それでは、今回はとても大切な理論を教えてあげましょう!
【ダウ理論】です!
昔に本で読んだけど・・・
そんなに大切なんですか?
【ダウ理論】は、とても、とても大切な理論なんですよ。
『今は、買いのか?』『それとも、売りなのか?』
『ん〜買いなのか売りなのか、どっちにしようかな?』
勝てるトレーダーは、そんな曖昧な感情は、まず起こりません。
買い目線ならどこで買うのか、静かに待っているものです。
そしてエントリーポイントがやってくれば、迷いなく淡々とエントリーをする。
なぜ、それができるのか?
それは、テクニカル分析をする上で、たったひとつの大原則をベースにトレードしているからです。
そう、テクニカル分析の王道【ダウ理論】です。
ダウ理論という言葉は、よく耳にするけど
- どれ程、大切なものなのか?
- 実際どういうものなのか?
- どのように活用すれば良いのか?
知っているようで、意外と分からないものですよね。
ちなみに、私は、トレードで大失敗してからダウ理論の大切さを知りました。
ということで、今回は、ダウ理論を誰でも簡単に、分かりやすく理解できるように、徹底的に解説していきますね。
ダウ理論を理解することで、インジケーターだけに頼らない、世界基準のテクニカル分析ができるようになります。
この記事があなたのトレードレベルの向上のお役にたれば幸いです。
そんなにダウ理論って大切なの?その根拠は?
初心者時代、私は、チャート分析ツールのMA(移動平均線)やMACDなどのインジケーターを勉強しました。
その後、手法を探し、どんな手法を試しても勝つことができませんでした。
なぜ勝てないのか?
それは、『ダウ理論』を知らずにトレードを行っていたからです。
断言します!
どんな手法も、ダウ理論を知らずに、勝つことはできない。それほど大切な理論です。
それでは、なぜ、そんなにダウ理論が大切なのか?その根拠は?
100年以上の歴史がある理論
ダウ理論とは、19世紀後半のアメリカで証券アナリストとして活躍した、チャールズ・ヘンリー・ダウが提唱したマーケットの値動きなどに関する理論です。
重要なことは100年ってこと!100年です!
100年経っても、語られる王道的な理論。つまり、世界中のトレーダーが理解してないはずがない。
にも関わらず、初心者トレーダーは、ダウ理論を学ぶことなくトレードで勝とうとする。
これは・・・無理ですよね。
ダウ理論は世界中のトレーダーの基準になっている
為替相場でも、株式相場や先物相場でも、世界中のトレーダーが、注目している基準。
それが、『ダウ理論』です。
トレードの世界で、こんな格言があります!
『トレードは美人投票』
一番多くのトレーダーが注目しているものが、値動きに反映されるものです。
それでは、一番多くのトレーダーが注目しているものとはなんでしょう?
【ローソク足】と【ダウ理論】です。
FXで、テクニカル分析と聞けば、インジケーターを重ね合わせたチャート分析(チャートリーディング)を連想される方が多いと思います。
もちろん、インジケーターは便利で、テクニカル分析する上で必要なものです。
勝ち組トレーダーの皆様もインジケーターを描写して、トレードを行っているはずです。
しかし、勝てるトレーダーは、その前に一貫した『基準』をもって、テクニカル分析やトレードをしています。だから、トレードに迷いがないんです。
その『基準』こそ【ダウ理論】です。
『どんなインジケーターがいいの?』『ベストなパラメーター(設定値)は?』
そんなことは二の次ってことです。
どうですか?【ダウ理論】って結構大切だと思いませんか?
それでは、さっそく【ダウ理論】を解説していきますね。
ダウ理論とは?わかりやすく簡単に解説
ダウ理論の意味は、とても単純で、シンプルなんだよ!
