- 一目均衡表を深く理解したい
- 一目均衡表の見方や使い方を詳しく知りたい
- 一目均衡表を使った上級トレーダーの手法やテクニックを学びたい
天気予報のように未来の相場を示唆してくれるインジケーターをお探しではないですか?
しかも、たったひとつのインジケーターでトレンド・レンジ・サポート・レジスタンスをすべて分析することができる!
そう、それが『一目均衡表』です。
一目均衡表は、MT4・5やTradingViewなどすべてのプラットフォームでデフォルトで搭載されている世界中で大人気のインジゲーターになります。
上級トレーダーも一目均衡表を愛用している方が多いので、この記事で一目均衡表を深く学んでくださいね。
この記事では
- 一目均衡表の見方と使い方
- 一目均衡表の売買シグナル
- 一目均衡表を使った分析方法と戦略の立て方
- 上級トレーダーのテクニック
など、一目均衡表の基本から応用的なテクニックまで網羅的に解説しています。
一目均衡表を活用できるようになることで、今まで見えなかった相場の未来予測を、今まで以上に正確に分析できるようになります。
そのことによって、無駄なエントリーをすることなくなりますので、勝率がグンッと上がりパフォーマンスを向上させることができます。
この記事があなたのトレードレベルの向上のお役に立てれば幸いです。
目次
一目均衡表とは| 相場の未来を手に入れるツール
「FXや株の未来の動きをもし予測できたら…」と思っていませんか?
一目均衡表は、その答えに強力なヒントを提供してくれる指標です。
5つのラインで相場の動きを瞬時に把握でき、上昇、下降、または横ばいの状態を示す情報を得ることができます。
さらに、もう一つの大きな魅力は、先行スパン1や先行スパン2といったラインを通じて未来の市場の動きも予測できることです。
一目均衡表の5つのラインを利用することで、まるで天気予報を見るように将来の相場動向を知ることができるようになります。
一目均衡表の起源と特徴
1935年に日本で生まれたこのテクニカル分析は、その名の通り一目で相場のバランスや動向がわかることから名付けられました。
5つのラインが示す情報により、相場の上昇、下降、または安定状態を判断できます。
この指標の大切なポイントは「平均」にあります。
過去の価格や取引量データを基に、未来の動きを示すラインが計算される点です。
例えるなら、
トレーダーにとって、一目均衡表はまるで山登りの際の天気予報や道のり情報のようなものと言っても過言ではありません。
このテクニカル分析法をマスターすることで、未来のチャートの動きを今まで以上に深く理解することができるようになります。
一目均衡表とは?
一目均衡表は、投資や株取引での予測に役立つテクニカルツールです。
その名前の由来は、チャートを「一目」見るだけで相場の状況や流れを理解できる設計からきています。
このツールは5つのラインが使われていて、それぞれが相場の異なる側面を示します。
ラインはどれも過去のデータに基づいて計算されています。
このツールの最大の特徴は過去の動きから未来の予測がしやすいことです。
一目均衡表を使うことで、相場が上昇するか、下落するか、または変動しないかがすぐにわかります。
この情報は、投資家やトレーダーにとって非常に価値があり、未来の市場動向を知ることで確実な投資判断が下せるようになります。
うまく活用すれば、あなたの手法に大きな武器になること間違いありません。
テクニカル分析の集大成としての一目均衡表
テクニカル分析は株やFXの取引で頻繁に用いられますが、中でも一目均衡表は特別な注目を浴びています。
このツールはテクニカル分析の中でも高い情報量を誇り、数多くのプロトレーダーに利用されています。
一目均衡表の人気の秘密は、5つのラインが過去、現在、そして未来の価格動向を示してくれる点にあります。
これにより、市場のトレンド・レンジなどの状態、そしてサポートやレジスタンスの位置を一度に確認できます。
繰り返しになりますが、たったひとつのインジケーターで、トレンド・レンジ・サポート・レジスタンスを分析できます。
そのことから、世界中で人気のインジケーターの理由がわかりますね。
一目均衡表の構造: 5つの要素詳細と見方
まずは、5つのラインに焦点を当てそれぞれの特性を解説しながら一目均衡表を理解しましょう。
まずは概略です。
一目均衡表は、主に5つのラインを使用しています。
線種 | 特徴 |
