
FXのリスクリワードは、予定する損失と利益の比率です。
例えば損切り20pips・利確40pipsなら1:2ですが、利益が残るかどうかは実績の勝率とコストも含めて判断します。



リスクリワードの計算は、取引を振り返るときに大切なんだよ!
勝率だけでは、利益が残るかは分からないんじゃ!
今日は、比率の計算と勝率との関係を確認していこう!
「毎日トレードを繰り返しているのに、なぜか利益が伸びない・・・」
「むしろ、トータルでマイナス収支・・・」
「勝率が悪くないのになぜか勝てない・・・」
あなたはこのように感じたことはないですか?
利益が残らない原因を調べるときは、勝率だけでなく「1回の利益と損失の大きさ」も確認します。
「リスクリワードレシオ」です。
勝率とリスクリワードをセットで見ると、利確・損切りのどこを見直すべきかが分かりやすくなります。
そこで、この記事では、
- リスクリワードレシオの意味
- リスクリワードレシオの計算方法
- 理想的な比率と、決めるときの注意点
- リスクリワードレシオと勝率の関係
- 自分の取引ルールに合う比率の考え方
について分かりやすく解説していきます。
取引記録から比率を計算すれば、「小さく利確して、大きく損切りしていないか」を確認できます。
改善後は、同じルールで検証し、平均利益・平均損失・勝率の変化を比べましょう。
この記事があなたのトレードレベルの向上のお役に立てれば幸いです。
なぜリスクリワードレシオを知る必要があるのか?
FXの取引結果を振り返るときは、まず次の2つを確認します。
勝率
リスクリワードレシオ
この2つです。
勝率は、勝ちトレードの回数を総取引数で割り、100を掛けて求めます。
ただし、勝率だけで手法の良し悪しは判断できません。
勝率80%でも、少数の大きな損失が利益を上回れば、収支はマイナスになります。
反対に、勝率が低くても、勝ったときの利益が十分大きければ、収支がプラスになる場合があります。
つまり、FXで生き残るために勝率と同等に重要な指標が『リスクリワードレシオ』なんです。
取引のコストと1回に失う金額も含めて、継続できるルールかどうかを確認しましょう。
リスクリワードとは?1回の取引での計算方法
リスクリワードとは?
リスクリワードの意味はとても簡単です。
リスク=「損失」
リワード=「利益」
リスクリワードは、1回の取引で予定する損失と利益の比率です。
リスクリワードの求め方(1回のトレード)
それでは、1回のトレードにおけるリスクリワードの求め方を解説していきます。
例えば、損切りまで20pips、利確まで40pipsの取引を考えます。
リスク:リワードは1:2となり、利益側を損失側で割った数値は40÷20=2になります。

本記事では、リスク:リワードを1:2の形で示し、単独の数値は「利益÷損失」で統一します。
| 確認するもの | 計算方法 | 読み方 |
|---|---|---|
| 取引前の予定比率 | 利確までの値幅÷損切りまでの値幅 | 20pipsの損切り・40pipsの利確なら2(リスク:リワード=1:2) |
| 取引後の実績比率(ペイオフレシオ) | 勝ち取引の平均利益÷負け取引の平均損失の絶対値 | 約定・途中決済・コストの扱いによって予定と異なる |
| 収支の期待値 | 勝率×平均利益−負け率×平均損失の絶対値 | 比率に加えて勝率を使い、1取引あたりの平均的な損益を計算する |
予定の比率は、実際にその利益を得られる確率を表していません。
取引実績のリスクリワードレシオを計算する
リスクリワードレシオとは?
「レシオ」は、比率という意味です。
ここでは、予定する比率と区別して、取引実績の平均利益÷平均損失の絶対値も確認します。
実績の比率は「ペイオフレシオ」とも呼ばれますが、数値が高いだけで優れた手法とは判断できません。
それでは、次の項目で、リスクリワードレシオの具体的な計算方法を解説していきますね。
リスクリワードレシオの計算方法
実績の比率は、次の式で計算します。
損失はマイナスの符号を外して、正の金額で計算してください。
平均利益は勝ち取引だけ、平均損失は負け取引だけを使って求めます。
まずは、下の画像をご覧ください。


