この記事はRSIをひと記事で完全マスターするために非常にボリュームのあるないようになっています。
- この記事をBookmarkに保存する
- 目次から必要な内容だけピックアップして学ぶ
ことをおすすめします。
- RSIの基本~応用的な使い方をマスターしたい!
- RSIの実践的な手法を知りたい!
- RSIの専門知識から裏技的な使い方を知りたい!
このように思われている方は、このひと記事をお読みになるだけでRSIを完全にマスターすることができます。
RSIは、株式トレーダーだけでなくFXトレーダーにも非常に人気のオシレーター指標のひとつです。
もっとも多くのトレーダーが使用しているオシレーター指標といっても過言ではありません。
だから、あなたもRSIを知り、興味をもち、研究しようと思われたはずです。
この記事では、RSIの基本から応用だけでなく裏技から手法まで、RSIのすべてを一挙に解説しています。
この記事では
- RSIとは?分かりやすく解説
- RSI計算方法とExcelの作り方
- RSIの基本~応用的な使い方
- あまり紹介されていないRSIの裏技的な使い方
- だましを排除する効果的な方法
- 明日から使えるRSIの実践的な手法
- 精度が高くなるRSIと他のテクニカル指標との組み合わせ
- RSIの使用上の注意点
まで、ボリューム満点の内容になっています。
RSIを理解してマスターすることで、あなたの手法構築の大きな力になります。
是非、この記事の内容を参考にして、あなただけのパターンを見つけ出してください。
この記事が、あなたのトレードスキルの向上のお役に立てれば幸いです。
目次
RSIとは?分かりやすく解説
RSI(Relative Strength Index)は、1978年にJ.ウェルズ・ワイルダー・ジュニアによって開発されたテクニカル分析指標の一つです。
多くのトレーダーが価格の過熱感を捉えるのを判断するために使用しています。
つまり、『買われ過ぎ』『売られ過ぎ』を判断するインジケーターです。
RSIは、相対的な上昇幅と下落幅をもとに、0から100までの範囲で価格の過去の動きの過熱感を数値化します。
一般的にRSI値が70以上の場合、買われすぎであると判断され、逆に30以下の場合は売られすぎであると判断されるのが一般的です。
RSIの歴史と開発者J.ウェルズ・ワイルダー・ジュニア
J. Welles Wilder Jr.(J.ウェルズ・ワイルダー・ジュニア) は、1970年代にテクニカル分析の手法と指標を革命的に進化させたトレーダーおよびテクニカルアナリストです。
彼は、短期的な価格変動を分析して取引のタイミングを見極めるための多くのテクニカル指標を開発しました。
そのことによって、『テクニカル指標の父』と呼ばれるくらい、今でも有名なテクニカルインジケーターがあります。
他のインジケーターにご興味をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんので、ワイルダーが開発した有名なインジケーターをご紹介しておきます。
テクニカル指標 | 機能 |
RSI (Relative Strength Index) | 価格の強さや弱さを示す指標で、オーバーボート(買われすぎ)やオーバーソールド(売られすぎ)の状態を識別するのに役立ちます。 |
ADX (Average Directional Index) | トレンドの強さを評価するための指標です。 ADXは方向性を示さないが、トレンドの強さや弱さを評価するために使用されます。 |
Parabolic SAR (Stop and Reverse) | トレンドが逆転する可能性が高いポイントを特定するための指標です。 Parabolic SARは、トレンドフォローのストップ位置を決定するのに特に役立ちます。 |
Average True Range (ATR) | 価格のボラティリティを測定するための指標です。 ATRは、ストップロスの位置を決定する際やボラティリティが高いときの取引戦略を計画する際に特に役立ちます。 |
これらの指標は、Wilderが1978年に発表した「New Concepts in Technical Trading Systems」という本で詳細に紹介されています。
この本は、テクニカル分析の分野でのセミナルワークと見なされており、多くのトレーダーやアナリストによって参考にされています。
中でも、RSIは1978年にJ.ウェルズ・ワイルダー・ジュニアによって開発され、彼が開発した中でもっとも人気のインジケーターになりました。
開発者と歴史を知るだけで、RSIをさらに研究したくなりましたか?