転換線 | 短期的なトレンド |
基準線 | 中期的なトレンド |
先行スパン1 | 短中期的。未来の値動きを分析 |
先行スパン2 | 長期的。未来の値動きを分析 |
遅行線 | 現在と過去の値動きを比較する際に活用 |
1つ目は「転換線」。
このラインは短期の価格動向を反映します。直近短期の高値と安値の平均値で表されます。
2つ目、「基準線」は中期の動きを示し、1の転換線よりも滑らかです。
計算方法は、過去直近中期(26日間)の高値と安値の平均値で表されます。
3つ目、「先行スパン1」は基準線と転換線の平均値を26日後の位置に表示し結んだものです。
このラインと「先行スパン2」によって形成される領域は「雲」として知られ、一目均衡表の特色となっています。
4つ目の「先行スパン2」は、過去52日の高値と安値の平均値を26日後に表示するものです。
最後の5つ目、「遅行線」は現在の価格を26日前に表示します。
これは実際の価格の動きを確認するために使用されます。
これら5つの要素が組み合わせることで、トレーダーは市場の動向や未来の展望を把握する手助けとなる情報を手に入れることができます。
転換線: 相場の転換点を捉える
「転換線」は、一目均衡表の中で短期的な価格の動きを示します。
短期的な市場の変動を示すこのラインは、トレンドの転換点、すなわち上昇が下降に変わったり、逆に下降が上昇に転じる瞬間を感知し反映します。
その理由は、転換線の算出が9日間の最高と最低の価格の平均に基づいているからです。
具体的には、
転換線 = (9日間の最高価格 + 9日間の最低価格) ÷ 2
という式で計算されます。
例えば、過去9日の間に最高価格が100円、最低価格が90円だった場合、転換線の値は95円としてグラフに表示されます。
転換線を正確に理解し活用することで、市場の短期的な動向や変動のサインを先取りでき、取引の適切なタイミングを逃すことがなくなります。
主として、次の項目で説明する通り、
基準線との関係でゴールデンクロス、デッドクロスを確認するのに用います。
一目均衡表の転換線の役割
- 転換線の役割:
- 一目均衡表の一部として、短期間の価格の動きを示す。
- 何を示すか:
- 価格が上がる傾向から下がる傾向へ、またはその逆へ変わるタイミングを表示する。
- 計算方法:
- 直近9日間での最高値と最低値を足して2で割ります。
- 具体例:
- 最高が100円、最低が90円の場合、転換線は95円になります。
- 利用のメリット:
- 短期的な市場の動きを先読みし、取引のチャンスを逃さないようにする。
- 主な使用法:
- 基準線と比べて、株価のトレンド変化(ゴールデンクロスやデッドクロス)を識別する際に使う。
基準線の意味と計算方法、使い方
「基準線」は一目均衡表における中心的な要素の一つです。
基本的に、基準線は価格の中期的なトレンドを示す指標として活用されます。
短期的な動きを示す「転換線」とは異なり、基準線は中期にわたる価格の動きを反映しています。
これは、過去26日間の価格変動に基づいて算出されています。
算出法は26日間の最高の価格と最低の価格を特定し平均します。
数式で表すと、
基準線 = (26日間の最高価格 + 26日間の最低価格) ÷ 2
となります。
このラインの観察により、価格の中期的な上昇や下降のトレンドを判別できます。
上の画像の左のように基準線が上向きなら中期的に上昇トレンド、右のように基準線が下向きなら中期的に下落トレンドを示します。
一目均衡表の基準線の役割
- 基準線とは:
- 一目均衡表で重要な役割を果たす、中期トレンドを把握する指標。
- その機能:
- 長期ではなく、中期の価格の傾向を捉えるために使う。
- 転換線との違い:
- 転換線が短期間の動きに焦点を当てるのに対し、基準線はより長い期間(26日間)のデータに基づいて表示されたライン。
- 計算方法:
- 直近26日間の最も高かった価格と最も低かった価格の平均を取る。
- 具体的な計算式:
- 基準線 = (26日間の最高価格 + 26日間の最低価格) ÷ 2
- トレンドの判断:
- 基準線が上向きであれば、中期的に価格が上がる可能性が高い。
- 基準線が下向きであれば、中期的に価格が下がる可能性が高い。
基準線と転換線の交差: 買いサインと売りサインの判断
基準線は転換線とセットで使用することで、より相場を詳細に分析することができます。
