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レンジ相場の意味と難しさ
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レンジ相場の3つの特徴
- 上級者は知っているレンジ相場になりやすい時間帯
- レンジ相場に強いインジゲーター
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結構有名!高い確率でレンジ相場になる時間を武器にしたスキャルピング手法
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レンジ相場を利用したその他の手法(デイトレード~スイング)
を解説しています。
この記事があなたのトレードレベルの向上のお役に立てれば幸いです。
目次
レンジ相場の完全理解
まずはじめに、レンジ相場の理解を深めておきます。
なぜなら、私自身が、本当の意味で『レンジ相場』を理解できたのが、FXを始めてから数年経ってからだったからです。
レンジ相場を攻略することは、トレンド相場を攻略することにもつながってきます。
ここで、今一度レンジ相場の理解を深めておきましょう!
必ず新しい気づきや発見があるはずです!
レンジ相場とは
相場には、トレンド相場とレンジ相場の2つが存在します。
トレンド相場とは、レートが一方向に動いている状態のことを指します。
アップトレンド
ダウントレンド
それに対してレンジ相場は、一定の値幅の中でレートが上下する相場状態です。
一定の値幅の中でレートが上下する相場状態
一定の幅でチャートが動いているレンジ帯のことを、箱と見立てて、別名、ボックス相場ともいいます。
または、持ち合い相場と言われることもあります。
さて、レンジ相場はトレンド相場と比べて何が難しいのでしょうか?
それは、レンジ相場にはルールや定義がハッキリ存在しないという点です。
トレンド相場は、ダウ理論で定義付け(ルール化)されているので分かりやすいです。
しかし、レンジ相場はどうでしょう?
『一定の値幅で動いている・・・』
一定とは、トレーダーによって様々ですし、ハッキリしたルールがありません。
よって、レンジ相場の分析には裁量が求められます。
過去チャートでレンジ相場を見つけるのは容易いことですが、実際に動いているチャートでレンジ相場を発見するのは、ある程度の相場観と分析力が必要です。
レンジ相場の分析手順は【レンジ相場の定義】で分かりやすく解説しています。
レンジ(持ち合い)相場の種類
レンジ相場というと、どうしても上図のような平行の綺麗なレンジ相場を想像しがちです。
しかし、他にもレンジ相場・持ち合い相場はあります。
フラッグ
トライアングル
上昇ウェッジ
レンジ(持ち合い)相場の代表的なパターンを覚えておくだけで、かなり相場観を養うことができます。
そして、その後のチャートの動きを予測することができるようになります。
レンジ相場の種類については、【FXレンジ相場の値動きを攻略!世界中が注目する12種類のパターン】で分かりやすく解説しています。
知っておきたいよくわからない相場
『よく分からない相場』を知ることで、あなたのトレード成績は必ず改善されます!
先ほどの解説で、レンジ相場とは、ある一定幅でチャートが動いている相場のことでしたね。
しかし、チャートを考察していくと、
一定幅で動いているレンジ相場でもないし、あきらかにトレンド相場でもない相場が存在しています。
私は、そのような相場のことを、『よくわからない相場』と呼んでいます。
分からないと認識することができれば、相場を捨てることができるからね!
なんか、気が楽になってきた!
あなたは、分からない相場と聞いて「は?何それ?」って思うかもしれませんが、おそらくFX上級者は、この感覚を持っているはずです。
FX上級者は、『トレンドなのか?レンジなのか?』を無理に当てはめるようなことをしません。
熟練トレーダーでも分からない相場もあるんです。
分からないという認識を持っているから、上級トレーダーなのかもしれません。
しかし、FX初心者は、よく分からない相場もレンジに当てはめようとしがちです。
『よく分からない相場』という意識を持つことで、相場を捨てることができます。
捨てる相場が、あなたのリストに入るだけで、あなたは、無謀な負けトレードをしなくてすみます。
そのことにより、トレード成績はグンッと上がります。
◇レンジ相場とは、一定の値幅の中でレートが上下する相場状態
◇レンジ相場にはルールや定義付けがないので、ある程度の相場観と分析力が必要
◇『よく分からない相場』を理解することで勝率は上がる
レンジ相場の3つの特徴
レンジ相場が見えるようになると、同時にトレンド相場も見えてくるようになります。
相場観とはこのようなことだと思います。
さて、なぜレンジ相場が理解できると、トレンド相場が見えてくるのでしょうか?
