
「ピンバーを見つけたけれど、どこでエントリーすればいいの?」
長いヒゲを見つけるたびに売買しても、思った方向へ動くとは限りません。
大切なのは、ピンバーの形だけでなく、出現した場所・確定後の値動き・損切りまでの距離をセットで見ること。
ここでは、ピンバーの定義から、買い・売りの注文、サポレジや移動平均線と組み合わせる4つの見方まで、元のチャート例を使って解説します。
「入る場面」と同じくらい、「見送る場面」も一緒に整理していきましょう。
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ピンバーとは?形の定義と2バーリバーサルの違い
ピンバーは、上下どちらかに長いヒゲが伸び、実体が小さく、反対側の端に寄ったローソク足です。
一度進んだ方向から価格が押し戻された様子を読み取れますが、これだけでトレンド転換が決まるわけではありません。
ピンバーの定義|ヒゲの長さと実体の位置
ピンバーの数値基準は、手法やインジケーターによって異なります。
この記事では、形を揃えて振り返るために、次の目安を使います。

| 確認する点 | この記事の目安 |
|---|---|
| 長いヒゲ | 実体の約3倍以上。反対側のヒゲは短い形を選ぶ |
| 下ヒゲのピンバー | 実体がローソク足全体の上側20〜30%以内に収まる形 |
| 上ヒゲのピンバー | 実体がローソク足全体の下側20〜30%以内に収まる形 |
| 確定の確認 | 対象の時間足が終了し、終値が決まっていること |
実体が寄るのは、長いヒゲの先端とは反対側です。
割合の基準にするのは、ヒゲを含めた高値から安値までの全体の値幅です。
上の図は下ヒゲを陽線、上ヒゲを陰線で描いていますが、陽線・陰線の色だけで判断するものではありません。
下ヒゲの陰線や上ヒゲの陽線も、形の条件を満たすか確認します。
なお、この比率は利益を保証する条件でも、すべての手法に共通する定義でもありません。
2バーリバーサルの構造とピンバーとの違い
2バーリバーサルは、2本のローソク足で、直前の動きを大きく打ち消すような値動きを見るパターンです。

上の図は、大きな陰線のあとに陽線が現れ、下落分を取り戻して確定する買い側の例です。
売り側では、大きな陽線のあとに陰線が現れ、上昇分を打ち消す動きを見ます。
この図の2本を1本にまとめると、下ヒゲの長い形になります。
ただし、2バーリバーサルを合成すれば、必ずピンバーになるわけではありません。
合成した足の始値は1本目の始値、終値は2本目の終値、高値・安値は2本の中の最高値・最安値です。
その組み合わせによって、実体やヒゲの長さが変わります。
また、上位足の区切り時刻と一致しなければ、実際の上位足チャートに同じ1本が表示されるとは限りません。
長いヒゲから読み取れること・読み取れないこと
下ヒゲは、期間中に下がった価格が戻されたことを示します。
上ヒゲは、期間中に上がった価格が押し戻されたことを示します。
サポートやレジスタンスの近くでこの動きが出たとき、そこで価格が止められた可能性を考えます。
一方、ローソク足だけでは、誰が売買したか、注文量がどれほどだったか、参加者がどのような心理だったかまでは分かりません。
ローソク足の基本は、ローソク足の見方と読み方でも解説しています。
ピンバーとインジケーターは確認する条件が違う
ピンバーとMACDなどのインジケーターでは、エントリーの条件が異なります。
どちらが常に早い、あるいは有利とは言い切れません。

図では、ピンバーを使う位置を青い点線、MACD側の条件を見る位置を赤い点線で示しています。
これは特定の過去チャートでの比較例です。
本記事では、ピンバーの終値が確定したあとに、高値・安値の突破を確認する手順に統一します。
まだ確定していない足は、途中でピンバーの形が崩れることがあります。
インジケーターも、種類や設定によっては確定前の値が変化します。
同じ条件で過去の成功例・失敗例を確認し、取引コストを含めた損益を比べることが大切です。
RSIとピンバーを組み合わせるときの見方

インジケーターで準備する場面を探し、ローソク足で最終的な判断をする、という使い分けがあります。

図はRSIの期間を9にした例です。
RSIが30を下回っても、強い下降トレンドでは低い値が続くことがあり、それだけで買いとは判断できません。
そこで、サポート付近か、下ヒゲのピンバーが確定したか、その後に高値を突破したかを順番に確認します。
RSIとピンバーを組み合わせても、反転が保証されるわけではありません。
私がこの記事でお伝えしたいのは、インジケーターをエントリーの準備に使い、最後は値動きと損切り条件を確認するという考え方です。
ほかのパターンは、ローソク足のプライスアクションパターンを参考にしてください。
ピンバーのエントリー方法|確定後の高値・安値ブレイク
ここでは、下ヒゲのピンバーを使った買いを例に見ていきましょう。

