
『スクイーズとエクスパンションは、どう見分けるの?』
『バンドが広がったのに、すぐに戻されるのはなぜ?』
スクイーズはバンド幅が狭くなった状態、エクスパンションはバンド幅が広がる状態です。
バンド幅が教えてくれるのは値動きの大きさであり、次に上がるか下がるかを確定するものではありません。
まずは、バンドの「幅」と、価格が動く「方向」を分けて考えてみましょう。
名前だけを見ると難しそうですが、チャートで比べると違いをつかみやすくなります。
ここでは、実際のチャートを使って、
『スクイーズ』と『エクスパンション』について詳しく解説していきます。
それだけではなく、この記事では、
- ボリンジャーバンドの3つの相場
- スクイーズとエクスパンションを実際にトレードに活かすには?
- 上位足を使ってトレードする方向を絞る方法
- トレンドの勢いが変わった場面で確認すること
なども、詳しく解説しています。
収縮している間に注目する価格を決め、動き出してから条件を確認する。
その順番を押さえると、飛び乗る場面と見送る場面を整理しやすくなります。
この記事があなたのトレードレベルの向上のお役に立てれば幸いです。
ボリンジャーバンドとは
スクイーズとエクスパンションの解説に入る前に、ボリンジャーバンドを再度おさらいしておきます。
ボリンジャーバンドは、移動平均線を中心に、価格のばらつきに応じた上下のバンドを表示する指標です。
- 標準偏差
- ボラティリティ
- トレンド
この3つの特徴から、
◆決済を検討する材料になる
◆値動きの収縮を捉えることができる
◆価格の広がりを観察できるようになる
など、多様な使い方ができるインジケーターになります。
【ボリンジャーバンドとは?魅力的な3つの特徴を分かり易く解説】で詳しく解説しています。
ボリンジャーバンドの3つのパターン「スクイーズ」「エクスパンション」「寸胴型」
バンドの幅や傾きを見ると、値動きの大きさと価格の流れを整理できます。
ただし、形だけで売買を決めず、ローソク足の高値・安値も一緒に確認しましょう。
今回の本題である、「スクイーズ」や「エクスパンション」ですね。
この記事では、幅が広いまま比較的平行に推移する状態を、説明上「寸胴型」と呼びます。
| 状態 | バンドの見え方 | 判断するときの注意 |
|---|---|---|
| スクイーズ | 幅が狭くなっている、または狭い状態 | 上抜け・下抜けの方向は未確定 |
| エクスパンション | 幅が広がっている | トレンド継続も急な往復もあり得る |
| 寸胴型(この記事での呼び方) | 幅が広めで、比較的平行 | 傾きと高値・安値を見て、レンジかトレンドかを確認 |
スクイーズ(squeeze)とは
「搾(しぼ)る」「押しつぶす」という意味合いからイメージできるように、
一定期間の価格のばらつきが小さくなると、上下のバンドの間隔も狭くなります。
ボリンジャーバンドが絞られている状態をスクイーズと言います。
ボリンジャーバンドのスクイーズを実際のチャートで確認してみましょう。

バンドが搾られて、スクイーズ状態に入った直前のローソク足を見て下さい。
この図では、ローソク足が狭い範囲を行き来していることも確認できますね。
スクイーズは値動きが落ち着いていることを示しますが、それだけで上抜け・下抜けの方向は分かりません。
分かりやすくて便利ですね。
エクスパンション(expansion)とは
「拡大」「拡張」という意味合いからイメージできるように、
価格のばらつきが大きくなると、バンド幅が広がります。
上下のバンドの間隔が広がっていく状態を、エクスパンションと呼びます。
それでは、ボリンジャーバンドのエクスパンションを実際のチャートで確認してみましょう。

ボリンジャーバンドのバンドが拡大しているとき、ローソク足は一方向に動いているのが分かると思います。
この図では上昇とバンド幅の拡大が重なっていますが、上下に激しく動く場面でもバンドは広がります。
スクイーズ後の拡大には注目しますが、必ず大きなトレンドが続くわけではありません。
寸胴型とは
寸胴型とは、上から下まで同じように太い様のことを言います。
ボリンジャーバンドでいう寸胴型とは、
スクイーズとは違い、±2σの幅が広めであることです。
水平に推移すればレンジの候補ですが、傾きがある場合はトレンドが続いていることもあります。
実際のチャートで、寸胴型のボリンジャーバンドを確認してみましょう。

スクイーズとは違い、大きな値動きでレンジ状態になっているのが分かると思います。
「スクイーズ」「エクスパンション」「寸胴型」で何が分かるのか?
ここまで、ボリンジャーバンドの「スクイーズ」「エクスパンション」「寸胴型」3つの相場分析を解説してきました。
それでは、この3つの相場で一体何が分かるのでしょうか?
これこそが、ボリンジャーバンド分析で最も大切なポイントになります。
ボリンジャーバンドは、3つのパターンで、相場状態を分かりやすく示してくれます。
自分の手法が想定する相場かどうかを、判断する材料になります。
再度、「スクイーズ」「エクスパンション」「寸胴型」の特徴と、バンドの状態、トレードに向き不向きについてまとめておきます。

