
3本の移動平均線を使うFX手法では、上位時間足で方向を確認し、下位時間足で押し目・戻りの候補を探します。
MAの並びだけでエントリーせず、値動きの反転確認と損切り・利確までセットで考えるのがポイントです。
この記事では、4時間足・1時間足・15分足の図解を使って、マルチタイムフレーム(MTF)分析の手順を説明します。
元のチャートは過去の説明例で、すべての候補で利益が出ることや、同じ形が将来も繰り返されることを示すものではありません。
3本の移動平均線の設定とMTF分析の違い
MAはMoving Average、移動平均線の略です。
短期・中期・長期の3本を同じチャートに表示することと、異なる時間足を見比べるMTF分析は別の作業です。
本記事の手法説明では20MA・50MA・200MAを例にしますが、利益を保証する最適設定ではありません。
| 確認する項目 | 設定・考え方 |
|---|---|
| 短期・中期・長期 | 20・50・200は例。数値は対象時間足のローソク足本数 |
| 計算方法 | SMAとEMAは別。比較するチャートでは種類・適用価格・シフトをそろえる |
| 上位時間足 | 4時間足などで方向や高値・安値の更新を確認 |
| 下位時間足 | 1時間足などで調整、15分足などで反転の候補を確認 |
| 検証条件 | 通貨ペア・取引時間・コスト・損切り/利確を固定して評価 |
原図の背景説明では20・50・100などの期間例も使われています。
それらは相場の形を説明する図で、20・50・200の同一条件を比較した成績データではありません。
MAの計算方法によって反応が変わる点は、MetaQuotes公式ヘルプの移動平均線でも確認できます。
3本の移動平均線の基本設定・トレンド・調整・レンジの見方はこちら。
3本のMAで相場の状態を整理する
トレンド相場の例
短期・中期・長期の並びと傾きから、一定方向へ動いているかを確認します。
押し目・戻りの候補となる調整の例
上位足の流れに対して、短期的に逆方向へ動く場面です。
MAの順序が変わっても、調整のまま終わるのか、大きな反転に進むのかは、その時点で確定しません。
レンジ・ノントレンドの例
MAが横向きで絡み合い、高値・安値も一定方向に更新されにくい状態では、順張りの判断を急がないようにします。
パーフェクトオーダーはエントリーの前提条件
上昇方向の並び
チャート上で上から短期MA・中期MA・長期MAの順に並ぶのが、上昇方向のパーフェクトオーダーです。
下降方向の並び
上から長期MA・中期MA・短期MAの順なら、下降方向のパーフェクトオーダーです。
並びがそろっただけでは、トレンドの継続や利益を保証できません。
MAの傾き、価格との距離、高値・安値の更新、近くの抵抗帯も確認してください。
乖離が広いほど追いかけてよいわけではない

3本のMAの間隔が広がることは、それまで一定方向へ動いてきたことを示す材料になります。
一方で、価格が短期MAから大きく離れた場面は、調整や急反転にも注意が必要です。
図の「強い・弱い」は形を比較するための説明で、勝率や期待値の実測値ではありません。
MTF分析の手順|上位足から押し目・戻りを探す
STEP1|4時間足で方向と価格構造を確認する

上の図は、上位足でパーフェクトオーダーが確認できる場面です。
上昇の買い候補を探すなら、MAの並びに加えて、高値・安値の切り上げが続いているかを見ます。
下降の売り候補を探す場合は、高値・安値の切り下げを確認します。
上位足が横ばい、重要な抵抗帯の直前、トレンド継続の根拠が崩れている場面では、下位足の形だけで取引しません。
STEP2|1時間足で調整の候補を確認する