① ローソク足が確定するまで待ちます。
② ピンバーの高値より少し上に、買いの逆指値注文を置きます。
③ 注文条件に達した場合にエントリーします。
売りの場合は、上ヒゲのピンバーが確定したあと、安値より少し下への突破を待つ考え方です。
図の「数pips」は一律の推奨値ではありません。
値動きの大きさ、スプレッド、取引会社の最小注文距離に合わせて、余裕を持たせる幅を検討します。
MT4では買いの逆指値はBuy Stop、売りの逆指値はSell Stopです。
Bid・Askのどちらで注文が成立するかも、取引会社の仕様で確認してください。

上の図は、ピンバー周辺の動きを波形で捉えた説明です。
高値を上抜けるのを待つことで、買い方向へ動き始めたかを追加で確認できます。
ただし、ピンバー1本の高値突破だけで、上位足も含めたダウ理論上のトレンド転換が確定するわけではありません。
逆指値注文でもダマシは起こり、急変時には指定価格からずれて約定する場合があります。
ピンバーの損切り位置と注文前の確認
買いではピンバーの安値の外側、売りでは高値の外側を、損切り位置の候補にします。

| 項目 | 買いの例 | 売りの例 |
|---|---|---|
| 形 | 下ヒゲが長いピンバー | 上ヒゲが長いピンバー |
| エントリー候補 | 確定した足の高値+余裕幅 | 確定した足の安値−余裕幅 |
| 損切り候補 | 足の安値−余裕幅 | 足の高値+余裕幅 |
| 利確候補 | 上にある抵抗帯など | 下にある支持帯など |
| 注文前の確認 | 損切りまでの距離と許容損失から数量を決める | 損切りまでの距離と許容損失から数量を決める |
ヒゲが長くて損切り幅が広いときは、取引数量を小さくして損失額を調整します。
利確候補までの距離が短く、取引コストを含めたリスクリワードが自分の基準を満たさない場合は見送ります。
IFD・IFO注文の違い|放置する前に期限も決める
新規注文と、約定後の決済注文1つを組み合わせるのがIFD注文です。
IFO注文は、新規注文に利益確定と損切りの2つの決済注文を組み合わせます。
エントリーと損切りだけを指定した注文を、すべてIFO注文と呼ぶわけではありません。
名称や設定方法は取引会社・ツールによって異なるため、利用中の注文画面で確認してください。
注文方法の違いは、指値・逆指値・IFD・OCO・IFO注文と分割決済で整理しています。
参考:外為どっとコム「IFO注文とは」。
注文後も、想定したサポレジが崩れた場合や、注文の有効期限を過ぎた場合は、未約定注文を見直します。
注文を入れたからといって、相場状況に関係なく放置する手法ではありません。
ピンバーを使った4つの手法|出現場所を比べる
同じ形でも、チャートのどこに出たかで意味合いが変わります。
これから紹介するのは過去チャートを使った例で、同じ形の再現や利益を保証するものではありません。
先に上位足の環境認識をする
まず、上位足のトレンドと、直近の高値・安値、サポート・レジスタンスを確認します。
環境認識とは、売買する前に相場の方向や重要な価格帯を整理することです。
環境認識とマルチタイムフレーム分析の方法と、トレンド転換・継続サインの見極め方も参考にしてください。
手法①|サポート・レジスタンスでの反発
支持帯や抵抗帯に到達したあと、ピンバーが確定するかを見ます。
価格帯に触れただけでは、そのまま突破して進む可能性もあります。

① 事前に引いたサポレジ付近で、価格の反応を確認します。
② ピンバーの確定を待ちます。
③ 突破を待つ注文・損切り・利確候補を決め、取引数量を調整します。
上位足に沿った押し目・戻りになる場合もあれば、流れに逆らう逆張りになる場合もあります。
どちらに当たるかを確認してから判断しましょう。
たとえば、損切り幅と同じ値幅だけ含み益が出た段階で、一部を決済する方法もあります。
ただし、半分を決済しても、スプレッドや滑りなどを含めた損失リスクがなくなるとは限りません。
手法②|サポレジ転換を確認する
サポートを下抜けたあと、戻った価格が同じ価格帯で止められるかを見る方法です。

