝率50%でも十分な利益を残すことができるようになります。
また、損益分岐勝率は約29%となり、10回のうち3回勝てば利益を得られる計算になります。
理想的なリスクリワードレシオに改善する方法
リスクリワードレシオを計算することで、現在運用中の手法が、近未来的に利益を生み出してくれるものなのか?そうでないのか?明確に数字として把握することができます。
もしも、リスクリワードレシオが悪い手法であった場合、どのように手法を改善すればよいのでしょうか?
以下の2つを見直してリスクリワードレシオを改善していきましょう。
改善するポイントは、もちろん[勝率][リスクリワード]ですね。
勝率の改善方法
勝率を改善する方法はひとつです。
『無駄なトレードをしないこと』です。
どれだけ今まで素晴らしいトレードを繰り返したとしても、数回の無駄なトレードで勝率が下がってしまいます。
ルールに当てはまったとしても、『これで負けたら仕方ない』と思えるほどの相場環境でしょうか?
そのトレードは、あなたの『鉄板トレード』でしょうか?
勝てる自信があって負けるのと、不安な状態で負けるのは、同じ負けでも次元が違います。
自信がある『鉄板トレード』のみに絞ってトレードを繰り返してみましょう。
上級トレーダーほど、このようなトレードをしているものです。
『鉄板トレード』のみ行うだけで、簡単に勝率が上がるはずです。
リスクリワードの改善
実は、リスクリワードの改善方法も簡単です。
『自分が理想としているリスクリワードが実現できない可能性のあるトレードは見送ること』です。
以下のチャートをご覧ください。
このチャートは1時間足のチャートです。
大局的に下落方向ですので、Wトップ気味のネックラインを割ったポイントでエントリーしても問題ないように見えます。
しかし、このチャートを日足で確認すると、以下のようになります。
小さく青で囲った箇所がエントリーポイントです。
日足でチャートを確認すると強いサポート(オレンジ帯)が存在しています。
このことを理解したうえで再度、1時間足のチャートに戻ります。
エントリーポイントとしては、間違っていないですが、目の前に強い日足のサポートがありあます。
リスクリワードレシオを1:2~1:3を理想としているのに対して、リスクリワードレシオ1:1しか見込めない場合は、リスクが高いので見送るのがベターです。
目標としているリスクリワードレシオまでに、サポートやレジスタンスがあればエントリーを見送りましょう。
このようなトレードを繰り返すことができれば、リスクリワードレシオ値は改善されます。
性格別のリスクリワードレシオと勝率
最後にとても大切な内容をお伝えしようと思います。
それは、
『リスクリワードレシオ値と勝率は自分の性格にあったものを採用する』ということです。
勝てる手法とは、自分にあった手法であり、自分にあったリスクリワードレシオと勝率を実現する手法のことです。
このことに気づくまでに、たくさんの手法と負けトレードを繰り返す必要があるかもしれません。
少なくとも私はそうでした。
できるだけ早く、自分の性格にあった手法(リスクリワードレシオ値と勝率)が見つかるように、以下に性格パターンをまとめておきました。
リスクリワードレシオ値 ⇒ 低め
勝率 ⇒ 高め
リスクリワードレシオ値 ⇒ 高め
勝率 ⇒ 低め
リスクリワードレシオ値 ⇒ ミドル
勝率 ⇒ ミドル
個人的には、パターン③のトレーダーを目指すとバランスも良く、ストレスが少ないトレードができると感じています。
MT4でリスクリワードを計算せずに簡単に一発表示させる方法
リスクリワードを表示してくれるチャートシステムはあまりありません。
しかし、MT4を利用すれば、めんどくさい計算などしなくても、リスクリワードを簡単に一発表示させることができます。
この機能はめちゃくちゃ便利ですので、是非活用してください。
設定方法については、【MT4でリスクリワードレシオを計算せずに一瞬で表示させる方法】で分かり易く解説しています。
また、MT4をお持ちでない方は、【MT4の無料ダウンロード方法からインストール・デモ・リアル口座まですべて解説】でMT4のダウンロード方法を解説していますので参考にしてください。
まとめ
FXをはじめたころ、勝率ばかりに気をとられて、リスクリワードレシオ値を無視していました。
毎日トレードをしているのに、なぜか利益が残らない方がいるのであれば、一度、リスクリワードレシオ値と勝率の関係を分析してみましょう。
そして、自分の弱点を見つけ出し、改善された手法で相場に臨んでください。
トレードもトライ&エラーの繰り返しです。
このような作業をしっかりできるトレーダーは必ず生き残るものです。