『先行指標って何?』『遅行指標って何?』
『この2つを、どうやって使えばいいの?』
この記事で、すべて解説していきます!
それだけはマズイような・・・
私もトレードを始めたばかりの頃は、そうでしたが、一般的に初心者トレーダーは遅行指標、つまりインジケーターだけで、FXを攻略しようとします。
しかし、もしも、あなたがまだ利益が残せてないのであれば、それが原因かもしれません。
相場をテクニカル分析で攻略しようと思うのであれば、相当な上級者でないかぎり、先行指標だけでも、遅行指標だけでも勝つことはできないでしょう。
それでは、どうしたら良いのか?
そう、この2つの指標を組み合わせてシナリオを考えれば良いのです。
今回は、先行指標と遅行指標の説明だけではなく、
- なぜ、2つの指標を組み合わせて考える必要があるのか?
- どのように活用すれば良いのか?
- 3つの戦略例
を合わせて解説していきます。
先行指標と遅行指標の活用方法を知れば、相場分析やトレード戦略のレベルがグッと上がりますよ!
この記事があなたのトレードレベル向上のお役に立てれば幸いです。
目次
遅行指標(インジケーター)だけではなぜ勝てないのか?
なぜインジケーターだけで勝つ事が出来ないのか?
それは『相場を動かしているのはインジケーターではない』からです。
言い方を変えると『相場は人が動かしている』からなんです。
当たり前のことを言っていますよね。
そう、しかし、初心者時代、私はインジケーターだけをみてトレードをしていました。
もちろん、勝てるわけがないですよね。
『だって、相場は?・・・・・』
そう、『インジケーターではなく、人が動かしている』からでしたね。
正確には、相場は、含み損からくる不安、損切りの恐怖、利確の喜び、含み益の楽しみ、エントリー前の希望や期待、破産の絶望などの大衆心理の感情で動いています。
どうです?ひとつくらい当てはまりませんか?
私は、すべて当てはまってます。
トレードを職業にしているトレーダーたちもこの感情は少なからずあるはずです。
なんとなく分かってもらえたと思いますので、まとめますね。
『なぜインジケーターだけで勝つ事が出来ないのか?』
それは、
『相場は人の感情で動いている。インジケーターが相場を動かしている訳ではない』からです。
それじゃ、インジケーターは必要ないのか?
いえ、あれば便利なツールです。
『?』ですよね(笑)
私がお伝えしたいのは、『インジケーターだけでは勝てない』ということです。
他の何かを組み合わせてインジケーターを使う事で、あなたのテクニカル分析は初めて威力を発揮し始めます。
その何かとは何なのか?
そうです、先行指標を組み合わせることで、あなたのトレードの精度は確実に上がるはずです。
それでは、次に遅行指標と先行指標について解説していきますね。
FXで使われる2つの遅行指標|トレンド系とオシレーター系
トレードの世界で使われる遅行指標には大きく分けて、トレンド系とオシレーター系の2つの指標があります。
そもそも遅行指標とはどのようなものなのか?初心者の方は意外と知らない方も多いと思います。
知らないのにチャートに描写して使っていることは、とても危険なことですよね。
ですので、一度、遅行指標とは何のか?解説しておきます。
遅行指標とは
遅行指標とは、『インジケーター』のことです。
なぜ、インジケーターのことを遅行指標と呼ぶのか?
ここが大切なポイントです。
遅行指標は、読んで字の如し。遅れて形成される指標の事を示します。
そもそもインジケーターとは、『価格(終値)を加工して平均化したものをビジュアル的に分かりやすく描写したもの』なんです。
終値が決定しなければインジケーターは描写されない。
つまりのところ、全て後付けなんです。
『よく、このインジケーターは使えない!』
そんな声も聞いたりしますが、そもそも、さきほど解説した通り、インジケーターは遅効性のある指標です。
それが『ダマシ』であったり『エントリーの乗り遅れ』などにつながるのは、当たり前のことなんですね。
(※こちらに関しては【FX初心者が必ず失敗するインジケーターの罠】で詳しく解説していますので、参考にしてください。)
そして、遅行指標には大きくトレンド系とオシレーター系の2つに分けられます。
【トレンド系インジケーター】
基本的にトレンドを計るインジケーターの事を指します。
代表的なインジケーターは移動平均線やボリンジャーバンド、一目均衡表が有名ですね。
【オシレーター系インジケーター】
オシレーターとは振り子という意味です。
相場の強弱、つまり買われ過ぎなのか売られ過ぎなのかを、一定の範囲を振り子のように表示するところからオシレーター系と呼ばれています。
『基本的にはレンジ相場でよく機能する』と言われています。
(※トレンド相場では使えないという意味ではありませんが、使い方を知ってから使用しないと危険です。)
代表的なインジケーターは、MACD、RSI、ストキャスティクスなどが有名ですね。
それでは、チャートで確認してみましょう。
FXの相場分析で必須の先行指標
なぜ、最初に大衆心理のお話が必要だったのか?