理由は、以下のレンジ相場の3つの特徴にあります。
- 相場の7割レンジ相場
- 相場はトレンドとレンジの繰り返し
- レンジ相場は必ずブレイクアウトする
それでは、ひとつずつ解説していきます。
相場の7割はレンジ相場
相場の7割はレンジ相場と言われています。
以下のチャートをご覧ください。
チャートを収縮させて眺めると分かり易いでが、実は、相場のほとんどがレンジ相場なんです。
相場はトレンドとレンジの繰り返し
先ほど紹介したチャートを再度確認してみましょう。
確認して頂くと、相場の特徴に気が付くはずです。
そう、相場のほとんどが、レンジ相場とトレンド相場の繰り返しなんです。
ですので、手法も大きく2種類。
レンジ手法かトレンド手法に分かれます。
レンジ相場は必ずブレイクする
相場の7割がレンジ相場と解説しましたが、レンジ相場は必ずブレイクします。
レンジ相場の時間が長ければ長いほど、大きくブレイクします。
理由は、買い玉と売り玉が均衡すればするほど、多くの注文がレンジ内に集まるからです。
どちらかに勝負がついたとき、多くの損切りの逆指値注文と新規の注文を巻き込んでブレイクしていきます。
◇相場の7割レンジ相場
◇相場はトレンドとレンジの繰り返し
◇レンジ相場は必ずブレイクする
レンジ相場の期間が長いほど大きく伸びる
FXでレンジ相場になりやすい時間帯
レンジの特徴を理解したところで、レンジの手法について解説していこうと思います。
ここで解説するのは、レンジ相場のスキャルピング手法に限定します。
レンジ相場になりやすい時間帯
分かりにくいレンジ相場にも、ひとつだけ分かりやすいものがあります。
それは、時間帯です。
実は、綺麗なレンジ相場を形成する時間帯はある程度決まっています。
レンジ相場は、その時間帯を武器にすることができます!
しかも、レンジ相場になりやすい2つの時間帯があります。
・ニューヨーク市場の後場の時間(翌2時~6時)
東京時間(9時~16時)
東京時間(9時~16時)は、主に日本円や人民元が取引される時間帯です。
東京市場の時間帯は、最も流動性のあるロンドン市場やニューヨーク市場が、まだオープンしていません。
よって、日本時間では、トレンドが発生しずらく、サポート・レジスタンスにおさえられて、レンジ相場で推移することが多いです。
もちろん、トレンドが発生することもあるので注意も必要です。
ニューヨーク市場の後場の時間(翌2時~6時)
ロンドンフィッシング(24時)が終了して、ニューヨーク市場の後場の時間(翌2時~6時)も、緩やかにトレンドがおさまり、その後レンジで推移することで有名です。
日本時間では、早朝にあたる時間帯ですね。
早朝のレンジのみトレードしているトレーダーもいるという話も聞いたことがあります。
さて、実際にチャートで確認してみましょう。
以下のチャートは、EURUSDの5分足になります。
特にニューヨーク市場の後場の時間帯からオセアニア時間(日本時間の早朝)にかけての時間帯は、高い確率でレンジになります!
チャートを5分足にして、ニューヨーク市場の後場の時間帯から早朝にかけての時間帯を確認してみてください。
◇レンジ相場は時間帯を武器にする!
◇東京時間(9時~16時)
◇ニューヨーク市場の後場の時間(翌2時~6時)
レンジ相場で機能するインジケーター
レンジ相場で機能するインジケーターを紹介しておきます。
レンジ相場に強いインジケーターは2種類あります。
・バンド系インジケーター
オシレーター系インジケーター
オシレーターとは、振り子という意味です。
基本的に相場の買われ過ぎと売られ過ぎなどの、過熱感のサインを知らせてくれるインジケーターになります。
代表的なインジケーターに、RSIやRCI、ストキャスティクスがあります。
RSI
ストキャスティクス
バンド系インジケーター
そして、レンジ相場に強いもうひとつのインジケーターが、バンド系インジケーターです。
バンド系インジケーターは、価格の値幅の予想に用いられるインジゲーターです。
代表的なインジケーターで、ボリンジャーバンドやエンベロープが有名です。
ボリンジャーバンド
エンベロープ
FXのレンジ相場を利用した高確率スキャルピング手法
今まで、解説してきたことを踏まえて、レンジ相場を利用したスキャルピング手法を解説していきます。
このスキャルピング手法は、意外と有名です。
オリジナルで得意のインジゲーターや手法でカスタマイズするのもいいでしょう。
ここでは、ベースとなる手法を解説します。
まずは、この手法の特徴です。
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かなり高確率です。
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基本的に2Pips~5Pipsほどの剥離になります。