図では、以前のサポート付近で上ヒゲのピンバーが出たあと、価格が下がっています。
① サポートの下抜けを確認し、戻りを待ちます。
② 以前のサポート付近で、上ヒゲのピンバーが確定するか確認します。
③ 安値を下抜ける注文と、高値の外側の損切りを検討します。
ピンバーの確定は判断材料の1つで、サポレジ転換の成功がその場で保証されるわけではありません。
手法③|移動平均線への戻りを見る
「移動平均線(MA)を使って取引を行う際、8つの売買ポイントがある」
つまり、MAを軸に4つの買い場、4つの売り場があるという法則です。
ここではグランビルの法則の考え方を参考に、移動平均線への戻りと反応を見ます。

「手法②と同じチャートでは?」と思った方は、その通りです。
同じ場面にMA(20)を重ね、移動平均線付近でも反応していることを確認しています。
① 移動平均線の向きと、価格が戻ってくる位置を確認します。
② MA付近でピンバーが確定するかを待ちます。
③ サポレジ・注文価格・損切り・利確候補を合わせて判断します。
サポレジ転換、ピンバー、MAへの反応が重なると、判断を整理しやすくなります。
ただし、いずれも同じ値動きに関係する情報なので、3つ揃っただけで勝率が高いとは断定できません。
手法④|ブレイク後に戻されるフェイク
ここでいうフェイクは、一度高値・安値や支持帯・抵抗帯を抜けても、その方向へ続かず元の範囲へ戻る動きです。
「だまし」とも呼びますが、チャートだけから特定の参加者が意図的に動かしたとは判断できません。

この例では、直近の安値を一度下回ったあとに戻され、下ヒゲのピンバーを経て上昇しています。
注目したいのは、単にヒゲが長いことではなく、以前の安値を下抜けてから戻った位置関係です。
元記事で取り上げた4時間足の場面を、日足の広い範囲でも見てみましょう。

日足では、サポートやトレンドライン付近を下回ったあと、価格が戻った様子を確認する例になっています。
ただし、上位足がまだ確定していない場合は、下位足の形だけで上位足の反転まで決めつけないようにします。
ピンバー確定直後に成行で入る方法は、高値・安値の突破を待つ方法とは別のルールです。
この記事の基本手順は突破を待つ方法です。
値動きに乗り遅れたと感じても、損切りまでの距離が広がった状態で無理に追いかける必要はありません。
ピンバーでよくある失敗と見送る条件
確定前の形で判断しない
途中では長いヒゲに見えても、終値が決まるまでに実体の長い足へ変わることがあります。
ピンバーは確定を待ってから判断する。
スキャルピングやデイトレードでも、この順序を省かないようにしましょう。
実体の位置を都合よく解釈しない
実体が中央にあり上下のヒゲが長い足を、入りたいからという理由でピンバー扱いしないことも大切です。
本記事の目安では、下ヒゲ型は実体が全体の上側20〜30%、上ヒゲ型は下側20〜30%に収まる形を見ます。
見た目の基準を途中で変えると、過去検証と実際の売買を比較しづらくなります。
| 見送りを考える場面 | 確認する理由 |
|---|---|
| レンジの中央など、出現場所に根拠がない | 長いヒゲだけでは売買方向を絞れない |
| 上位足の強い流れに逆らう | 一時的な戻りで終わる可能性がある |
| ヒゲが大きく損切り幅が広い | 許容損失や必要な数量調整を確認する |
| 利確候補が近すぎる | 取引コスト込みのリスクリワードが基準を満たさない |
| 指標発表前後などで値動きやスプレッドが急変 | 想定した注文価格で約定しない場合がある |
| 注文後に相場の前提が崩れた | 未約定注文の取消・期限を確認する |
ピンバーだけで勝てる?
ピンバーだけで継続して利益が出るとは言い切れません。
同じ通貨ペア・時間足・注文条件で、成功例だけでなく損切りや見送りも記録して、取引コスト込みで振り返りましょう。
まとめ|形・場所・損切りをセットで確認しよう
ピンバーは、価格が一度進んだ方向から押し戻された様子を読み取るための材料です。
形を見つけたら、出現場所を確認し、確定を待ち、注文価格と損切りまでの距離を整理します。
条件が揃わない場面を見送ることも、手法の一部です。
まずは今回の図とご自身のチャートを見比べて、「なぜ入るのか」「なぜ見送るのか」を言葉にする練習から始めてみてください。
次にローソク足の組み合わせを学びたい方は、包み足・はらみ足の見方もご覧ください。























