ローソク足の組み合わせやパターンの前に、まずローソク足の読み方や分析方法を知っていますか?
それを知らずに、いくらローソク足の組み合わせやパターンを知っても使いこなせませんよ。
言い換えると、ローソク足の読み方を理解すれば、パターンなんて覚えなくてもいいくらいです。
ローソク足!なんか興味湧いてきた!!!
『ローソク足なんて・・・』
あなたは、そう思ったかもしれませんね。
私も当初そう思っていました。
しかし、『ローソク足』の言葉や意味は分かっていても、その使い方までは知りませんでした。
くしくも、私を劇的に成長させてくれたのは、手法ではなく『ローソク足』でした・・・
一方、『ローソク足を理解しよう!』
もしも、あなたがそう思ったのであれば、きっと、他の駆け出しトレーダーより早く利益を残していくことが出来るでしょう!
『でも、ローソク足の基本的な見方や使い方が分からない・・・』
大丈夫です!この記事で、ローソク足の基本的な見方から応用的な分析方法まですべて解説しておきます。
ローソク足の読み方を理解すれば、これほど多く情報を与えてくれるツールはないことに気付くはずです。
もちろん、そんなツールを使わない手はないわけです。
ということで、この記事では、ローソク足の基本的な見方だけではなく、
・ローソク足がなぜ大切なのか?
・ローソク足の基本的な見方と考え方
・プロトレーダーが必ず見ている応用的な分析方法と戦略の考え方
を解説していきます。
ローソク足のことをよく理解して、あなたの相場分析力の向上に、この記事がお役に立てば幸いです。
酒田五法やプライスアクションは非常に優位性のあるサインです。
しかし、酒田五法やプライスアクションなどの、ローソク足の組み合わせやパターンだけ覚えても意味がありません。
酒田五法やプライスアクションなどを、活用できているトレーダーは、ローソク足の組み合わせやパターンが、作られる背景を読み取っています。
この記事を、理解できたとき、あなたは、自分の力でローソク足から相場分析ができるようになります。
目次
世界中が見ている最強の分析ツールとは?
『トレードは美人投票』という格言は有名です。
自分がどう思おうが、多くのトレーダーが買いだと思えば、価格は上昇します。売りだと思えば、価格は下落するわけです。
それでは、世界中のトレーダーが何を見て、『Buy or Sell』を判断しているのか?
ファンダメンタル分析であれば、世界中の経済指標や、コモディティの指標から導き出した複雑な計算式でしょう。
テクニカル分析をしているトレーダーであれば、MAやRSIなどのインディケーターなどで判断しているのでしょう。
しかし、世界中のトレーダーが共通して見ているものが、『あとひとつ』ありますよね。
そう、チャートです。
チャートに描かれているものは?
『ローソク足!』
世界中のトレーダーが、どのような分析方法をしているかは、千差万別ですが、ローソク足を見て感じ取るものは、万国共通です!
『ローソク足は、世界中のもっとも多くのトレーダーが使っている最強のトレードツールです。』
事実、現在、私は、『ローソク足を利用したプライスアクション分析』をするようになってから、インディケーターがチャートからどんどん消えていきました。
ローソク足の値動きを見て、その中にパターンや特徴、方向性を見つけ出し、未来の値動きを予測するプロトレーダーが必ず注目している分析方法が『プライスアクション分析』です。
インジケーターやご自身の手法に組み合わすと抜群の効果を発揮してくれるプライスアクションパターンがいくつかあります。
厳選プライスアクションパターンについては、[ローソク足のプライスアクションで勝つ!FX最強シグナル7選【保存版】]で詳しく解説しているので参考にしてください。
ローソク足の基本的な見方
相場の世界で、日本が生み出した世界でもっとも多くのトレーダーが使用している罫線。
それが、『ローソク足』です。
ラインチャートやバーチャートなどもありますが、ビジュアル的にとても多くの情報を与えてくれる罫線は、ローソク足以外にはありません。
さて、ローソク足は、1本で多くの情報を私たちに教えてくれます。
その情報やパターンを整理することで、相場分析をさらに踏み込んで感じ取れるようになります。
それでは、いったい、ローソク足のどのような情報を整理すれば良いのでしょう?
まず、ローソク足の基本的な見方を確認しておきます。
まずはローソク足の構成を理解する
ローソク足は、たった1本で多くの情報を私たちに提供してくれます。
それでは、いったいどのような情報を与えてくれるのでしょうか?
