ローソク足は世界中のすべてのトレーダーが活用しているツールです。
したがって、ローソク足を利用したプライスアクションのシグナルは、使えるものが非常に多いです。
ローソク足を利用したプライスアクションのパターンでは、包み足(アウトサイドバー)やはらみ足(インサイドバー)、ピンバーが有名ですが、他に強力なローソク足のシグナルはないのか?
あります。しかも、たった1本で方向を示唆するローソク足が!
そうです。大陽線と大陰線ですね。
しかし、意外と大陽線と大陰線の使い方まで詳しく解説されているものがありません。
ということで、今回は、
- 大陽線と大陰線の正しい定義は?
- プライスアクションのテクニック|高確率な大陽線と大陰線。
- 逆に、使ってはいけない大陽線と大陰線はどのようなものなのか?
など、詳しく解説していきます。
ローソク足の分析力が向上すれば、無駄なトレードが減り、確率の高いポイントに絞ってトレードすることができるようになります。
この記事があなたのトレードレベルの向上のお役に立てれば幸いです。
目次
トレンドが分かれば損小利大のトレードができる
『損小利大』
一度は耳にしている方も多いと思いますが、
トレードで利益を残していくためには、この考えは必須です。
それを実現するトレードスタイルが、トレンドフォロー。
トレンドを認識して、抵抗帯で押し目買いをする。もしくは、戻り売りをする。
トレンドフォローは、この繰り返しなんです。
しかし、このトレンドが認識できずに、上手くトレンドに乗れない方が多いのも事実。
トレンドを測る方法はいくつもありますが、ローソク足でもトレンドを測ることができます。
その代表的なローソク足が大陽線と大陰線です。
大陽線と大陰線を使いこなせるようになると、誰も気付かない段階で反転に気付くことができたり、初期のトレンドに乗れたりできるようになります。
それでは、さっそく解説していきますね。
トレンド継続の代表的なローソク足|大陽線と大陰線の定義
日本のことわざで『長い物には巻かれよ』ということわざがあります。
このことわざの意味は、強い者たちに逆らっても無駄だから、争わないでそちらに従った方が得策だ。
という意味です。
まさに、機関投資家と私たち個人トレーダーのようですね。
たった1本で『参りました!そちらに従います。』
と言わんばかりのトレンド発生、トレンド継続を示す代表的なローソク足を紹介します。
大陽線と大陰線です。
それでは、大陽線と大陰線の詳しい定義と使い方について解説していきます。
大陽線の定義
過去のローソク足と比べて、実体が大きい陽線が大陽線。
(できるだけ上ひげがない方が好ましい。)
大陽線は、ローソク足1本だけでは判断できないので、チャートで確認してみましょう。
大陽線の定義で最も大切なポイントは、過去のローソク足よりあきらかに大きな陽線であることです。
大陽線の出現をきっかけに、トレンドは上昇トレンドに切り替わりましたね。
大陰線の定義
過去のローソク足と比べて、実体が大きい陰線が大陰線。
(できるだけ下ひげがない方が好ましい。)
大陰線も、ローソク足1本だけでは判断できないので、チャートで確認してみましょう。
大陰線も過去のローソク足に比べてあきらかに大きい実体があることがポイントです。
大陰線の出現をきっかけに、下降トレンドに切り替わっていくのが確認できますね。
FXで使える高確率な大陽線と大陰線
大陽線と大陰線は単体のローソク足だけでも強い勢いを感じます。
しかし、単体だけだと、根拠に乏しい・・・
そこで、4パターンの高確率な大陽線と大陰線を紹介していきます。
アウトサイドバー(包み足)
単体の大陽線と大陰線だけではなく、ローソク足の組み合わせが成立していることを確認して、分析の精度をあげます。
特に、大陽線と大陰線の組み合わせで使いやすいのが、アウトサイドバー(包み足)です。
画像で確認してみましょう。
大陽線や大陰線だけで飛び乗るのではなく、アウトサイドバーがセットで成立していると精度が高まります。
(詳しくは【包み足とはらみ足を完全攻略!プロは絶対見逃さないローソク足の反転サイン!】で解説しています。)
フェイクセットアップ
次に紹介する高確率な大陽線と大陰線は『フェイクセットアップ』です。
アウトサイドバーの応用的な使い方になります。
『フェイク』=『だまし』という意味です。
レンジブレイクがダマシに終わった後、反対方向への値動きが加速する現象をフェイクセットアップと呼びます。
その現象に、大陽線と大陰線が加われば、精度はかなり上がります。
チャートで確認してみましょう。
フェイクセットアップは、大陽線と大陰線だけではなく、ピンバーなどのスパイク的なローソク足も出現することが多いです。
(詳しくは【FXでかなり使えるピンバー手法!強力なローソク足反転サインの定義とは】で解説しています。)
フェイクセットアップは、かなりの確率で、ローソク足の示唆した方向に価格だ進みます!