それは、世界中のトレーダーがどんな場面で恐怖を覚えるのか?期待するのか?また、絶望するのか?その感情で値が動きチャートに表現される。
その感情を分析する事こそがテクニカル分析なんです。
その感情を知るためにインジケーター(遅行指標)の他に必要な指標。
それが先行指標です。
先行指標とは
これまた読んで字の如し。文字通り、相場がある価格に到達する前に(先に)示される指標の事です。
つまり、相場の未来を予測する指標になります。
どうです?なんかインジケーターより魅力的ですよね。
代表的なものでいうと、水平線やトレンドライン、チャネルラインやフィボナッチリトレースメント、フィボナッチエクスパンションなどが有名です。
上図を見てみると価格が先行指標付近にタッチすると綺麗に反発していますね。
このように先行指標は価格が到達する前に、どこで反発するのかを先に予測する指標になります。
遅行指標と先行指標を使った戦略例
遅行指標だけでは遅れが生じる、先行指標だけでも根拠に欠ける。
しかし、2つの情報を得る事でエントリーする為の情報の信憑性が高くなります。
それでは、早速、チャートにストキャスティクスといくつかの先行指標を加えて、3つのトレード戦略を紹介したいと思います。
戦略A・・・先行指標で反転を予測して、遅行指標で反転を確認してからエントリー
【赤①:チャネルラインとストキャスティクスを使った戦略】
フィボナッチリトレースメント50.0%とチャネルラインが重複しているのでここで反発を予測。価格がフィボナッチにタッチした時、ストキャスティクスは売られ過ぎなのでストキャスティクスが反転すればエントリー。
【青②:水平線とストキャスティクスを使った戦略】
水平線が強いレジスタンスなのでここで反発を予測。水平線に価格がタッチした時、ストキャスティクスが買われ過ぎなのでストキャスティクスが反転すればエントリー。
戦略B・・・遅行指標で相場の方向を決めて、先行指標でエントリーポイントを探す。
【移動平均線と水平線・チャネルラインを使った戦略】
インジケーターでトレードする方向を固定します。移動平均線の傾きが下降しているのでダウントレンドと判断出来ますね。トレンドはダウントレンドなので売のみを検討。売りエントリーポイントを水平線やチャネルラインで探します。青矢印で先行指標に価格が達したのでレジスタンスと判断して売りエントリー。
戦略C・・・先行指標が重複するポイントだけエントリーする。
【水平線、チャネルライン、フィボナッチなどの先行指標が重複するポイントのみをエントリーポイントとする戦略】
青で囲ったポイントを見てください。価格が急上昇、急下落してますよね。この重複ポイントのトレード戦略は、水平線やトレンドライン、フィボナッチでエントリーするトレーダーが同時に同じ方向のポジションを持つので、大きく値が動く可能性が高いポイントになります。
細かいルールはさておき、戦略A~Cはインジケーター(遅行指標)と先行指標の基本的な考え方になります。
当然、他にも先行指標と遅行指標の組み合わせ方はたくさんありますが、使用しているインジケーターや手法が違えど基本的な考え方は変わらないので、これからはこのようにインジケーターを活用して下さい。
ここにさらにマルチタイムフレーム分析や、ローソク足のプライスアクションなど考慮すると、さらにエントリーの精度が上がります。
(※詳しくは、【たった3STEPのマルチタイムフレーム分析で手法を蘇らせる方法】
【ローソク足の見方を知るだけでプロ並みの分析ができる】で解説していますのでご参考にされてください。)
最後に
『なぜインジケーターだけでは勝つことが出来ないのか?』
『相場はインジケーターが動かしているのではなく、人が動かしているから。』
人はどこで利食いしたくなるのか?どこで損切り(反対売買)したくなるのか?どこでエントリーしたくなるのか?
インジケーターに加えて、先行指標を入れることで少しだけ人の感情が見えてきませんか?
そして、人の気持ちにもパターンがあるように、チャートにもインジケーターや先行指標を使って分かりやすくパターンが描写されるのです。
それを探ることこそが、テクニカル分析なんです。
『相場のことは相場に聞け』という格言がありますが、『相場のことはインジケーターだけに聞け』なんて後世、絶対に格言として残らないですよね。(笑)
インジケーターや先行指標を正しく使いながら経験を積めば、あなたのテクニカル分析の精度は必ず向上していきます!