このダウ理論は、次の6つの基本法則から成り立っています。(分かりやすく簡単に解説するので、安心して読みすすめてください。)
- 平均はすべての事象を織り込む。(すべて市場価格に織り込まれる)
- トレンドには3種類ある。
- 主要トレンドはマーケットの動向によって3段階からなる。
- 平均は相互に確認されなければならない。
- トレンドは出来高でも確認されなければならない。
- トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
はい!よく分からない表現の理論ですよね。
大丈夫です。内容自体はとても単純ですので、これから解説していきますね。
6つの理論を読むのが面倒な方は、[分かりやすい簡単な解説]だけ読んでもらっても結構です。
①平均はすべての事象を織り込む
この言葉を訳すと『すべては市場価格に織り込まれる』ってことです。
経済指標・災害・企業業績だけではなく、テロや戦争のような突発的で、かつ予測不可能なことであっても、こうしたあらゆる出来事は、結局は全て『市場価格』に織り込まれているということです。
つまり、あらゆるファンダメンタルが反映された結果、マーケットで取引される「市場価格」はすべて成り立っているという法則です。
テクニカル分析が、ファンダメンタル分析もフォローしている。という法則です。
『チャートがすべて』ってことですね。
②トレンドには3種類ある
ダウ理論では、[主要トレンド][二次トレンド][小トレンド]の3つのトレンドに分類しています。
・ 主要トレンド 1年~数年のサイクル。
・ 二次トレンド 3週間~3ヶ月のサイクル。
・ 小トレンド 3週間未満のサイクル。
FX的に考えると、マルチタイムフレーム分析(長期・中期・短期)でトレードに活用できそうですね。
【マルチタイムフレーム分析を習得してFX手法を蘇らせる方法】で詳しく解説しています。
③主要トレンドはマーケットの動向によって3段階からなる。
1.「先 行 期(トレンド初期)」 少数の市場参加者が底値買いをはじめる段階。
2.「追 随 期(トレンド中期)」価格が上昇していくのを確認して、他の市場参加者が追随して買っていく段階。
3.「利食い期(トレンド終期)」先行期の市場参加者が、利益を確定し始める段階。
画像で確認してみましょう。
勝てる(上級者)トレーダーは「先行期」〜「追随期」にエントリーをしている。
負ける(初心者)トレーダーは「利食い期」にエントリーしている。
相場は、市場心理や大衆心理で動いています。詳しくはこちらの記事で解説しています。
④平均は相互に(2つの指標で)確認されなければならない
ダウ理論は、もともと株式市場で考え出された理論です。
ここでいう「平均」とは、平均株価のことです。
2つの株式平均のトレンドが確認されることで、明確なトレンドの形成が確認できるということです。
ですので、正直FXの世界では、非常に微妙です。
しかし、同じような理論をFXでも活用できます。
勝率アップや差益アップをしたければ、活用しなければいけません。
例えば、
ドル円 + 日経平均 =トレンド
ドルインデックス + ドルストレート =トレンド
ドル円弱気 + ポンドドル弱気 = ポンド円の超弱気
⑤トレンドは出来高でも確認されなければならない。
トレンドができて大きく動くときは、その変動に比例をして出来高も確認されなければいけない。
つまり、トレンドは出来高に比例するという理論です。
しかし、FX市場は、株式相場よりはるかに大きいので、出来高の把握はほぼできません。
ということで、FXではこの理論はスルー。
⑥トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
環境認識から、手法、エントリーの根拠まで、この法則が使われているからね!
この理論こそ『ダウ理論の最も重要で、かつ核心的な部分です。』
トレンドが発生すると、明確なトレンド転換シグナルが発生するまで、トレンドは継続するという理論。
読んで字のごとし。
特にFXは、他の市場に比べるとトレンドが継続しやすいので、この理論は、ダウ理論の中で最も大切な理論です。
【トレンド転換・継続サインの見極め方は押し安値と戻り高値の更新】で分かりやすく解説しています。
さて、それでは、そもそもトレンドとはどういうものなのか確認しておきましょう。
FXの3つの相場|アップトレンド・ダウントレンド・レンジ
FXにはアップトレンド・ダウントレンド・レンジ相場の3つの相場が存在しています。
トレードで勝つためには、
『現在、どの相場にあるのか?を知ることにつきる。』と言っても過言ではありません。
買うのか?売るのか?それとも静観するのか?