フォールス・ブレイクアウト
次は、フォールス・ブレイクアウトです。
『フォールス』=『間違い・ニセモノ』という意味になります。
過去の最高値・最安値のブレイクがダマシになり反対方向に価格が加速する現象
フォールス・ブレイクアウトは、フェイクセットアップと同じように見えますが、若干の意味合いが違います。
フェイクセットアップは、直近の値動きの中でダマシがあるのに対して、フォールス・ブレイクアウトは過去の最高値・最安値のダマシになります。
したがって、フォールス・ブレイクアウトは確認できるチャート上には、サポレジが見えません。
それでは、チャートで確認していきましょう。
まずは4時間足のチャートです。
赤い丸の箇所は、最安値をブレイクしようとしている最中です。
この赤い丸の箇所を1時間足に落として確認してみましょう。
如何でしょう?
しっかりと、最安値のブレイクを否定する大陽線が確認できますね。
その後、上昇へと価格が進んでいます。
フォールス・ブレイクアウトは、最高値・最安値のダマシ(逆張り)ですので、少し難しいです。
初心者の方は、トレードを控えても良いと思います。
しかし、トレードしなくても、このようなプライスアクションの見方ができているだけで、下手な中級者より上級の分析ができているはずです。
サポート・レジスタンスからの反転
こちらは、教科書通りのトレードになります。
サポート・レジスタンス + 大陽線(大陰線)
根拠がサポレジということです。
チャートで確認してみましょう。
チャートで確認すれば分かりますが、同じ大陽線と大陰線でも、サポレジが確認できるものと、できないものでは、精度が全く違います。
非常にシンプルですが、このサポレジを背景にローソク足の反応をみることは、プライスアクションの基本中の基本になりますので、見逃さないようにしましょう。
右側の大陰線に関しては、
サポレジ + アウトサイドバー + 大陰線のコンビネーションですね。
このような見方ができれば、かなり自信をもって下落方向についていけますね。
さて、4つの高確率な大陽線と大陰線を解説してきましたが、他にもチャートで確認すると大陽線と大陰線は意外と多く出現します。
チャートを眺めればすぐに分かりますが、すべての大陽線と大陰線がトレンド(方向)を示唆してくれるわけではありません。
それでは、トレンド(方向)を示唆しない大陽線と大陰線はどのようなものなのでしょうか?
大陽線と大陰線の3つの注意点
すべての大陽線と大陰線が、後のトレンドを示唆してくれるわけではありません。
むしろ、その後、反転してしまうものまであります。
『それじゃ、大陽線と大陰線は使えないのか?』
そんなことはありません。
やはり、勢いのある大きなローソク足は、トレードをする上で分かりやすいシグナルを示してくれます。
いくつかのポイントに注意して、トレンドを示唆する大陽線と大陰線を見極めていきましょう。
臆することは全くありません。以下の3点に気を付けるだけです。
それでは、解説していきますね。
注意点①ヒゲの長い大陽線と大陰線には気をつける
まず、大陽線と大陰線の注意点①はローソク足の形です。
上ヒゲの長い大陽線、下ヒゲの長い大陰線には注意が必要です。
ローソク足の見方の基本ですが、ヒゲは迷いで、実体は正しい評価と事実です。
(詳しくは【ローソク足の見方を知るだけでプロ並みの分析ができる】で解説しています。)
つまり、上ヒゲの長い大陽線は、上昇方向に強い買いが入っているのは確かですが、同時に迷いも生じているローソク足です。
下ヒゲの長い大陰線も同様です。下落方向に強い売りが入っているのは確かですが、同時に迷いも生じているローソク足です。
チャートで確認してみましょう。
過去のローソク足に比べてあきらかに大きな陰線ですが、下ヒゲも大きいのが分かるでしょうか?