RSIとは
- 『買われ過ぎ』『売られ過ぎ』を判断するインジケーター
- RSI値が70以上の場合買われすぎ、逆に30以下の場合は売られすぎ
- 『テクニカル指標の父』J.ウェルズ・ワイルダー・ジュニアが開発
RSIの基本的な期間設定とパラメーターのカスタマイズ
RSIの計算には特定の期間を基にした上昇幅と下落幅の動きを用いります。
その特定の期間を「パラメーター」として設定します。
標準的なパラメーターのデフォルト設定値は「14」です。
これは、過去14日間のデータをもとにRSIの数値を計算するという意味です。
RSI期間14以外によく使われているパラメーター設定値
RSIのパラメーターを期間14に限らず、他の設定値で利用しているトレーダーもいらっしゃいます。
パラメーターは、トレードスタイルや手法、取引する時間足によって適宜に変更するべきです。
ですので、ここで期間設定14以外でよく利用されている設定値をご紹介しておきますね。
デイトレーダーは短い期間、「9」や「7」を設定することで、短期間の価格変動に敏感なRSIの動きを捉えようとすることがあります。
また、ダイバージェンスのみを確認したい場合なども「9」や「7」を設定することがあります。
逆に、長期投資家は「21」や「28」といった長い期間を設定し、中長期的なトレンドを評価するためのRSIを利用することがあります。
期間設定が小さくなるほど、反応は敏感になり、トレードチャンスが増えますがノイズも多くだましが増えます。
逆に、期間設定が大きくなるほど、反応は穏やかになりノイズやだましは減りますが、トレードチャンスが減ります。
設定値によってRSIの数値の動きや反応の速さが異なるため、自身の投資スタイルに合わせて適切なパラメーターを選びましょう。
設定値を変更する際には、その影響を確認し、最適な設定を見つけ出す努力が求められますので過去検証をしっかり行いましょう。
RSIのパラメーター
- デフォルトは基本設定[14]
- スキャルピングやデイトレードなど短期トレーダーは[7][9]
- スイングなどの中長期トレーダーは[21][28]
- 自身の投資スタイルに合わせて適切なパラメーターを設定する
RSIの計算式とエクセル作成方法を分かりやすく解説<
※RSIの計算式やExcelデータ作成などに興味のない方は、次の項目のRSIの使い方に進んでください。(RSIの計算式を理解できなくても使いこなせます。)
RSI(Relative Strength Index)の計算方法は、意外と簡単な式で構成されています。
用いるデータは、特定の期間内の平均上昇値と平均下落値だけです。
このデータをもとに、ある期間内での価格上昇の強さと下落の強さを比較し、その相対的な強弱を数値化することで、RSI(価格の過熱感)を計算するということです。
このことを念頭に、RSIの計算式の解説を読み進めると分かりやすいです。
RSIの基本的な計算式
RSIの計算式を理解することで、RSIの本質を把握することができます。
以下、RSIの基本的な計算式です。
A=一定期間の上昇幅の平均
B=一定期間の下落幅の平均
わかりやすく上記のRSIの計算式を説明すると、一定期間の上下変動により上昇した割合を算出しています。
この計算式の背後には、特定の期間内の価格変動をベースに、相場の強弱を数値化する目的があります。
ある期間内での価格上昇の強さと下落の強さを比較し、その結果を0から100(%)の範囲の数値で示すことで、相場の過熱や過度な下落を判断する材料とするためです。
RSIをエクセルで計算する方法
エクセルを用いることで、独自の期間設定やデータセットを使って柔軟にRSIの分析が行えるため、深くRSIを研究されたいトレーダーはExcelデータ作成に興味があるでしょう。
エクセルは数値計算とデータの可視化が得意であり、カスタマイズが容易だからです。
コピペで誰でもRSIのExcelデータを作成できるように、RSIのExcel表の作成方法をまとめておきます。
以下は、エクセルを使用してRSIを計算する手順です。
エクセル(Excel)を立ち上げて、以下の手順で入力してください。
STEP1|データの準備
まず、A列に日付、B列に終値を入力します。
A1: Date
B1: Close
A2: 2023-01-01
B2: 105 A3: 2023-01-02 B3: 107
・・・
STEP2|日ごとの変動を計算
C列に日々の変動を計算します。
C1: Change
C2: =B2 (最初の日の変動はないため、終値をそのまま使用します)
C3: =B3-B2
・・・
