
「エンゴルフィンバーと包み足は、何が違うの?」
「ヒゲが前の足を超えればいいのか、終値まで待つのか分からない。」
ローソク足の名前が似ていると、どの条件を確認すればよいか迷いますよね。
エンゴルフィンバーは、前後のローソク足を比べ、値動きの変化を判断するためのパターンです。
ここでは、この記事で採用する買い・売りの条件、包み足やアウトサイドバーとの違い、確定後のエントリー例を図で整理します。
形が分かりにくいときや、入る場所がよくないときの見送り方も、一緒に確認していきましょう。
エンゴルフィンバーはいつ確定する?「最速」より先に確認したいこと
プライスアクションとは、ローソク足や高値・安値など、価格の動きそのものから相場を考える方法です。
ただし、値動きを直接見ることと、足が確定する前に注文することは別です。
この記事のエンゴルフィンバーは、2本目のローソク足が確定してから判定します。
形成途中では陽線だった足が、閉じるときには陰線になることもあります。
インジケーターより常に早い、早く入れば有利、と一律には言えません。
まずは「形が確定したか」と「注文する条件がそろったか」を分けて考えてみてください。
エンゴルフィンバーの定義|この記事で採用する3つの条件
英語のEngulfingは、実体の包み込みに注目して説明されることがあります。
このブログでは、実体の位置だけでなく、買いなら前の足の高値、売りなら前の足の安値を更新したかも確認します。
以下は、この記事の図と手順を読むための判定条件です。
すべての教材やインジケーターが、同じ条件で判定しているとは限りません。

図では青が陽線、赤が陰線です。
サポートは下落を支える価格帯、レジスタンスは上昇を抑える価格帯として読み進めてください。
買いのエンゴルフィンバー
① 1本目が陰線、2本目が陽線。
② 2本目の終値が、1本目の始値を上回って確定する。
③ 2本目の高値が、1本目の高値を上回る。
売りのエンゴルフィンバー
① 1本目が陽線、2本目が陰線。
② 2本目の終値が、1本目の始値を下回って確定する。
③ 2本目の安値が、1本目の安値を下回る。
高値や安値には、ヒゲ先まで含めます。
「上回る・下回る」としている比較箇所が同じ価格の場合は、この条件には含めません。
ここでは2本目の始値の位置を独立した必須条件にしていないため、窓が開く場面などでは、実体を丸ごと包むEngulfingの条件と一致しない場合があります。
名称だけで判断せず、上の3条件と、次に説明する実体の包み込みを分けて確認しましょう。
ヒゲの更新と、終値の位置は分けて見る
買いの場合、③は高値が上回る条件であり、2本目の終値まで前の高値を上回ることは、基本の3条件には含めていません。
売りの場合も同じで、安値の更新と、終値が前の安値より下にあることは別です。
「ヒゲが超えた」と「終値で超えた」を分けると、後の強い・弱い形の説明も整理できます。
形から読み取れること|反転の確定とは分ける

買いの例では、陰線の後に陽線ができ、前の足の始値を上回って終わり、高値も更新しています。
前の足の下落に対し、次の足では買い戻す動きが見られた、と読むことができます。
ただし、この2本だけで上昇トレンドへの転換や、その後の値上がりが確定するわけではありません。
図の黒い線は、足の中の値動きを説明する一例です。
ローソク足の形だけから、高値と安値のどちらを先につけたかまでは分からないため、途中の動きを確かめるときは下位足を確認します。
※この図も「サポート」は下落を支える「支持帯」の意味です。
エンゴルフィンバーと包み足の違い|実体とヒゲの比較範囲
「包み足」という名前は、実体の包み込みを指す場合と、ヒゲを含む値幅の包み込みを指す場合があります。
ここを分けると、説明の違いで迷いにくくなります。
実体で見る包み足(Engulfing):2本目の実体が、1本目の実体を包むかを確認します。
ヒゲで見るアウトサイドバー:2本目の高値が前の高値を上回り、安値が前の安値を下回るかを確認します。
この記事のエンゴルフィンバー:陰線・陽線の組み合わせ、前の始値に対する終値の位置、進行方向の高値または安値の更新を確認します。
TradingViewの強気の包み足の説明でも、前の足の高値・安値すべてではなく、実体の包み込みを条件としています。
参考:TradingView公式「Engulfing – Bullish」