チャートを確認しながら解説していきますね。
上のチャートの緑のマルのように
・転換線が基準線を上に向って抜ける(=ゴールデンクロス)→上昇トレンド発生
赤のマルのように
・転換線が基準線を下に向って抜ける(=デッドクロス)→下降トレンド発生
のサインとされます。
このようにして多くのトレーダーは、基準線を参考にして、取引の適切なタイミングや方針を決定する上での指針として活用しています。
基準線と転換線のクロス|売買シグナル
- 転換線が基準線を上に向って抜ける(=ゴールデンクロス) → 上昇トレンド発生
- 転換線が基準線を下に向って抜ける(=デッドクロス) →下降トレンド発生
先行スパン1 & 2:「雲」としての機能と解析
一目均衡表の特徴的な部分、通称「雲」は、先行スパン1と先行スパン2によって形成されます。
まず、2つの先行スパンはそれぞれ以下のような役割を持ちます。
- 先行スパン1|転換線と基準線の中間値を26日後に表示
- 先行スパン2|過去52日の最高価格と最低価格の中間値を26日後に表示
先行スパン2は元になる期間が長いため、ジグザグのある先行スパン1より直線的になっています。
「雲」は相場のサポートラインやレジスタンスラインの役割を果たします。
上のチャートをご覧ください。
雲の厚みによってサポート・レジスタンスの強弱を表しています。
「雲」の成り立ちは、先行スパン1と2の間の領域によって視覚的に表現され、その形状から未来の価格の動きを読み取ることができます。
以下のチャートをご覧ください。
先行スパン1が先行スパン2の上にある場合、それは強気のシグナルと解釈されます。
一方、先行スパン2が上にある場合は、弱気のシグナルとみなされます。
また、価格が「雲」の内部に位置すると、トレンド転換が近いことが示唆されます。
「雲」を突破する動き、つまり上からの突破や下からの突破は、新しいトレンドの開始を示す可能性が高いです。
なお、雲の使い方については改めて説明します。
このように、先行スパン1と2、およびそれらによって形成される「雲」は、未来の市場の動きを予測するのに役立ちます。
先行スパン1 & 2|「雲」としての機能
- 先行スパン1と先行スパン2とは:
- 一目均衡表で生成される、いわゆる「雲」の部分を形成する二つのライン。
- 先行スパン1の定義:
- 転換線と基準線の平均値を、26日後の価格としてチャート上にプロットする。
- 先行スパン2の定義:
- 過去52日間の最高価格と最低価格の平均値を、やはり26日後にプロットする。
- 雲の役割:
- 「雲」は、将来のサポート(支持水準)またはレジスタンス(抵抗水準)の領域を示す。
- 雲の厚みと意味:
- 雲の厚みが市場の支持や抵抗の強さを象徴している。
- 強気と弱気のシグナル:
- 先行スパン1が先行スパン2より上にあれば、市場は強気(上昇傾向)と判断。
- 先行スパン2が上にある場合は、市場は弱気(下降傾向)と判断。
- トレンド転換の兆し:
- 価格が雲の中にある場合、トレンドの転換期が近いことを示唆している。
- 雲の突破とトレンド:
- 価格が雲を上から突破すると、新しい上昇トレンドが始まる可能性がある。
- 逆に下から突破すると、下降トレンドが始まる可能性がある。
遅行線: 過去と現在の比較による動向予測
一目均衡表の開発者は、この「遅行線」という指標を最重視したとされています。
「遅行線」には、市場の動きを時間差で追うという特徴があります。
現在の価格と過去の価格の関係を示し、市場のトレンドをより正確に確認するために使用します。
つまり、遅行線は今日の終値を単純にそのまま26日前(左)の位置におかれますが、これによって現在の価格が過去の価格に比べて上下どちらにあるのかをひと目でわかるようになっています。
これは今後の相場の方向性を判断するのに非常に役立ちます。
次のチャートをご覧ください。
チャート上の赤マルの部分を見ると、現在価格と26日前の価格がほぼ同じ場所にあるので、上下が少ない相場である可能性が高いとひと目で判断できますね。
それでは、次のチャートをご覧ください。
遅行線の位置でトレンドを判断することもできます。
上のチャートのように、遅行線がローソク足や「雲」や他のラインの上側にある場合、過去26日の間に上昇トレンドが存在していたことが示されます。
逆に、これらの下側にある場合は、先行する期間中の価格が下落していたことを示唆しています。