図中の「向いている・不向き」は、値幅の面から整理した目安です。
スクイーズ中は狙える値幅が小さく、取引コストの影響を受けやすいため、ここではブレイクを待つ場面として扱います。
エクスパンションや寸胴型でも、損切り幅が大きすぎる場合や、進行方向に抵抗帯が近い場合は見送ります。
バンド幅が広いことと、利益を出しやすいことは同じではありません。
ここからは、3つの状態をどのようにトレードの準備に活かすか、順番に確認していきましょう。
スクイーズからエクスパンションへの移り変わり
「スクイーズ」「エクスパンション」「寸胴型」のトレードへの活かし方を解説する前に、知っておかなければいけない大切な内容を解説しておきます。
大切なのは、バンドの形を固定せず、収縮から拡大へどう変わるかを見ることです。
この3つは相場を整理するための分類で、すべての場面が明確に分かれるわけではありません。
そう考えると簡単に思えませんか?
相場は、
トレンドとレンジ。
収縮と拡大。
この繰り返しだからです。
当たり前と言えば、当たり前です。
この当たり前をビジュアル的に分かりやすく描写してくれるから、初心者から上級者まで人気なんです。
「スクイーズ」「エクスパンション」「寸胴型」のトレードへの活かし方を解説する上でとても大切なことですので、ここは理解しておきましょう!
以下のチャートをご覧ください。
少し、俯瞰的なチャートになります。

①エクスパンション|バンドが拡大
②寸胴型|バンド幅が広く平行
③スクイーズ|バンドが収縮
④エクスパンション|バンドが拡大
⑤寸胴型|バンド幅が広く平行
⑥スクイーズ|バンドが収縮
⑦エクスパンション|バンドが拡大
⑧寸胴型|バンド幅が広く平行
⑨寸胴型|バンド幅が広く平行
⑩スクイーズ|バンドが収縮
私が分析するなら、このようになります。
何か気づきましたか?
そうです。
この図では、次のような移り変わりを確認できます。
スクイーズ ⇒ エクスパンション ⇒ 寸胴型 ⇒ スクイーズ
縮小 ⇒ 拡大 ⇒ 高いボラティリティ(トレンドorレンジ)⇒ 縮小 ⇒ 拡大・・・
ただし、必ずこの順番で進むわけではなく、拡大が続いたり、再びすぐ収縮したりすることもあります。
では、これを分析や手法に活かしたりパターン化することができないか?
はい!もちろんできます!
次の項目より詳しく解説していきます。
スクイーズの探し方とトレード前の準備
トレンド相場を見つけたければスクイーズを探せ
トレンドフォローを狙う場合、スクイーズは売買の準備をする場面です。
収縮しただけで先回りせず、どの価格を抜けたら検討するかを決めて待ちましょう。
スクイーズはかなり重宝します。
相場では、値動きが落ち着く場面と、大きく動く場面が入れ替わります。
つまり、
スクイーズを確認したら、次にバンド幅の拡大とレンジ境界のブレイクを観察します。
ですね!
トレンド相場でトレンドフォローをしたい場合、まずは、スクイーズを見つけましょう!
スクイーズの見分け方|過去のバンド幅と比較する
狭いかどうかは、同じ通貨ペア・時間足・設定の過去の幅と比べます。
別の通貨ペアや時間足を、画面上の見た目の幅だけで比較しないようにしましょう。
数値で確認したい場合は、バンド幅を中心線で割って表す「BandWidth」も補助になります。
一般的な初期設定は期間20・偏差2ですが、万能な設定ではありません。
設定や比較期間を先に決めて記録すると、後から都合のよいスクイーズだけを選ぶのを防ぎやすくなります。
参考:開発者ジョン・ボリンジャー公式「Bollinger Bands Rules」(設定・BandWidth・売買判断の注意点)
長期のスクイーズは注目
長く続くスクイーズは監視する候補ですが、長いほど必ず大きく動くとは限りません。
以下のチャートをご覧ください。

持ち合いが長くても、チャートだけで実際のポジション量は確認できません。
レンジ上限・下限を明確にして、その付近の反応を観察しましょう。
ブレイク時に新規注文や損切り注文が重なる可能性はありますが、動く方向や値幅は確定していません。
エクスパンションの「だまし」と「だましの回避方法」
スクイーズが見つかれば、次は、エクスパンションを待ちましょう!
エクスパンションは、バンド幅が拡大している状態でしたね。
それがトレンドの継続につながるかは、ブレイク後の価格で確認します。
トレンドが出たからといって飛び乗りエントリーはしないようにしてください。
なぜなら、ブレイクには「だまし」もあるからです。
以下のチャートをご覧ください。