STEP3|上昇の変動と下降の変動を計算
D列に上昇の変動、E列に下降の変動を計算します。
D1: Gain
E1: Loss
D2: =MAX(C2,0)
E2: =MAX(-C2,0)
D3: =MAX(C3,0)
E3: =MAX(-C3,0)
・・・
STEP4|平均の上昇と下降の変動を計算
RSIの計算で一般的な期間は14日です。F列に平均上昇、G列に平均下降を計算します。
F15: =AVERAGE(D2:D15)
G15: =AVERAGE(E2:E15)
F16: =((F15*13)+D16)/14
G16: =((G15*13)+E16)/14
・・・
STEP5|RSIの計算
H列にRSIを計算します。
H1: RSI
H15: =100-(100/(1+(F15/G15)))
H16: =100-(100/(1+(F16/G16)))
・・・
これで、エクセルを使用してRSIを計算する準備ができました。
H列にRSIの値が表示されます。
必要に応じて、セルの参照や範囲を調整してください。
その他、データ変更やデザイン変更は各々で作成して頂ければと思います。
RSIのシグナルの基本的な見方と使い方|基本~応用・裏技まで
RSIのシグナルを正確に分析することは、エントリーやエグジットだけでなく、トレンドやレンジなどを分析するのに効果的なヒントを与えてくれます。
そして、RSIのシグナルを他の分析や手法と組み合わせることで、より精度の高いトリガーになります。
この項目では、RSIのシグナルの基本的な見方と使い方を基本~応用的なものから裏技まで、分かりやすく解説していきますね。
RSIの使い方
- 買われすぎ、売られすぎ(価格の過熱感)のサイン
- トレンド転換のシグナル!ダイバージェンス
- RSIで相場の勢いやトレンドを確認する
- RSIのもちあいを示唆するサイン
- RSIとトレンドラインで押し戻りのタイミングをとる
- RSIとトレンドラインでトレンド転換を確認する
それでは、ひとつずつRSIの使い方を解説していきますね。
①買われすぎ、売られすぎ(価格の過熱感)のサイン
RSIの指標を用いて市場の「買われすぎ」や「売られすぎ」のサインを探ることは、投資家の間で一般的な使い方になっています。
- RSIが70以上の場合、「買われすぎ(オーバーボート)」の可能性が高いと判断する
- RSIが30以下の場合、「売られすぎ(オーバーソール)」の可能性が高いと判断する
【※注意】
上記のRSIシグナルは効果的ではありますが、絶対的な強さや弱さを意味するわけ絶対ではありません。
ワイルダー・ジュニア自身も、RSIを利用する際の留意点や、他の指標との組み合わせ方について論じています。
「だまし」の対策については、この記事内の後半で解説しています。
②RSIのダイバージェンスでトレンド転換サイン
ダイバージェンスとは、『逆行現象』を意味します。
分かりやすく説明すると、オシレーター系指標の動きが、実際のチャートの動きと逆の動きになるということです。
ダイバージェンスは、市場の強さや弱さに変化が生じていることを示唆しているため、潜在的なトレンドの転換点を示す重要なシグナルとみなされています。
よって、ダイバージェンスは、エントリーサインやエグジットサインでよく使われています。
ベアリッシュダイバージェンス
価格が新しい高値を更新しているのに対し、RSIが前回の高値よりも低い値を示す場合、「ベアリッシュダイバージェンス」と呼ばれます。
これは下降トレンドの開始を警告するシグナルです。
ブリッシュダイバージェンス
価格が新しい安値をつける一方で、RSIが前回の安値より高い場合は、「ブリッシュダイバージェンス」と呼ばれます。
これは上昇トレンドの始まりの兆候を示唆するシグナルです。
ヒドゥン・ダイバージェンス
[ヒドゥン・ダイバージェンスの特徴]
- 通常のダイバージェンスとは逆の動きをするダイバージェンス。
- 価格は安値を切り上げているのに、オシレーターの数値は切り下げている。
- 価格は高値を切り下げているのに、オシレーターの数値は切り上げている。
ヒドゥン・ダイバージェンスは、トレンドフォローの絶好の押し目買い・戻り売りのサインになります。
かなり使えるサインですので、見流さないようにRSIをチェックしておきましょう。
③RSIで相場の勢いやトレンドを確認する
RSIは、一般的に「買われ過ぎ」や「売られ過ぎ」など、価格の過熱感でリバーサルパターンを分析する指標と思われています。
しかし、RSIは相場の勢いやトレンドなども分析することができます。
- RSIが50%以上の場合=アップトレンド(買い優勢)