そのために、まずは、ローソク足の基本的な構成について解説をしておきます。
まず、以下の画像をご覧ください。
はい、よくあるローソク足の解説図ですね。
ローソク足が、世界中のトレーダーに人気な理由は、たった1本で、以下の4つの情報を教えてくれるからなんです。
『高値(たかね)・安値(やすね)』
『始値(はじめね)・終値(おわりね)』
『陽線(ようせん)・陰線(いんせん)』
『実体(じったい)とヒゲ』
それでは、ひとつずつ、解説していきます。
4本値|高値・安値・始値・終値
『4本値』という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
『4本値』とは、ローソク足1本に記されている『高値・安値・始値・終値』のことを言います。
【4本値】
高値・・・ある一定期間で最も高かった値
安値・・・ある一定期間で最も安かった値
始値・・・ある一定期間の最初に付けた値
終値・・・ある一定期間で最後に付けた値
この4本値の情報とパターンで、相場分析をしたり、相場心理を感じ取ったりしていくわけですね。
2種類のローソク足
ローソク足には、大きくわけて、2種類しかありません。
そうです。『陽線と陰線』ですね。
【陽線】
始値より終値が高ければ、陽線ができます。
つまり、ある一定期間で買い注文が多かったことを意味します。
【陰線】
始値より終値が安ければ、陰線ができます。
つまり、ある一定期間で売り注文が多かったことを意味します。
陽線も陰線もあたり前の解説でしたね。
しかし、この当たり前の情報をしっかり整理できるのが、勝てるトレーダーなんです。
それでは、どのように『4本値』や『陽線・陰線』を整理して、分析しているのでしょう?
実体は事実と相場の正常な評価である
ローソク足には、4本値の他に『実体』という情報を私たちに提供してくれます。
実体には、とても重要な情報が詰まっています。
①【実体】は、始値と終値の差。
②【実体】は、事実。相場の正常な評価。
上記の2つの意味を理解しておくことがとても大切です。
それでは、2つの意味をそれぞれ解説していきます。
①【実体】は始値と終値の差
実体は、始値と終値でできています。
始値より終値が高ければ、買い注文が多かったという評価=陽線。
始値より終値が安ければ、売り注文が多かったという評価=陰線。
実体は、一定期間の正しい評価を示していることになります。
以下、陽線で解説していきます。
上図の場合は、一定期間で、買い注文が多かったという評価になりますね。
しかし、実体が与えてくれる情報はそれだけではありません。
こちらの画像をご覧ください。
雰囲気が随分と変わりましたね。
陽線は付けたものの、ローソク足が完成したころには、小さな実体になってしまいました。
つまり、一定期間で、それほど買い注文が入らなかったという評価を意味します。
では、こちらはどうでしょう?
こちらも、雰囲気が違うローソク足ですね。実体の大きな陽線を付けました。
つまり、一定期間で、多くの買い注文が入ったという評価を意味します。
実体は、大きさ(勢い)で、一定期間の正しい評価をしてくれます。
②【実体】は事実である
実体には、もうひとつ、大切な意味があります。それは、一定期間の事実です。
どういうこと?
ここは大切なポイントだから、しっかり解説するよ!
『事実と言われても、確かに分かりずらいですよね・・・』
それでは、実際にチャートを使って具体的に解説していきます。
まずは、画像をご覧ください。
①のローソク足の事実
- 他のローソク足に比べて非常に大きな実体のローソク足。
- 直近の6本分の小さなローソク足を飲み込んだ実体である。(6本分の買い注文を、たった1本の売り注文が飲み込んだ。それほど多くの売り注文が入った。)
- 陰線である。
つまり、このローソク足から、下落を予測することができるんじゃ!
②のローソク足の特徴
- サポートを実体でブレイクした。
- 他のローソク足より大きな実体(多くの売り注文が入った)
- 陰線である。
つまり、②のローソク足からさらなる、下落が予測できるんじゃ!
ローソク足の評価と事実で、無駄なエントリーは減りそうですね。
ローソク足分析から、感じるものが分かれば、成績もよくなるんじゃよ!