形成中のローソク足では、価格とともにバンドの形も変わります。
過去の完成チャートだけで、当時も同じように判断できたと考えないようにしましょう。
ブレイク後のトレンドフォロー手法や、「だまし回避方法」については、
【FXレンジブレイクアウトを2つの高勝率トレンドフォロー手法で攻略】
【FXレンジブレイクアウトを攻略!だましを避けて勝率を高かる4つの判断方法】
で詳しく解説しています。
ブレイク後に確認すること・見送る場面
以下は、飛び乗りを避けるための判断例です。
すべて確認してもだましをなくせるわけではなく、待つことで入る価格が不利になったり、機会を逃したりすることもあります。
| 確認すること | 検討する場面 | 見送る・判断し直す場面 |
|---|---|---|
| ローソク足の確定 | 事前に決めたレンジ境界を終値で抜けた | ヒゲだけ抜けて、終値がレンジ内に戻った |
| ブレイク後の値動き | 抜けた境界付近で支え・抵抗を確認できた | すぐにレンジ内へ戻り、抜けた方向へ進まない |
| 上位足と抵抗帯 | 上位足の方向と合い、次の抵抗帯まで余地がある | 反対方向のトレンドや近い抵抗帯がある |
| 損切りと取引数量 | 撤退する価格を決め、許容損失に合わせた数量にできる | 損切り幅が大きく、許容損失を超える |
| 発表・取引環境 | 予定していた条件で執行できる | 重要指標前後の急変やスプレッド拡大がある |
「バンドの外に出たから買う・売る」ではなく、どの価格で判断し、どこで撤退するかを先に決めましょう。
バンドが閉じ始めたらトレンド終了?確認するポイント
エクスパンション後は、バンド幅の変化とローソク足を合わせて、勢いの変化を観察します。
まずは、エクスパンションを確認しましょう。

今まで何度も見てきたエクスパンションの強いトレンドのチャートですね。
反対側のバンドが内向きに変わることも、値動きを見直すきっかけになります。
それでは、先ほどと同じチャートを再度見てみましょう!

エクスパンションにより、価格は強く買い上げられました。
その方向と反対側のバンド(-2σ)に注目してください。
図中の「強いトレンドの終焉」は、この場面の結果を説明したものです。
反対側のバンドが閉じ始めただけでは、トレンド終了や反転は確定しません。
バンド幅は計算対象となる過去の価格にも影響されるため、直近高値・安値や押し安値・戻り高値も確認します。
決済はバンドの変化だけに頼らず、あらかじめ決めた利確・損切りの条件と照らし合わせましょう。
勢いが落ちたように見えても、再び同じ方向に伸びる場合があります。
上位足でエクスパンションを選別する4STEP
最後に、上位足を使ってトレードする方向を絞る手順を解説します。
スクイーズとエクスパンションは、相場の変化を観察する手がかりになります。
至るところで、スクイーズとエクスパンションを確認することができます。
しかし、「だまし」も存在しています。
ここで使うのは、上位足の方向にそろえて候補を絞る考え方です。
それは、上位足のトレンドに沿ったエクスパンションのみをトレード対象にすることです。
- [STEP1]上位足のトレンドのエクスパンションのみをトレード対象にする
- [STEP2]ダウ理論でトレード方向の目線を固定する
- [STEP3]基準足のスクイーズを見つける
- [STEP4]基準足のエクスパンションを待つ
[STEP1]~[STEP2]上位足のトレンドのみをトレード対象に絞る
トレードする方向は、ダウ理論で目線を固定します。
ダウ理論・トレード目線の固定の方法については、
【トレンド転換・継続サインの見極め方は押し安値と戻り高値の更新】
高値・安値の認識方法については、
【FXで迷わず高値・安値を定義付けする方法!スイングハイ・スイングロー】
で分かりやすく解説しています。
ここでは、4時間足のエクスパンションを採用したいので、日足のトレンド方向のみを採用します。
◇1時間足のエクスパンションを採用したい場合は、4時間足のトレンド方向のみを採用します。
◇15分足のエクスパンションを採用したい場合は、1時間足のトレンド方向のみを採用します。
まずは、以下のチャートをご覧ください。

現在が、赤い囲いの箇所だとします。
日足チャートは、戻り高値をブレイクしたので、買い目線です。
よって、4時間足の買い方向のエクスパンションのみを採用します。
[STEP3]~[STEP4]基準足のスクイーズを見つけてエクスパンションを待つ
◆日足は買い方向のみ
◆よって、4時間足のエクスパンションのみトレード対象にする
4時間足のチャートを確認してみましょう。

どうでしょう!
この図では、買い方向のエクスパンション後に上昇する場面が見られます。
上位足に逆らう売りを見送る、という選別の例です。
ただし、上位足に沿ったブレイクでも失敗することはあります。
このチャートだけで勝率や利益率は判断できないため、同じ条件で複数の場面を検証しましょう。
まとめ
スクイーズとエクスパンションは、バンド幅の収縮と拡大を捉える見方です。
バンド幅で値動きの大きさを確認し、売買方向は高値・安値や上位足で判断しましょう。
条件がそろわなければ、次の場面を待つことも大切です。
この記事を参考にして、再度、ボリンジャーバンドとローソク足を眺めてみてください。

