- RSIが50%以下の場合=ダウントレンド(売り優勢)
トレンド判断に困っているときの、ひとつの根拠として利用することで分析のヒントになります。
※RSIだけでトレンドを判断するのではなく、ダウ理論や他インジケーターも加えてトレンド判断しましょう。RSIはトレンド判断のヒント的な役割でよいかと思います。
④RSIのもちあいを示唆するサイン
さらに、RSIは、持ち合い相場でもサインを示します。
ローソク足がモタモタと横並びになり方向感のないときは、RSIが中央50%でもたついています。
このような場合は、持ち合い相場と判断できるのでノートレード(静観)するべきとRSIは示唆してくれます。
⑤トレンドラインで押し戻りのタイミングをとる
RSIにトレンドラインをひく方法は、意外と知られていません。
RSIの連続する2点にトレンドラインをひいて、3点目に注目して押し目買い、戻り売りを仕掛けます。
上図のチャートをご覧ください。
もしも、チャートのトレンドだけに注目していれば戻り売りのチャンスを逃しています。
RSIにトレンドラインを引いていれば、しっかりと戻り売りの準備をすることができます。
そのことにより、このような機会損失を防ぐことができます。
⑥トレンドラインでトレンド転換を確認する
先程は、押し目買い、戻り売りでしたが、次に紹介するのはトレンド転換です。
RSIの連続する2点にトレンドラインをひきます。
そのトレンドラインをRSIがブレイクしたらトレンド転換したと判断します。
上のチャートをご覧ください。
RSIは、3点目で反応を見せずにトレンドラインをブレイクしていきました。
それに伴って、価格も上昇しトレンドが転換しているのが確認できます。
ちなみに青丸もあわせてご覧ください。
ブレイク後の押し目のタイミングがRSIのトレンドラインと一致していますね。
このようにRSIのトレンドラインはかなり効果的なんです。
RSIにトレンドラインをひく分析方法は、エントリーやエグジットの判断で重宝します。
RSIを用いた実践的なトレード手法
先程は、RSIの見方と使い方を解説しました。
ここからは、具体的にRSIをどのように手法に活かせばよいのか?
RSIのサインを利用したトレード手法を3つご紹介します。
RSIを利用した手法
- レンジ相場での逆張り手法
- トレンド相場での順張り手法
- ダイバージェンスを活用したエントリー方法
レンジ相場でのRSI逆張り手法
レンジ相場においてRSIを駆使した逆張り手法は、多くのトレーダーに支持されている手法の一つです。
この手法は、RSIの「買われ過ぎ」・「売られ過ぎ」のゾーンを利用して、価格がレンジの上限や下限に到達した際の反転を予測します。
「買われ過ぎているから売る」「売られ過ぎているから買う」というRSIの特徴通りの手法ですね。
ただし、この手法を運用するためにはひとつ条件があります。
『レンジ相場であること』です。
レンジ相場でのRSI逆張り手法の手順
- RSIが70%以上または30%以下で過熱感が確認できる
- レンジ相場であるか確認
- レンジ相場は上位足で確認すると分かりやすい
それでは、実際のチャートで確認してみましょう。
上のチャートをご覧ください。
RSIが70%を超えた瞬間から、買われ過ぎのシグナル通り価格は下落しています。
しかし、この手法を運用するためには『レンジ相場である』という条件がありました。
それでは、どうすればレンジ相場を見つけることができるのか?
簡単に見つける方法をご紹介します。
それは、ひとつ上の上位足を確認すると簡単に見つけることができます。
次のチャートをご覧ください。
先程、逆張りトレードをしたひとつ上の時間足、日足チャートです。
ボリンジャーバンド±2σが平行(寸胴型)もしくは、閉じる動きをしていれば下位足はレンジ相場になっています。
ボリンジャーバンドが閉じる動きのことをスクイーズと言います。
【RSIの逆張り手法の条件】相場がレンジ相場であること。
強いトレンドが発生すると、RSIは「買われ過ぎゾーン」「売られ過ぎゾーン」に張り付くので十分な注意が必要です。
RSIだけを頼りにすることは危険であるため、他の指標との組み合わせて手法を運用することや、当たり前ですがリスク管理が不可欠となります。
レンジ相場での逆張り手法は、簡単ですので初心者でも取り入れやすい手法です。
トレンド相場でのRSI順張り手法
RSIの使い方は、逆張りだけではありません。
トレンド相場においてRSIを活用した順張りサインは、相場の流れを有効に捉える強力な手法です。
条件は、トレンド相場ということ!