下の図と表は、10回の取引で8勝2敗だった場合の計算例です。
まず、平均利益と平均損失を計算しましょう。
8回の勝ち取引で、合計80万円の利益が出ています。
つまり、1回のトレードで平均10万円の利益を出すことができたということです。
勝率は80%ですが、これだけでは収支がプラスとは限りません。
続いて、平均損失を計算します。
10回のトレードのうち2回は負けトレードです。
2回の負け取引では、合計100万円の損失が出ています。
1回の負けトレードで、平均50万円負けているということになります。
平均利益10万円を、平均損失50万円で割ります。
実績の比率 = 平均利益 ÷ 平均損失の絶対値
実績の比率 = 10万円 ÷ 50万円 = 0.2


この例では、1回の負けが平均利益の5倍になっているんじゃ!
勝率80%でも収支は−20万円なので、損失の大きさを見直す必要があるんだよ!
この例の実績比率は0.2で、合計収支は80万円−100万円=−20万円です。
勝率80%でも、1回の損失が大きいため、利益が残っていません。
| 項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 平均利益 | 80万円÷8勝 | 10万円 |
| 平均損失の絶対値 | 100万円÷2敗 | 50万円 |
| 実績比率 | 10万円÷50万円 | 0.2 |
| 合計収支 | 80万円−100万円 | −20万円 |
比率1以上なら利益が残る?勝率とセットで判断する
比率1は、平均利益と平均損失が同じ大きさという意味です。
例えば、平均利益1万円・平均損失1万円なら、比率は1になります。
この場合、コストを除いた損益分岐勝率は50%です。
勝率50%なら収支はゼロですが、スプレッドなどのコストが加わるとマイナスになります。
比率1未満でも勝率が十分高ければプラスになり、比率1以上でも勝率が低ければマイナスになります。
このように、リスクリワードレシオは、勝率と一緒に考えていく必要があります。
それでは、次の項目で、リスクリワードレシオと勝率の関係を解説していきます。
リスクリワードと勝率の関係を具体例で確認
「高勝率」という説明を見たときも、平均利益と平均損失を一緒に確認してみてください。
ここではリスクリワードと勝率の関係について、具体的に解説していきますね。
リスクリワードレシオと勝率のバランスが大切
リスクリワードレシオの数値だけでは、利益は残りません。
リスクリワードレシオは、『勝率』と一緒に考える必要があります。
・勝率=50%
・リスクリワード=[1:2](損失1万円:利益2万円)
だったとします。
損失1万円 ✕ 5回トレード=-5万円
利益2万円 ✕ 5回トレード=+10万円
合計+5万円
この10回の計算例では、コストを除いた合計収支が+5万円になります。
それでは、勝率を60%にあげた場合はどうでしょう。
損失1万円✕4回トレード=-4万円
利益2万円✕6回トレード=+12万円
合計+8万円
6勝4敗になった場合は、コストを除いた合計収支が+8万円になります。
このように、同じリスクリワードが[1:2]の場合でも、勝率が50%と60%では、得られる収益に違いが出てきます。
予定した比率を決めるだけでなく、実際に達成できた比率と勝率を確認することが大切です。
次に、収支がゼロになる「損益分岐勝率」を確認しましょう。
リスクリワード別の損益分岐勝率【比較表】
損益分岐勝率は、平均利益と平均損失から計算できます。
コストを除いた損益分岐勝率=1÷(1+実績の比率)×100です。
| リスク:リワード | 利益÷損失の比率 | 損益分岐勝率(コスト除外) |
|---|---|---|
| 1:0.2 | 0.2 | 約83.33% |
| 1:1 | 1 | 50% |
| 1:2 | 2 | 約33.33% |
| 1:2.5 | 2.5 | 約28.57% |
| 1:3 | 3 | 25% |
| 1:4 | 4 | 20% |
表の勝率と同じなら、コストを除いた収支はゼロです。
利益を残すには、実績の勝率が損益分岐を上回り、コストを差し引いても収支がプラスになる必要があります。
計算例の前提
以下は、各取引の利益額と損失額を固定し、コストを除いた例です。
実際の勝率や毎月の利益を保証するものではありません。
損失1万円✕5回トレード=-5万円
利益1万円✕5回トレード=+5万円
合計±0円
損失1万円✕6回トレード=-6万円
利益1万円✕4回トレード=+4万円
合計-2万円
損益分岐は勝率50%(コスト除外)
損失1万円✕6回トレード=-6万円
利益2万円✕4回トレード=+8万円
合計+2万円
損失1万円✕7回トレード=-7万円
利益2万円✕3回トレード=+6万円
合計-1万円
損益分岐は約33.33%(コスト除外)
損失1万円✕7回トレード=-7万円
利益3万円✕3回トレード=+9万円
合計+2万円
損失1万円✕8回トレード=-8万円
利益3万円✕2回トレード=+6万円
合計-2万円
損益分岐は勝率25%(コスト除外)
損失1万円✕7回トレード=-7万円
利益4万円✕3回トレード=+12万円
合計+5万円
損失1万円✕8回トレード=-8万円
利益4万円✕2回トレード=+8万円
合計±0円
損益分岐は勝率20%(コスト除外)
実績の利益側の比率が高いほど、コストを除いた損益分岐勝率は低くなります。
ただし、利確目標を遠くするだけで同じ勝率を保てるとは限りません。
コストを含めて期待値を確認する
期待値は、1回の取引あたりの平均的な損益を表す計算値です。
期待値=勝率×平均利益−負け率×平均損失の絶対値
例えば、勝率40%・平均利益2万円・平均損失1万円なら、0.4×2万円−0.6×1万円=+2,000円になります。
この利益と損失がコスト控除前なら、さらに1取引あたりの平均コストを差し引きます。
平均コストが1,000円なら、期待値は2,000円−1,000円=+1,000円です。
同じ前提での損益分岐勝率は、(1万円+1,000円)÷(2万円+1万円)×100=約36.67%になります。
スプレッド・手数料・スワップなどが既に取引損益に含まれている場合は、二重に差し引かないでください。
これは計算上の例で、次の取引や将来の成績を保証する値ではありません。
参考:CME Group「The Mathematics of Trading Success」(勝率と平均利益・平均損失を使った期待値の考え方)。
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バルサラの破産確率表
勝率と損益比率に加えて、1回の損失の大きさを考える資料として、バルサラの破産確率表を紹介します。
勝率・損益比率・資金に対する損失額を組み合わせて、取引を続けるリスクを考える参考資料です。
掲載図の詳しい計算条件は確認できていないため、数値を将来の確率として使わないでください。
「バルサラの破産確率表」は、
自己資金に対するリスクの比率(%)
リスクリワードレシオ
勝率
特定の前提で、資金が尽きるリスクを考えるための表です。
下の表は、考え方を学ぶ参考図としてご覧ください。
ペイオフレシオは、取引実績の平均利益を平均損失の絶対値で割った比率です。