その後、下降トレンドになることはなく、レンジになってしましました。
どれだけ大きな実体を残していたとしても、ヒゲも大きければ、注意が必要です。
ヒゲのある大陽線と大陰線が出現したときは、焦って飛び乗るのではなく、他に反発する要素がないか再確認する必要があります。
注意点②クライマックスに乗ってはいけない
注意点②はクライマックスの存在です。
トレードの世界には、『クライマックス』というものが存在しています。
まさに、最高潮という意味ですね。
買いのクライマックスのことを、『バイイング・クライマックス』
売りのクライマックスのことを、『セリング・クライマックス』
と言います。
ファンダメンタル的な外的要因がきっかけに、
買いが買いを呼び価格が大暴騰することを『バイイング・クライマックス』
売りが売りを呼び価格が大暴落することを『セリング・クライマックス』
と言います。
クライマックス(最高潮)と聞けば聞こえはいいですが、トレードの世界でクライマックスの実際の意味と使い方は少々違います。
解説していきます。
バイイング・クライマックスが起これば、買いが買いを呼び大暴騰。
しかし、買われ過ぎた通貨は、いずれ誰も買うトレーダーがいなくなります。
その後は?
そうです。利確の投げ売りが始り、価格は急下降します。
つまり、バイイング・クライマックスとは、買ってはいけないシグナルなんです。
セリング・クライマックスは、その逆ですね。
機関投資家が、あえて価格を吊り上げて、個人投資家に最高値や最安値を掴ませる局面も日常的にあります。
このクライマックス時に、大陽線と大陰線が出現します。
それでは、チャートで確認してみましょう。
最後のクライマックスを迎えて、すぐに大きな反落が起こっていますね。
特に初心者の個人投資家が、高値つかみと言われるポイントはココです!
対策としては、スイングの後期(5波など)の大陽線や大陰線には乗らないこと。
できる限り、初期の大陽線と大陰線を見逃さないことです。
注意点③サポート・レジスタンスでピタリと止まる大陽線と大陰線は要注意
まずは、画像をご覧ください。
大陽線を確認できるでしょうか。
上ヒゲのない、とても勢いのある大陽線です。
酒田五法的に呼べば、陽の丸坊主という形状のローソク足になります。
もちろん、ローソク足単体では、上昇を示唆するものですが、むしろ反落していますね。
なぜでしょう?
画像をご覧になって頂くと分かると思いますが、
・角度のあるMA
・フィボナッチ50%(半値)
・先週の高値
あまりにも、多くのレジスタンスが待ち構えていたことが原因で、反落しました。
『大陽線や大陰線が、サポート・レジスタンス付近でピタリと止まり、終値を迎える』
このパターンは要注意です!
しかも、このサポート・レジスタンス付近で終値を迎えるパターンは、よくある現象です。
今後リアルタイムのチャートで確認してみてください。
このパターンは、誰か(機関投資家)がわざと、値を釣り上げてる、また終わらしているようにみえます。
それくらい、大陽線や大陰線が、サポート・レジスタンスでピタリと止まります。
まとめ
大陽線と大陰線の見方を知るだけで、随分とプライスアクションの分析能力が上がったはずです。
最後に、大切なポイントをまとめておきます。
【高確率な大陽線と大陰線】
- アウトサイドバー
- フェイクセットアップ
- フォールス・ブレイクアウト
- サポート・レジスタンスとの組み合わせ
【注意が必要な大陽線と大陰線】
- ヒゲの長い大陽線と大陰線
- クライマックス
- サポート・レジスタンスでのビタ止まり
是非、これからのトレードにご活用ください。
ローソク足の値動きを見て、その中にパターンや特徴、方向性を見つけ出し、未来の値動きを予測するプロトレーダーが必ず注目している分析方法が『プライスアクション分析』です。
インジケーターやご自身の手法に組み合わすと抜群の効果を発揮してくれる厳選プライスアクションパターンがいくつかあります。
厳選プライスアクションパターンについては、[ローソク足のプライスアクションで勝つ!FX最強シグナル7選【保存版】]で詳しく解説しているので参考にしてください。