この手法は、RSIが中立ゾーン50%を突破する動きを確認し、トレンドの始動を予測します。
トレンドの初動を捉えるためには、トレンド方向にRSIが50%のラインを明確にブレイクすればエントリーです。
上昇トレンドの場合、RSIが50%を上抜けたらエントリーします。
下降トレンドの際には、RSIが50%を下回わればエントリーします。
この順張り手法のメリットは、エントリータイミングが明確な点です。
エントリーのタイミングをご自身で取れない方は、このエントリー手法をご利用されてください。
トレンド相場でのRSI順張り手法の手順
- 上昇トレンドの場合、RSIが50を上抜けたらエントリー
- 下降トレンドの際には、RSIが50を下回わればエントリー
- 条件は、トレンド相場ということ
- トレンドは、ダウ理論や移動平均線で確認する
それでは、実際のチャートで確認してみましょう。
相場は、明らかなダウントレンドです。
トレンドの確認方法は、ダウ理論や移動平均線でかくにしましょう。
チャートは高値・安値ともに切り下がり、移動平均線も下向きに推移しています。
次にRSIを確認します。
RSIの50%をした抜けたタイミングで売りエントリーします。
エントリータイミングの取り方が簡単ですので、この手法も初心者の方に有効です。
RSIダイバージェンスを活用したエントリー方法
先述した通り、ダイバージェンスは「逆行現象」という意味です。
RSIのダイバージェンスは、RSIと価格のトレンドが一致しない時に現れる現象で、これをエントリーのサインとして活用する方法は、高い精度を持つと広く認識されています。
ダイバージェンスを利用したエントリーは、市場の転換点を高確率で捉えることができるので人気です。
よって、ダイバージェンスが確認できたら反転の逆張りエントリーをします。
しかし、注意が必要です。
ダイバージェンスも100%反転を保証するものではありません。
もうひとつ、反転する要素をプラスαで確認することで精度はグンとあがります。
RSIダイバージェンスを活用したエントリー方法
- RSIでダイバージェンスを確認する
- 必ず反転する根拠をプラスしてからエントリーをすること
【反転する根拠】
- サポートレジスタンス
- チャートパターン
- トレンドラインのブレイク
- ローソク足プライスアクション
それでは、実際のチャートで確認してみましょう。
以下のチャートをご覧ください。
ダイバージェンスが確認できます。
しかし、すぐにエントリーをしてはいけません。
必ず、反転する根拠を確認してからエントリーしてください。
チャートには、逆H&S(逆ヘッド&ショルダー)、インサイドバー、トレンドラインのブレイクなど、反転パターンが確認できましたので、買いエントリーをすることができます。
ダイバージェンスは、かなり効果的なサインですが落ち着いて、もうひとつの反転根拠を見つけましょう。
RSIと他のテクニカル指標の組み合わせ
これまで解説してきたように、RSIは単体でも効果的なシグナルを点灯してくれます。
しかし、そのサインは100%ではありません。
つまり、「だまし」が存在するということです。
そこで、RSIを他のテクニカル指標と組み合わせることで、RSIのサインの精度を向上させます。
他のテクニカル指標との組み合わせが行われる理由は、それぞれの指標が異なる側面を捉え、弱点をカバーすることが目的です。
そして、RSIを複数のテクニカル指標を組み合わせることで、相場の方向性、勢い、そして可能性の高い転換ポイントをより明確に捉えることができます。
RSIと移動平均線と組み合わせ|損小利大の順張り手法(おすすめ)
RSIと移動平均線の組み合わせは、王道中の王道です。
[トレンド系インジケーター(順張りに強い)]
+
[オシレーター系インジケーター(逆張りに強い)]
でそれぞれの弱点を補い、損小利大のトレードを実現することができます。
それでは、RSIと移動平均線を組み合わせた手法を紹介します。
RSIと移動平均線と組み合わせ手法の手順
- パーフェクトオーダーで強いトレンド相場を見つける
- 下位足でRSIの「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」で反転エントリーをする
それでは、実際にチャートで確認してみましょう。
上のチャートは日足です。
移動平均線(20・50・100)がパーフェクトオーダーになっていますね。