以上のように、実体は、一定期間の事実を教えてくれます。
ヒゲは市場心理を表している
【ヒゲ】は、焦りや不安、迷いの心理。
このように、覚えておけば問題ないかと思います。
ヒゲは、
一定期間の中で、高値をつけたが、売り戻されて損失や含み損を抱えている。
一定期間の中で、安値をつけたが、買い戻されて損失や含み損を抱えている。
上記のように、一定期間ではありますが、焦りや不安を抱いている注文が、ヒゲには存在しています。
画像で確認してみましょう!
点線の赤枠がヒゲですね。
始値から勢いよく売り注文が入ったが、一定期間が終わるころには、売り以上の買い注文が入り、買い戻されました。
その結果がヒゲとなって、ローソク足に示されます。
つまり、ヒゲには、損失や損失を抱えた注文が存在することになります。
つまり、ヒゲは、不安や迷いの集合体なんです。
- 多くの売り注文が入ったのに、それ以上の買い注文が、一定期間に入った。
- 多くの損失、もしくは含み損がヒゲにある。
- 強い新規買い注文 + 損切りの買い戻し
つまり、下ヒゲのPinbarは、強い買いサインになるんじゃよ!
ヒゲは、一定期間内の損失(損失や含み損)を抱えている焦りや不安が、ヒゲとなってローソク足に描写されます。
ピンバーを使った手法について【FXでかなり使えるピンバー手法!強力なローソク足反転シグナル】で詳しく解説しています。
ローソク足の期間を分解してマルチタイムフレーム分析で考える
ローソク足のよく使われる期間
これまで、説明してきたように、ローソク足は、たった1本で、『一定期間』の様々な情報を私たちに提供してくれます。
さて、ここまで、『一定期間』という言葉を使ってきましたが、『一定期間』とは始値を付けてから終値までの『時間』のことです。
一般的に一定期間のローソク足のことを『時間足』と呼びます。
各時間足で、代表的な時間足を紹介すると
- 1分足
- 5分足
- 15分足
- 1時間足
- 4時間足
- 日足
- 週足
- 月足
が、よく使用されている時間足(ローソク足)になります。
時間足を分解してマルチタイムフレーム分析する
ここでは、さらに踏み込んで、1本のローソク足を分解して考えてみます。
時間足 | 下位時間足のローソク足の本数 |
5分足 | 1分足5本分 |
15分足 | 5分足3本分 |
1時間足 | 15分足4本分 |
4時間足 | 1時間足4本分 |
日足 | 4時間足6本分 |
週足 | 日足5本分 |
月足 | 週足5本分 |
実際にチャートで確認してみましょう。
次の画像は、4時間足チャートに、日足のローソク足を重ね合わせた画像になります。
日足1本分の中に4時間足が6本あるのが分かるでしょうか?
そして、
日足陰線(赤色)の中には、4時間足の陰線ローソク足がが多く、
日足陽線(青色)の中には、4時間足の陽線のローソク足が多いのが分かるでしょうか?
それでは、さらに、時間足を下げてチャートを確認していきましょう。
上の画像は1時間足チャートに、日足のローソク足を重ね合わせた画像になります。
陰線の日足では、1時間足はダウントレンド。
陽線の日足では、1時間足はアップトレンド。
ローソク足1本でも、内部を分解して分析すると、見えてくる景色が変わって見えてきます。
日足が、陰線から陽線へ切り替わるとき、1時間足では、明確なトレンド転換がありますね。
さらに、日足の陽線が続くとき、1時間足では、高値が切上がり、安値も切上がり、明確なトレンド継続のサインが出ていますね。
(トレンド転換については【トレンド転換の見極め方】で解説しています。)
ローソク足を分析できるようになると、このようにローソク足から、複数時間足のトレンドもマルチタイムフレーム分析できるようになります。
(マルチタイムフレーム分析については【勝率と利益率を上げるマルチタイムフレーム分析の方法】で解説しています。)
終値の見方と使い方|ブレイク編
ローソク足を使って分析する上で、終値はとても重要な意味を持ちます。
なぜなら、先にも解説していますが、再度、確認しておきます。
【実体】は、事実。相場の正常な評価。
この解説を覚えているでしょうか?
実体は終値があって、はじめて実体なのです。
つまり、終値=事実。相場の正常な評価。となります。
それでは、画像をご覧ください。
青ゾーンでサポートされてますね。
サポートゾーンをヒゲで、何度も安値を更新してますが、ブレイクすることはありませんでした。
しかし、赤矢印の実体でブレイクすると、下落が加速していますね。
なぜか?