上図は、前の足のヒゲまで次の実体で包んだ例です。
図には「一般的な包み足」とありますが、ヒゲまで実体で包むことを、すべての包み足に共通する必須条件とは扱いません。
実体の包み足と、アウトサイドバーを基準にした包み足の違いは、包み足・はらみ足の違い|ヒゲ・実体の見分け方でも整理しています。
強い・弱い・変形エンゴルフィンバーの見分け方
同じ条件を満たしても、終値の位置や実体の大きさは異なります。
ここでいう「強い・弱い」は、形を比較するための呼び分けであり、勝率を測定した順位ではありません。
強い形|前の高値・安値を終値でも超える例

このチャートでは、下降する流れの中に、陽線の後から陰線が出る箇所を示しています。
売りの形では、安値をヒゲで更新するだけでなく、終値も前の足の安値を下回ると、終わりの価格がより下にあることを確認できます。
図の点線で囲んだ足は、形と終値の位置を見比べるための例です。
橙色の矢印はアウトサイドバーの例であり、条件によってはエンゴルフィンバーにも該当します。
この画像は下落した事例なので、これだけで同じ形の勝率や、その後の下落幅は判断できません。
弱い形|ヒゲは更新したが、終値では前の値幅を抜けない例

図の②は、安値を更新していても、終値が前の足の安値より下に抜けていない売りの例です。
前の足の始値を下回って終わる基本条件と、前の安値を終値でも下回る追加条件は、同じではありません。
①と②は売り方向、③は買い方向の形として、進行方向に対する終値の位置を見比べてください。
「弱い」という名前でも必ず失敗するわけではなく、この図の②の後にも下落が見られます。
逆に、終値が大きく抜けた形でも、その後に逆行することはあります。
形の名前より、出現した場所と、入った後の損切り幅まで確認することが大切です。
変形エンゴルフィンバー|基本形とは別の観察例

上図の拡大部分は、陽線が続き、2本目の下ヒゲが前の実体の範囲を通り、終値と高値が上に進んだ形です。
この記事ではこのような例を「変形」と呼びますが、陰線から陽線へ切り替わる基本の買い条件とは別に扱います。
図中の「包んだ後」という説明は、値動きの経路の一例です。
完成したローソク足だけでは途中の順番は確定できません。
上昇が進んだところで追いかけると、高値づかみになり、損切り位置まで遠くなることがあります。
私であれば、この形だけを理由に新たな買いエントリーはしません。
保有中の管理に使う場合も、損切り位置を有利な方向へ動かすトレーリングストップなど、あらかじめ決めたルールと分けて検証します。
迷う形を、その場の都合で基本形に含めないようにしましょう。
エンゴルフィンバーのエントリー条件|確定後の高値・安値を見る
ここでは、買いのエンゴルフィンバーが確定した後、その高値の突破を待つ例を紹介します。
「トリガー」は、事前に考えていた売買を検討するきっかけ、という意味です。