強いトレンド状態が確認できます。
次に時間足をさげて、4時間足を確認します。
以下のチャートをご覧ください。
上位足のトレンドがアップトレンドですので、RSIで売られ過ぎのポイントを探します。
RSI30%以下のポイントから大きくトレンド方向に反転しているのが確認できると思います。
RSIが絶好の押し目買いポイントを点灯してくれていますね。
この手法がRSIでもっともおすすめできる手法です。
RSIとMACDのダイナミックな組み合わせ手法
RSIとMACDを組み合わせることで、だましが少ない、より確実なトレード判断ができるようになります。
この二つの指標の組み合わせは、相場の方向性と勢いを同時に捉え、エントリーとエグジットのタイミングを最適化するための強力なツールと言えます。
RSIは、「買われ過ぎ」や「売られ過ぎ」の過熱感を示すことから、エントリータイミングの判断に役立ちます。
一方、MACDは中長期のトレンドを捉える能力が高く、その方向性や勢いを示します。
この2つのインジケーターの特徴を利用して精度の高いエントリーを行います。
RSIとMACDのダイナミックな組み合わせ手法の手順
(売りの場合)
- RSIが70以上の「買われ過ぎ」状態を待ちます
- その後、MACDヒストグラムが陰転したら、売りのエントリーをします
(買いの場合)
- RSIが30以下の「売られ過ぎ」状態を待ちます
- その後、MACDヒストグラムが陽転したら、買いのエントリーをします。
ヒストグラムの陽転とは、ヒストグラムが0ラインを上抜けること。
ヒストグラムの陰転とは、ヒストグラムが0ラインを下抜けること。
それでは、実際のチャートで確認してみましょう。
先程の解説で使用した移動平均線のチャートを使いました。
MACD手法とあわせて使うと、さらに効果的ですね。
手順①でRSIの「売られ過ぎ」を確認します。
手順②でMACDのヒストグラムの陽転を確認します。
価格は、綺麗に上昇していきましたね。
RSIは、だましが多い指標になります。
そこで、MACDのヒストグラムの陽転・陰転をエントリートリガーに使うことで「だまし」を防ぐことができます。
このように、RSIとMACDの組み合わせは、各指標の長所を最大限に活用しながら、だましの少ないトレードを行うことが可能になります。
RSIとボリンジャーバンドを組み合わせて超逆張り手法
次は、RSIとボリンジャーバンドの組み合わせです。
ボリンジャーバンドは、標準偏差を利用したインジケーターです。
ボリンジャーバンド±2σ以内に、価格が95.44%収まります。
つまり、ボリンジャーバンド±2σをはみ出す価格は4.56%ということになります。
はみ出した価格は、ボリンジャーバンドに戻る修正があります。
この特性を利用して、ボリンジャーバンド±2σをはみ出したタイミングで逆張りエントリーをしていきます。
しかし、それだけでは「だまし」で損切りの嵐になるので、ここでRSIと組み合わせて精度を上げるということです。
[買われ過ぎ・売られ過ぎで逆張り(RSI)]
+
[±2σをはみ出して逆張り(ボリンジャーバンド)]
つまり、
[逆張り]+[逆張り]=強力な逆張り根拠
実は、ボリンジャーバンド±2σを利用した手法は、すでにブログ内『レンジ相場でのRSI逆張り手法』で紹介しています。
ここで改めて、手順をまとめておきます。
RSIとボリンジャーバンドを組み合わせて超逆張り手法
①上位足でボリンジャーバンドを使用してレンジ相場を見つける(±2σが平行、もしくはスクイーズの場合、下位足はレンジ相場)
②下位足でボリンジャーバンド±2σに価格がタッチ
③RSIが30%以下であれば売りエントリー、70%以上であれば買いエントリーする
それでは、実際のチャートで確認してみましょう。
まずは、上位足のボリンジャーバンド±2σが平行または、スクイーズ(閉じる)であることを確認します。
上のチャートは日足です。
ボリンジャーバンド±2σがスクイーズしていることが分かりますね。
スクイーズが確認できましたので、下位足である4時間足は、レンジ相場になっているはずです。
それでは、次に下位足の4時間足を確認します。
ボリンジャーバンド±2σにタッチで逆張りしますが、それだけでは「だまし」にあいますので、RSI70%以上または、20%以下になるのを待ちエントリーします。
4時間足チャートは、綺麗なレンジ相場です。