遅行線が他とは全く異なるのは、リアルタイムの相場動きではなく、過去と現在の価格動向の比較を視覚的に示していることです。
この特性を利用することで、過去と現在のデータからトレーダーは相場のトレンドをより明確に分析して、未来予測の参考とすることができます。
一目均衡表で用いられるこれらの指標には複雑な成り立ちのものもあるのですが、私たちは、こういったラインがどのように役立つのかということだけ知っておけば大丈夫です。
私自身は、この仕組みやその根拠(特に9日、26日、52日といった数値)に関してもちろん承知してはいますが、使用に際してはあまり深く考えていません。
もちろん意味をしっかりと理解して使うのも大切ではありますが、それ以上にこれらのラインがどういったパターンの時にどういう意味を持ち相場分析に役立てられるのかを身につけていくことの方がずっと大切です。
遅行線の役割
- 遅行線の重要性:
- 一目均衡表の中で非常に重視される指標。
- 遅行線の特徴:
- 現在の市場の価格を追いかけ、26日前の価格と比較する。
- 使用目的:
- 現在と過去の価格を比較して、市場トレンドをより明確に理解するために使用される。
- 遅行線の動作の仕組み:
- 本日の終値を、26日前にチャート上に表示することで、今の価格が過去の価格と比べて高いのか、低いのかが一目で分かる。
- トレンドの分析:
- 遅行線が現在のローソク足より上にあれば、過去26日間で上昇トレンドがあったことを示す。
- 逆に下にある場合は、過去26日間で下降トレンドがあったことを示唆する。
- 遅行線の独自性:
- 実際の市場の動きを追うのではなく、過去と現在の価格を比較することで視覚的な分析を可能にする。
- トレーダーへの利点:
- トレーダーは、遅行線を利用して過去のデータと現在のデータを比較分析し、市場のトレンドを判断し、未来の価格動向を予測する際の参考にすることができる。
実践!一目均衡表の使い方と戦略
それでは一目均衡表をトレードで具体的にどう使うかを解説します。
今まで解説してきた一目均衡表の使い方で、相場の動向やトレンドの変化が見えやすくなり、精度の高い戦略を立てることができるようになります。
5つの要素それぞれの持つ異なる側面を組み合わせることで、相場の動きを全体的に掴むことができます。
基準線と転換線のクロスについては先に説明しましたので、ここでは特に「雲」の利用と「三役好転」を中心にして説明します。
雲の中の動き: サポート・レジスタンスの確認
特に注目されるのが「雲」です。
雲の機能
- サポレジ領域の位置と強さがわかる
- 今後のチャートの動き(方向性)が予想できる
「雲」が注目される理由を説明しますね。
第一に、雲が価格のサポート領域やレジスタンス領域として的確に機能することです。
次のチャートをご覧ください。
価格が雲より上部に位置すると、雲がサポートとして動き、価格が下落しにくくなる効果があります。
逆に、価格が雲より下部に位置すると、雲はレジスタンスとして機能し、価格が上昇しにくくなります。
次は、雲の中での価格の動きに注目します。
以下のチャートをご覧ください。
上のチャートの2か所の青マルのように、価格が雲の中に移動する時、その方向性は一時的に不確実性が高まります。
つまり、価格の動きがはっきりしなくなるということです。
しかし、雲を突破すると、それは強い買い、または売りのプレッシャーが存在することを示唆しています。
基本的には、突破した方向への動きが強化されることが一般的です。
また、雲の厚さも非常に重要です。
厚い雲は強いサポートやレジスタンスを表し、一方で薄い雲は弱めのサポートやレジスタンスを示します。
これは先に説明した通りです。
第二の雲の役割と特徴は、雲で将来のチャート動き、方向性が予想できることです。
以下のチャートをご覧ください。
雲は現在のレートよりも先(右)、つまり未来にあたる部分にも表示されています。
これにより現在価格の先にある雲の状態から、今後の相場予想ができます。
上のチャートであれば、未来の雲が上昇しているので、今後の価格の動きも上昇すると分析することができます。
逆に、雲が下落している場合なら、今後の相場は下落を示唆している、という見方ができます。
三役好転と三役逆転:強気相場のサインとしての利用
一目均衡表における「三役好転」は特別に重要視されるポイントとして知られています。