上図には「平均損失比率10%」という前提が記載されています。
平均損失比率10%とは、10万円の資金に対して平均で1万円の損失となる計算になります。
比率1・勝率50%の欄には100%とありますが、この数値を現実の将来の破産確率と同一視しないでください。
●ペイオフレシオ1.0(リスクリワード1:1)
●勝率50%
表の計算方法・破産の定義・取引回数などの前提が変われば、結果の解釈も変わります。
「この組み合わせなら必ず破産する」「0%なら安全」といった断定はできません。
1回の損失額、連敗による資金の減少、複数ポジションの合計リスクも確認しましょう。
ちなみに、私は運用資金に対してのリスク許容を2%にしています。
2%は、100万円の資金に対して2万円という損失額の目安になります。
ただし、急変時の滑りや複数取引の損失が重なる可能性があり、2%に設定すれば安全という意味ではありません。
2%ルールと資金管理の考え方は、以下の記事で解説しています。
つまり、リスクリワードレシオと勝率、リスク許容度を含めた手法作りが大切だということですね。
前提の確認方法は、バルサラの破産確率表の見方と注意点でも解説しています。
理想的な比率は1:2?1:3?
「結局、どの比率を目指せばいいのか」と迷うかもしれません。
すべての手法に共通する、唯一の理想的な比率はありません。
1:2.5〜1:3は検証する候補の一つですが、その比率でどれだけ勝てるかを確認する必要があります。
リスクリワード[1:2.5]~[1:3]
つまり、損失1万円に対して、利確を2.5万円~3万円に設定するということになります。
リスクリワードレシオ[2.5]で考えると、
損失1万円 ✕ 5回トレード = -5万円
利益2.5万円 ✕ 5回トレード = +12.5万円
合計+7.5万円
この10回の例では、コストを除いた合計収支は+7.5万円です。
比率2.5の損益分岐勝率は約28.57%で、同じ損益額の10取引で3勝7敗なら、コストを除くと+5,000円になります。
勝率とリスクリワードを取引記録から改善する方法
過去の実績を計算すると、今のルールでどのような結果が出ていたかを確認できます。
ただし、過去の数値がそのまま今後も続くとは限りません。
以下の2つを見直してリスクリワードレシオを改善していきましょう。
改善するポイントは、もちろん[勝率][リスクリワード]ですね。
勝率の改善方法
勝率を見直すときは、まず取引記録を相場環境やエントリー条件で分けてみましょう。
ルール外の取引を減らし、成績が悪い条件を記録から探すことが出発点です。
「自信があるか」だけでなく、同じ条件で繰り返し取引した結果を確認します。
トレンド・レンジ、時間帯、上位足の節目など、どの条件で損失が増えているでしょうか?
エントリーの根拠と、見送る条件を言葉にできますか?
同じ負けでも、ルールどおりの損切りと、ルールを破って広げた損失は分けて記録しましょう。
成績を確認できた条件に絞り、その後の結果も継続して比較します。
条件を絞ると取引数が減るため、少数の勝ち負けだけで判断しないことも大切です。
勝率が上がっても平均利益が減っていれば、収支は改善しない場合があります。
リスクリワードの改善
リスクリワードを見直すときは、利確までの余地と、根拠のある損切り位置を確認します。
『自分が理想としているリスクリワードが実現できない可能性のあるトレードは見送ること』です。
以下のチャートをご覧ください。