ボリンジャーバンド+2σにタッチしたタイミングでRSI70以上になったポイントはすべて綺麗に反転しています。
手法自体が簡単ですので、レンジ相場を上手く見つけることができれば効果的にRSIのシグナルを利用することができますね。
RSI利用時の注意点
RSIは、非常に人気のオシレーター指標ですが、使用する上で気を付けなければいけないポイントがいくつかあります。
最後に、RSIを利用する上での注意点と、対策について解説しておきます。
RSIの強力な「だまし」回避方法
RSIは非常に人気のあるテクニカル指標であるが、リスクもあります。
それは、RSIの「だまし」です。
ワイルダー・ジュニア自身も、RSIを利用する際の留意点や、他の指標との組み合わせ方について論じています。
これまでの解説でも説明していますが、
『RSIが70以上の「買われ過ぎ」シグナルや30以下の「売られ過ぎ」シグナルの点灯だけですぐに売買を行ってはいけない』
ということです。
強いトレンドが続いている場合、RSIが一時的に「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」になっても、反転することなく価格は順方向へ進行するからです。
このような場合に、単純にRSIだけを見て売買すると、トレンドに逆らった取引となり大きな損失を招く可能性が高まります。
最後に、RSIの「だまし」を避けるための対策をまとめておきます。
RSIのだましの防ぎ方
- RSIのシグナルは上位足にトレンド方向のみを採用する
- サポートレジスタンスなど、他の反転根拠があるときのみシグナルを採用する
- エントリートリガーとしてローソク足の反転プライスアクションをフィルターにする
- ダイバージェンスと組み合わせる
是非、過去検証をして確認してみてください。
過剰最適化(カーブフィッティング)の危険性
過剰最適化とは、トレード戦略を過去のデータに特化させ過ぎることを言います。
もちろん、RSIを利用する際にも注意が必要です。
過剰に過去のデータに基づく最適な設定を追い求めるあまり、未来の相場に対応できなくなることがあるので気を付けなければいけません。
これは、インジケーターすべてに言えることです。
過去のデータに対する最適なパラメータ設定が、未来の市場環境においても有効であるとは限らないからです。
過去の特定の期間における動きに過度に最適化すると、新しい市場環境では戦略が機能しなくなることがあります。
最終的に、RSIのパラメーター値より、相場分析力や判断力などの経験を積むことが必要になりますので、過度にインジケーターだけに依存したトレードをするのは卒業しましょう。
FXと株での違い
最後に、RSIの利用におけるFXと株の違いの説明も加えておきます。
FXと株では、RSIの数値自体は変わらないですが、その解釈や利用方法が異なる場面があります。
なぜなら、FXと株は市場の性質や参加者の動向が大きく異なるからです。
例えば、FX市場は24時間取引が行われるため、夜間のニュースや海外の経済指標発表によって、急激な価格変動が生じることがある。
一方、株市場は日中の取引時間に限定されているため、開始前の情報を基に大きく価格が動くことが多い。
このような市場環境の違いから、RSIのオーバーボートやオーバーソールの指標としての数値設定が、FXと株で微妙に異なることがあります。
FXでは短期間の価格変動が激しいため、RSIの設定期間を短く設定するトレーダーが多く、株の場合は、中長期のトレンドを捉えるために、やや長めの設定期間を選ぶ場合があります。
FXと株のどちらも取引されているトレーダーは、これらの違いを理解したうえで、各市場の特性に合わせたRSIの利用が求められます。
まとめ|RSIをマスターするためのステップ
RSIを最大限に活用するためには、RSIというインジケーターの強みと弱点を理解したうえで継続的な実践と検証を行う必要があります。
特に、「だまし」を回避することができる分析力や他テクニカル指標の組み合わせは必須です。
RSIは非常に便利で効果的なシグナルを点灯させますが、インジケーターだけに依存しないようにしましょう。
そして、継続的にRSIを使いこなすためのスキルを身に着けていくことを忘れてはいけません。
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