三役好転が形成されると、それは強気の市場動向が発生しつつあるとする有力なシグナルとして認識されます。
それでは、順を追って解説しますね。
以下のチャートをご覧ください。
三役好転がなぜこのような位置づけを持つのかというと、以下の3つの条件が同時に充足しているからです。
三役好転の条件
- 転換線が基準線を越える
- 現在価格が雲を突破する
- 遅行線がローソク足を超える
- 三役好転で上昇
なお、個人的にはこの3つに「基準線が上向き(少なくとも横ばい)である」を加えるとより正確に判断できると考えます。
これらの動きが同時に見られる場合、市場における強気の動向がさらに進むことが予測されます。
また、上の条件の発生にも順番が重要だと言われることがあるのですが、私の経験上は、その順番はあまり重要ではないと思っています。
順番はともかく、こうしてチャートでこれらのシグナルが次々に出現した場合、上昇トレンドに移行する確率が高くなります。
なお、三役好転の反対にあたり、全てのシグナルが弱気を示す状況は「三役逆転」と呼ばれます。
ただし、どんな指標にも必ずしも100%の確実性はありません。
この「三役好転」が成立しても、他のデータや情報と組み合わせて冷静に投資判断を下すことが重要です。
波動と相場の転換: 一目均衡表の3大理論の活用
トレード戦略の中心には、市場の動きを的確に読み取る能力が求められます。
その際に一目均衡表で特に役立つのが、一目均衡表の3つの主要理論、
「時間論」「相場観測論」「波動論」です。
これらの理論は市場の大きな流れや変動点を特定する上での有効な参考となりますが、これらをマスターするのには原著にあたる必要があり長期間の学習が必要です。
私達は差し当たって、これらの考え方の背後に市場には独特のリズムや繰り返しパターンが存在するという認識があることを知っておけば十分だと思います。
ここでは波動論について簡単に紹介します。
波動論はチャートの波の形から相場を分析する方法で、チャートの波形には次の3つのパターンがあると考えます。
種類 | 動き方 |
---|---|
I波動 | 上げのみ,下げのみ |
V波動 | 上げ→下げ,下げ→上げ |
N波動 | 上げ→下げ→上げ,下げ→上げ→下げ |
相場においてはすべての波動はN波動に集約されると言われます。
I波動とV波動が繰り返されますが、最終的にN波動になるということです。
ただし、必ずしも全ての波動や変動点を確実に予見することは難しいため、他の指標と組み合わせてさらに詳細に分析する必要があります。
一目均衡表の上級テクニック
一目均衡表は初級者だけではなく、上級者にとっても、深い分析・考察をする上で有益なツールです。
これらの高度な分析・考察法をマスターすることで、緻密な分析や洗練されたトレードアプローチが実現できます。
なぜ、高度な分析をすることができるのかというと、一目均衡表のラインや「雲」の動きが、多彩な意味を持っているからです。
転換線や基準線の動向はもちろんのこと、雲の厚みや色調の変動も非常に重要な指標となります。
これらの要素を組み合わせ総合的に解釈することで、市場の動きやトレンドの変わり目を精緻に読み取ることができます。
例を挙げると、雲が細くなる変化は、市場の動きが鈍化してきたことを示唆することが多いです。
また、雲の色が変わるタイミングは、重要な転換点の兆しとなる可能性があります。
これらの微細な変動を正確に捉えることで、より適切なトレード判断を下し、リスクを最小限に抑えることができます。
それでは、上級トレーダーの一目均衡表テクニックを解説していきますね。
日足・週足などの時間足の選び方
一目均衡表を用いた分析の際、時間足の選定は結果を左右する要素として重要です。
時間足により市場の動向やトレンドの視点が変わるからです。
日足を活用することで近日の市場の変動を詳細に追えるのに対し、週足を用いることで中期的な動きやトレンドを視野に入れることができます。
一方、月足ではより長期的な市場の流れを解析することができるのです。
例えば、日足の一目均衡表で上向きのトレンドが観察された際、週足での分析をそれに追加すれば、その動きが短期間のものか、それともより継続的な動きなのかを判別することができます。
このような時間足の複合的な利用は、トレード判断を緻密に行い、リスクを最小化する上で欠かせない手法となります。
なお、一目均衡表が開発されたのは昭和です。