ヒゲは、不安と迷いであって、事実と評価ではない。
実体は、ヒゲと違い、事実と評価だからです。
サポートを実体がブレイクしたという事実、ブレイクしたという評価を、多くのトレーダーが確認したから、下落が加速したと考えるべきです。
ですので、相場分析するうえで、迷ったら終値を待つのがベターです。
それほど、終値の持つ意味や使い方は非常に大切になんです。
ヒゲの見方と使い方|トレンドと保合い編
ヒゲについては、先程も解説しましたが、ヒゲは、不安と迷いでしたね。
しかし、ここでは、ローソク足のヒゲの更新に注目します。
ヒゲの位置でトレンドを把握する方法とトレード戦略の考え方
先ほども解説しましたが、ローソク足を使ってトレンドを判断することができます。
上位足のローソク足からトレンドを把握することができれば、下位足でトレンドフォローの方向を決めることができます。
例えば、前日の日足のローソク足で上昇トレンドが確認できれば、次の日は、買いのみの戦略でデイトレードすることができますよね。
間違っても売りで攻めるなど考えてはいけません。
それでは、詳しく解説していきます。
まずは、画像をご覧ください。
上図は、日足のローソク足です。
ローソク足の1本1本を追いかけてみましょう。
高値の切上がり、安値の切上がりが確認できるでしょうか?
『高値の切上がり、安値の切上がり』=ダウ理論の上昇トレンド
ですね!
(※ダウ理論は【ダウ理論とは?】で解説しています。)
それでは、先ほどの日足のローソク足を1時間チャートで確認してみます。
日足のヒゲが、前日の高値と安値を切り上げる限り、大きなトレンドは買い目線で考えることができます。
15分足や1時間足で、急な下落があったとしても、日足のローソク足の分析ができていれば、落ち着いて買い目線でしっかり待ち構えることができますね!
ヒゲに位置で保合いを把握する方法とトレード戦略の考え方
今度は、ローソク足から、保合いを確認の仕方を解説します。
ローソク足で保合いを確認することができれば、次の足での戦略を考えることができます。
まずは、画像をご覧ください。
上図は日足のローソク足になります。
赤の囲いのローソク足に注目してください。
高値も安値もヒゲで更新することができませんでした。
つまり、『保合い状態』です。
『保合い状態』とは、相場がほとんど動かない状態
それでは、この日足のローソク足を1時間足で確認してみます。
1時間足で確認すると、明らかに保合い状態なのが、確認できますね。
その後どうなったでしょう?
次の日も、その次のも、保合い状態が続いてますね。
つまり、ローソク足のヒゲの更新がない場合は『保合い』と判断することができます。
日足のローソク足から『保合い』という判断ができれば、次の日はトレンドフォローはしない方が良いことが分かります。
もしくは、売られ過ぎたポイントだけ短期的な買い戦略も考えれます。
それでは、『いつになったら、トレンドフォローができるのか?』
もう、大丈夫ですよね。
そう、ローソク足が、『保合い』離れの『事実と評価』を示してくれたときですね。
ヒゲを実体でブレイクしたときです。
最後の日足のローソク足が確定してから、トレードを考えるのがベターです。
まとめ
冒頭で、解説した
『酒田五法やプライスアクションなどを、活用できているトレーダーは、ローソク足の組み合わせやパターンが、作られる背景を読み取っています。』
の意味を理解して頂けたでしょうか?
たかがローソク足、されどローソク足です。
ローソク足の読み方ができるようになれば、相場分析力に磨きがかかります。
これからのトレードに活かしてみてください。
エイクさん、
とても分かり易い説明をありがとうございます。ビデオを合わせてとても理解しやすい説明でした。
今日、ローソク足とは何か、を疑問に感じてネットを探していて、はじめてこのサイトを見つけて、読み、ビデオを見させていただきました。ビデオのタイムスタンプが新しいので最近始められたのでしょうか?
まだまだ、FXを始めたばかりで、理解しなければならない事が多いと感じています。
特に、大衆心理(?)の掴み方を理解したいと思っています。このローソク足の説明でも「不安」と「焦り」がヒゲに表れていると説明されていました。そのように考えるのは初めてだったので、実際のチャートで自分なりに復習をしようと思います。
ありがとうございました。