これさえ分かれば、トレードは少し楽しくなってきます。
ダウ理論で定義されているトレンドの条件は、いたってシンプルで、かなり有効です。
大切なポイントですので、しっかりおさえておきましょう。
それでは、3つの相場の定義を解説していきます。
アップトレンドの定義
連続した高値・安値が、それぞれ前の高値・安値より切り上がっている状態。
これが、アップトレンドの定義になります。
正確には、『安値の切上がり、高値の切上がり』が確認できた時点でアップトレンドです。
それでは、画像をご覧ください。
画像のように連続する高値・安値が切り上がっていれば、アップトレンドです。
点線①・・・アップトレンドの確定
点線②・・・アップトレンド継続の確定
アップトレンドが継続する限り、買いエントリーで追従していく。
ダウントレンドの定義
連続した高値・安値が、それぞれ前の高値・安値より切り下がっている状態。
これが、ダウントレンドの定義になります。
正確には、『安値の切下がり、高値の切下がり』が確認できた時点でダウントレンドです。
それでは、画像をご覧ください。
画像のように連続する高値・安値が切り下がっていれば、ダウントレンドです。
点線①・・・ダウントレンドの確定
点線②・・・ダウントレンド継続の確定
ダウントレンドが継続する限り、売りエントリーで追従していく。
レンジ相場の定義
レンジ相場とは、「保合い相場」や「ボックス圏」などの名前で呼ばれていることから分かるように、売りと買いが均衡状態になり、一定の値幅で、上下動している状態です。
それでは、画像をご覧ください。
一定の値幅を上下動していますね。
しかし、レンジ相場は、過去のチャートで確認すればレンジ相場と分かりますが、リアルタイムではなかなか分からないものです。
上図をご覧ください。
④再度、直近の高値付近で反発・・・この段階でレンジ相場が確定します。
⑤2度反発が確認されているので、底値付近で買いエントリーを検討。
⑥2度反発が確認されているので、上値付近で売りエントリーを検討。
⑦ブレイク・・・いつ、どのタイミングでブレイクするのかは分かりません。
レンジ相場は、『一定の値幅』であったり、『上値・底値付近』など、あいまいな言葉で表現しなければいけません。
一定の定義はありますが、明確なシグナルがないのである程度の裁量判断が求められます。
しかし、レンジ相場を攻略することはできます。
それ以外の相場は?
アップトレンドとダウントレンド、レンジ相場の3つを紹介しましたが、他にも違う相場状況はあるのでしょうか?
『あります!』
【よく分からない相場】です!
【よく分からない相場】と聞いて、『何それ?』って思われるかもしれませんが、そのようなよく分からない相場状況で、エントリーするから負けてしまうんです。
7〜8割が、レンジ相場とよく分からない相場で、構成されています。
『待つも相場』(待っているのもトレードの一部だよ!)
この相場の格言からも分かるように、ダウ理論を理解しているトレーダーは、分からない相場には絶対に手を出しません。
だから、利益が残るです。
『よく分からない相場』って意外と大切でしょ!
トレンド相場のエントリーポイント
最後に、ダウ理論を活用して、どのようなポイントでエントリーをすることができるのか? 解説していきます。
ダウ理論⑥『トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する』を覚えているでしょうか?
明確なトレンドが分かれば、それに追従してエントリーをしていく!でしたね。
それでは、画像をご覧ください。
アップトレンドですね。
付箋a~d をペタッと貼り付けてます。
まずは、
a.安値は切り上がっていますが、まだ高値は切り上がってませんね。アップトレンドとまだ定義できないので、ここは、ノーエントリー。
b.安値を切り上げて、付箋bのポイントでアップトレンド確定です。点線①ブレイクで、アップトレンド確定したことを根拠に、買いエントリーできます。
c.高値安値の切上げが確認できているので、明確なアップトレンドが発生しています。反発を確認後に付箋cで押し目買いができますね。
d.アップトレンド中に高値を更新したので、アップトレンド継続が確定。点線②ブレイクで、アップトレンド継続が確定したことを根拠に、エントリーできます。
エントリーポイントをまとめておきます。
・付箋a⇒ノーエントリー
・付箋b,付箋d⇒アップトレンド確定で、ブレイクエントリー
・付箋c⇒アップトレンド中の調整(安値Aまで)で、押し目買いエントリー
基本的には、上記にあるエントリーポイントがトレンドフォローの基本になります。特に付箋cを見つけることができれば、利益は間違いなく残っていくはずです。
まとめ
損小利大のトレードスタイルは色々ありますが、トレンドフォローが一番簡単で値幅も伸ばせます。
トレンドフォローを理解するためには、まず、ダウ理論を理解しなければいけません。
特に、
- 平均はすべての事象を織り込む。(すべて市場価格に織り込まれる)
- 主要トレンドはマーケットの動向によって3段階からなる
- トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
FXでは、上記の3つがとても大切です。
過去チャートでも良いので、ダウ理論を意識して眺めてみてください。
トレードレベルがグンっと上がりますよ!