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スキャルピングなので、集中力と決断力が必要です。
それでは、さっそくサンプルルールを解説していきます。
時間帯=ニューヨーク市場の後場の時間から東京市場オープンまで(翌2時~8時)
通貨=ドルストレート(スプレッドが小さい通貨)
チャート設定=ボリンジャーバンド(21)2σとストキャスティクス(5,3,3)
使用する時間足=5分足
利用する口座=基本的に海外口座(ハイレバレッジで取引)
海外口座とMT4の作り方は【MT4の無料ダウンロード方法からインストール・デモ・リアル口座まで日本語ですべて解説】で分かり易く解説しています。
ルール①|ボリンジャーバンドが収縮もしくは、寸胴型(バンドが平行)であること
ルール②|ストキャスティクスファストが20以下、80以上にある
ルール③|価格がボリンジャーバンド2σにタッチしている
すべてが一致した時に逆張りエントリーをする。
利確ルール|ボリンジャーバンドミドルバンドで全決済
損切りルール|エントリーからミドルバンドまでのpips逆行したら損切り。
早朝という緩やかな動きの中でのスキャルピングになります。
しかし、スキャルピングは、基本的に集中力と決断力が必要になります。
・ルール外のエントリーはしないこと。
・手動での損切りになります。迷わず損切りすること。
・手動での決済になります。かならずミドルバンドタッチで即利確すること。欲張らないこと。
・基本的なことですが、負けても熱くならないこと。
実際のチャートで確認してみましょう。
ピンクの矢印(丸印)のみエントリー可能なポイントです。
ここで紹介したルールは、あくまでサンプルルールになります。
実際の手法の運用については、ご自身で検証し、ルールをカスタマイズしたうえでご活用ください。
レンジ相場を攻略する手法(デイトレード~スイングトレード)
最後に、スキャルピング手法以外のレンジ相場の手法について解説します。
これより紹介する手法は、デイトレード~スイングトレードまで利用することができます。
本格的にFXを取得したい・FXで利益を出したいのであれば、こちらの手法をオススメします。
- ① レンジ相場の上限・下限を獲る
- オススメ!② レンジブレイクを獲る
- オススメ!③ レンジ内の下位足でトレードを行う
レンジ攻略手法①| レンジ相場の上限・下限を獲る
まず、以下の画像をご覧ください。
レンジを認識してから、レンジ上限とレンジ下限で逆張りをする手法になります。
個人的には、あまりオススメはできません。
なぜなら、単純に『難しい』からです。
レンジの手法なので、上限下限でエントリーする。
もっともらしい手法ですが、実は、この手法が、3つの手法の中で最も難易度が高いです。
理由は、手法自体はシンプルですが、画像のような綺麗なレンジはあまりないからです。
さらに、動いているチャート内で、レンジを認識するには、ある程度の相場観と経験値が必要だからです。
次に紹介する
レンジ攻略手法②| レンジブレイクを獲る
オススメの手法は[レンジブレイクを獲る手法]です。
この手法は実際に私も運用しています。
まずは、画像をご覧ください。
上位足でレンジを認識したら、ブレイクを待ちます。
ブレイク後、下位足で押し目(戻り)を待ってエントリーしていく手法です。
この手法は、レンジブレイクした後なので、後付けで分かり易く、順張り手法ですのでかなりオススメです。
しかも、大きく価格が伸びるのもレンジブレイク手法の特徴です。
レンジ相場のブレイク手法については、
【FXレンジブレイクアウトを2つの高勝率トレンドフォロー手法で攻略】
で、さらに詳しく解説していますので参考にしてください。
③レンジ内を獲る
3つ目の手法として、レンジ内を獲る手法があります。
レンジ相場を認識した後に、レンジ相場の上限・下限を背に下位足を確認します。
下位足がトレンド転換をしたのを確認後、トレンドフォローでエントリーしていきます。
まとめ
レンジ相場を理解することで、トレンド相場がさらに見えてきます。
相場観や分析力がある上級トレーダーは、レンジ相場を理解したうえで、相場に見合った手法を組み合わせています。
つまり、レンジ相場を攻略することは、あなたの手法を攻略することにつながってくるということです。
私は、レンジ相場の理解が遅かった分、随分と遠回りをしました。
あなたは、この記事をきっかけにレンジ相場に理解を深めたはずです。
是非、レンジ相場を攻略して、あなたの手法に磨きをかけてください。
スキャルピングの手法を求めている方は、是非早朝トレードを研究してみてくださいね。
ダウ理論的に解説すると、
上昇トレンドであれば、高値を切り上げて安値も切り上げている相場です。
下降トレンドであれば、安値を切り下げて、高値も切り下げている相場です。