上位足で方向を確認したら、1時間足へ切り替えて押し目・戻りの候補を探します。
原記事で示したMAの順序は、次のとおりです。
| 上位足の方向 | 下位足の調整パターン例(上から) | 判断時の注意 |
|---|---|---|
| 上昇方向 | 中期MA→短期MA→長期MA | 短期MAが中期MAの下へ入る形。買い確定ではない |
| 下降方向 | 長期MA→短期MA→中期MA | 短期MAが中期MAの上へ入る形。売り確定ではない |
この並びは候補を整理する目安です。
期間や計算方法によって形は変わり、MAの順序だけでは押し目・戻りを確定できません。
STEP3|反転確認と注文条件を決める
買いなら、下位足の下落が止まり、直近の戻り高値を上抜くなどの変化を確認します。
売りなら、下位足の上昇が止まり、直近の押し安値を下抜くなどの変化を確認します。
どの足の高値・安値を使うか、確定足で判断するかなどを事前に決め、後から都合のよいルールに変えないことが大切です。
押し安値・戻り高値によるトレンド転換の判断/グランビルの法則とMAの使い方。
STEP4|損切り・利確・ロットを先に確認する
買いでは候補の安値を割った場合、売りでは候補の高値を超えた場合など、取引の根拠が崩れる価格を損切り候補として検討します。
利確は上位足の高値・安値や抵抗帯までの距離を見て、損切り幅に対して十分な値幅が残るか確認してください。
例えば想定損失1,000円に対し、目標までの想定利益が2,000円なら、コストを除くリスクリワードは1:2です。
実際にはスプレッド・手数料・スリッページを含め、許容損失からロットを決めます。
このMA手法に、すべての通貨ペアで通用する固定の損切り幅や決済条件があるわけではありません。
リアルトレード20選&6大特典

移動平均線の形だけでなく、実際のチャートで何を根拠にエントリー・見送り・決済を判断するのかを学びたい方へ。
リアルトレード20選と6大特典の内容を、こちらからご確認いただけます。
MTF分析の応用|時間足によって見える流れは違う
上位足と同方向のトレンドを探す

4時間足が上昇方向のとき、1時間足にも上昇方向の流れが見える場面があります。
図の緑枠のような場面をさらに15分足で確認するのが、次の例です。

下位足で調整と反転の候補を探し、上位足の方向と一致するかを確認します。
ただし、この過去チャートで候補が見つかることは、実際にすべて勝てたことを意味しません。
エントリー・損切り・利確・取引コストを決めずに、チャートの見た目だけで期待値を判断しないでください。
上位足の調整を下位足で見る例

4時間足のトレンド中にある赤枠の調整を、1時間足に切り替えて確認します。

1時間足で見た調整を、さらに15分足で見ると、逆方向の流れが見えることがあります。

15分足を5分足へ切り替えると、短期的な調整が見える例です。

これは、上位足の押し目の途中にある下落を、下位足では下降トレンドとして捉える考え方です。
上位足の流れに逆らう取引は、その流れが再開すると不利になるため、同方向の押し目買い・戻り売りとは区別します。
短い足へ切り替えるほど利益を取りやすくなるわけではなく、ノイズやコストの影響も大きくなります。
レンジ中は無理に時間足を落とさない
上位足がレンジでも、下位足には一時的なトレンドが現れます。
本記事の順張り手法では、その短い流れだけを根拠にエントリーせず、上位足で方向を確認できる相場を優先します。
見送る場面を先に決める
| 場面 | 見送る理由・確認する内容 |
|---|---|
| 上位足が横ばいでMAが絡む | トレンド方向の前提がそろわない |
| 下位足の調整パターンだけがある | 上位足の方向と価格構造を確認できていない |
| MAや価格が大きく乖離している | 追いかけると調整で損切りになる可能性 |
| 近い抵抗帯まで値幅が残らない | 損切り幅に対して目標の距離が不足 |
| 反転の条件が未確定 | 足の途中の一時的な変化で判断している |
| 急変・大きなスプレッド | 想定したコストと損失で注文できるかを再確認 |
3本の移動平均線手法のよくある質問
20・50・200が最もよい設定ですか?
この記事の説明例であり、最適値とは限りません。
対象の相場・時間足と売買条件を固定し、他の期間とも比較して検証してください。
SMAとEMAのどちらを使いますか?
SMAは期間内の価格を均等に平均し、EMAは直近の価格をより重視します。
両者は交差や並びの変化が異なるため、混ぜて検証せず、どちらを使うか決めてください。
すべての時間足でパーフェクトオーダーが必要ですか?
上位足の方向に対し、下位足は調整して並びが崩れる場面を探すため、最初から全部の足がそろう必要はありません。
下位足の反転確認は、MAの並びとは別に条件を決めます。
5分足だけで分析してもよいですか?
本記事のMTF分析では、5分足だけでは上位足の環境を確認できません。
時間足を増やしすぎると判断も複雑になるため、使う足とそれぞれの役割を先に固定しましょう。
まとめ|方向・調整・反転・リスクを分けて考える
3本の移動平均線は、相場の方向と調整の候補を整理するために使います。
上位足で方向を確認し、下位足で調整を待ち、反転と損切り・利確の条件がそろった場面だけを検討しましょう。
MAの並びだけに頼らず、実際の値動きと取引コストを含めて検証することが大切です。