このチャートは1時間足のチャートです。
下落方向の1時間足だけを見ると、Wトップ気味のネックライン割れが売り候補に見える場面です。
しかし、このチャートを日足で確認すると、以下のようになります。

小さく青で囲った箇所がエントリーポイントです。
日足では、その下にサポート候補となるオレンジの帯が描かれています。
このことを理解したうえで再度、1時間足のチャートに戻ります。

1時間足の売り候補の下に、日足のサポート候補があることが分かります。
1:2〜1:3を検証条件にしているのに、節目まで1:1しか見込めないなら、見送りを検討します。
比率を良く見せるために、損切りを不自然に近づけたり、節目を無視して利確を遠くしたりしないでください。
見送り条件を決めたら、実際の平均利益・平均損失・勝率が改善したかを記録で確認しましょう。
続けられる取引スタイルと比率を考える
数字が良く見える手法でも、ルールを続けられなければ予定どおりの結果にはなりません。
次の図は、取引スタイルと心理的な負担を考えるための目安です。
性格に合うかどうかと、利益が残るかどうかは別々に確認しましょう。
連敗への耐えやすさ、利確まで待てるか、検証した収支を合わせて考えます。
このことに気づくまでに、たくさんの手法と負けトレードを繰り返す必要があるかもしれません。
少なくとも私はそうでした。
以下の分類は一般的な傾向を整理したもので、性格だけで適切な比率や勝率が決まるわけではありません。

リスクリワードレシオ値 ⇒ 低め
勝率 ⇒ 高め
リスクリワードレシオ値 ⇒ 高め
勝率 ⇒ 低め
リスクリワードレシオ値 ⇒ ミドル
勝率 ⇒ ミドル
個人的には、パターン③のトレーダーを目指すとバランスも良く、ストレスが少ないトレードができると感じています。
MT4で予定のリスクリワードを表示する方法
MT4では、補助ツールを使って予定するリスクリワードをチャート上に表示できます。
表示されるのは、エントリー・損切り・利確の位置から計算した予定の比率です。

実際の損益は、約定価格・コスト・途中の決済によって変わるため、取引後の記録も残してください。
表示方法は、MT4でリスクリワードを表示する方法で解説しています。
導入前に確認したい方は、MT4のダウンロード・インストール方法をご覧ください。
リスクリワードのよくある質問
1:2と1:3では、どちらがよい?
比率だけでは決められません。
同じエントリー条件で利確目標を変えて検証し、実績の勝率・平均損益・コストを比べましょう。
pipsだけで実績の比率を計算してよい?
ロット数や通貨ペアが違う場合は、同じpipsでも金額が変わるため、収支の確認には同じ通貨の損益額を使います。
途中決済がある場合は、一つのポジションの決済をまとめるなど、取引の数え方も統一してください。
勝ち取引や負け取引がまだない場合は?
勝ち取引がなければ平均利益、負け取引がなければ平均損失が求められないため、この式で実績比率を算出できません。
少数の取引結果は偏りやすく、勝ち負けがそろっただけで十分な検証とは判断しないでください。
まとめ
FXをはじめたころ、勝率ばかりに気をとられて、リスクリワードレシオ値を無視していました。
利益が残らないと感じたら、取引記録から平均利益・平均損失・勝率を計算してみましょう。
そのうえで、ルール外の取引、利確の早さ、損切りの広がり、コストの影響を順に見直します。
トレードもトライ&エラーの繰り返しです。
比率だけを追いかけず、記録と検証を重ねながら、無理なく続けられる取引ルールを作っていきましょう。




