※図のサポートは「支持帯」、ストップは損切り位置を表しています。
① 先に場所と売買の目線を決める
サポート付近の反発を狙うなど、形が出る前に、どこで何を待つかを決めます。
チャートの途中で形を見つけた後から、買う理由を付け足さないことが大切です。
目線の整理は、押し安値・戻り高値の見つけ方とトレンド転換の判断で確認できます。
② 2本目の確定を待ち、その高値の上を基準にする
買いの3条件を満たして2本目が確定したら、その2本目の高値より上を、買いの逆指値注文の候補にします。
買いの逆指値とは、現在より高い指定価格に達したら買うための注文です。
注文位置の余裕幅は、スプレッド、値動きの大きさ、取引会社の注文条件に合わせて決めます。
Bid(売値)のチャートとAsk(買値)には差があるため、「高値に一定のスプレッドを足せばいつでもよい」と固定して考えないようにしましょう。
③ 損切り位置と取引数量を、注文前に決める
図では2本目の安値より下を、買いの損切り候補として示しています。
売りの場合は反対に、確定した2本目の安値より下をエントリー候補、高値より上を損切り候補として考えます。
損切り位置までの距離から損失額を見積もり、自分が許容する金額に収まるよう、取引数量を調整します。
相場が急に動くと、指定価格より不利な価格で約定する場合もあります。
形が出た時点で、すでに価格が注文候補を大きく通り過ぎていたら、無理に追いかける必要はありません。
エントリーを見送るのはどんな場面?
・2本目がまだ確定していない、または3条件がそろっていない。
・レンジの中央など、売買を考える場所の根拠が曖昧。
・すぐ先に反対側のサポートやレジスタンスがあり、利益を狙える距離が短い。
・足が大きすぎて、損切りまでの距離が自分の許容範囲に合わない。
・重要指標の前後など、急変やスプレッド拡大に対応できない。
未約定の注文も放置せず、狙っていた場所や目線が崩れた場合の取り消し条件を先に決めておきましょう。
MA・フィボナッチ・RCIと組み合わせるときの考え方

図は、MA(移動平均線)、フィボナッチ、RCIと、売りのエンゴルフィンバーを組み合わせた過去の例です。
MAは一定期間の価格の平均を結んだ線、フィボナッチは値幅に対する戻りの目安、RCIは一定期間の価格と時間の順位の関係を見る指標です。
この図では、下向きのMA付近への戻り、フィボナッチ38.2%付近、RCIの高い位置を、赤い枠の足と合わせて見ています。
先に方向と場所を考え、最後にローソク足でタイミングを確認する、という順番です。
指標を増やしただけで勝率が上がるわけではなく、同じ値動きを複数の指標で見ている場合もあります。
RCIが高いからすぐ売る、MAに触れたからすぐ買う、と決めず、採用する条件を固定して検証しましょう。
エンゴルフィンバーとアウトサイドバーは、どちらがよい?

右図の赤丸では、前の足の安値より下まで値幅が広がり、高値も前の足を上回っています。
これが、ヒゲを含む高値・安値の両方を比較するアウトサイドバーの特徴です。
右図の形は、この記事の買いのエンゴルフィンバーの条件も満たすため、両方に該当します。
エンゴルフィンバーとアウトサイドバーは、条件が異なりますが、重なる場合があります。
図の黒い線は、安値を下抜けた後に上昇する経路の一例であり、すべてのアウトサイドバーが同じ順番で動くとは限りません。
※図中のサポートは「支持帯」の意味です。
どちらの形が優れているかは、この図だけでは決められません。
同じ通貨ペア・時間足・出現位置・決済条件で比べなければ、形の違いによる成績の差は判断できないからです。
基本条件と終値の追加条件の違いは、包み足・はらみ足の定義とエントリー方法も参考にしてください。
インジケーターを使う場合は、サインの検知条件と、この記事の確定条件が同じかを確認しましょう。
まとめ|形の確定、出現位置、注文条件の順に確認する
エンゴルフィンバーで迷ったら、次の順番で確認してみてください。
① 陰線・陽線の組み合わせを確認する。
② 終値と、進行方向の高値・安値の更新を分けて確認する。
③ 2本目の確定を待ち、出現した場所と売買の目線を確認する。
④ エントリー、損切り、利益確定、見送りの条件を決める。
私が大切にしているのは、無理に形を当てはめず、分かりやすいものを選ぶことです。
過去チャートでは右側を隠して判断し、うまくいった例と失敗した例の両方を残してみましょう。
エンゴルフィンバーが分かったら、次に学びたいこと
形の違いを整理したい方は、包み足・はらみ足の違いと見分け方へ。
売買の目線を整理したい方は、押し安値・戻り高値による目線の判断へ。
ほかのローソク足パターンも比較したい方は、プライスアクションのローソク足パターン一覧へ進んでみてください。




