日足より短期の時間足チャートがなかった頃なので一目均衡表はそれらでの使用を前提としていないので、その点には留意したいところです。
つまり、
「一目均衡表自体は、日足での使用がベストで、週足でも使える、しかし、日足未満、つまり4時間足以下では使用は一般的ではない。」
このように理解しておきましょう。
FXの個人トレーダーなら、デイトレ以下の方が多いと思いますが、それでも日足での一目均衡表はとても有益です。
例えば、上の画像のように一目均衡表では日足を参照して大きな視点で環境認識をしつつ、短期的な分析には自分が普段使用するような他のテクニカル分析を使用するのをお勧めします。
他のテクニカル指標との組み合わせ
一目均衡表は確かに多くのトレーダーから評価される指標ですが、今述べた短期的テクニカル分析に限らず、他のテクニカル指標と連携すると一層その真価を引き出すことができます。
組み合わせて使用すれば、一目均衡表だけでは察知しにくい、より繊細な相場変動やトレンドを的確に把握することができるからです。
移動平均線、MACD、パラボリックなどの指標と組み合わせることによって、取引のタイミングを更に精緻に特定することが可能となります。
例えば、上のチャートのように一目均衡表での上昇トレンド確認の上、MACDがゴールデンクロスを示唆していれば、これは強力な買いシグナルと解釈できます。
同様に、RSIが70を超える場面は過度な買い圧が存在することを示しているので利確するのに良い時期かもしれません。
総じて、一目均衡表を核として、他のテクニカル指標との連携により、より緻密な市場分析を行い、高い成功確率の取引を追求することができるのです。
また、日足レベルでの分析・環境認識には一目均衡表を、それ以下の分析はあなたが利用しているインジケーターを用いると良いことは、直前の項目で説明した通りです。
一目均衡表で実際に効果的だったトレード戦略
最後に、実際に効果的だった一目均衡表のトレード戦略をご紹介します。
まずは、一目均衡表の表示方法から解説します。
一目均衡表を使おうとするとラインや雲で、チャートが見づらくなります。
見づらいというだけで分析が難しくなるので、実際には先行スパン1と2のみを使用します。
「転換線」「基準線」「遅行線」は表示させずに、この3つのラインの代わりに他のテクニカル分析を使います。
代用として、移動平均線やボリンジャーバンドを表示させるのがおすすめです。
トレードでは、一目均衡表で雲だけ利用します。
一目均衡表はトレンドの方向性を示すためのツールで、特に先行スパン1と2、それからなる雲が重要だからです。
今までも解説してきましたが、この2本のライン(雲)を上抜け・下抜けするには相当のエネルギーが必要です。
よって、これらのラインに達すると反転する傾向があり、私はそれを基に売買の判断を行います。
例えば、ローソク足が上昇して一目均衡表の雲の下限に近づくと、私はそのラインを下抜けする前に保有している買いポジションの売りを考えます。
私がこれらのラインを基準にしてトレードする理由は、この方法を用いた場合の方がトレードしやすく、勝率が高かった経験からです。
併用するテクニカル分析としては、先ほど紹介したMACDを表示することが多いです。
MACDは移動平均線と同じようにゴールデンクロスやデッドクロスでトレンドの方向性を判断できます。
これらのテクニカル分析を一目均衡表と組み合わせて使用することで、より精度の高いトレンド判断が可能となります。
是非、過去検証してください。
まとめ: 一目均衡表で相場を制する
今回の記事のまとめです。
1.一目均衡表の概要: FXや株の動きを予測する指標。5つのラインで相場の動きを示し、未来の市場動きも予測可能。
- 転換線 & 基準線: 短期と中期の市場動向を示す。
- 先行スパン&「雲」: 未来の市場の動きを予測する特徴的な部分。
- 遅行線: 過去と現在の価格動向の比較を視覚的に示す。
2.使い方
- 「雲」などを代表として相場のシグナルを多数読み取れる。
- 「三役好転」を用いて市場動向を判断する。
- ラインなどを用いた相場分析の方法を身につけることが重要。
3.実践と上級テクニック
- 日足での使用が最適。
- 「雲」は価格のサポート領域やレジスタンス領域として機能。
4.他のテクニカル指標(MACDなど)と組み合わせることで、より緻密な市場分析が可能。
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