- ピボットポイントの使い方をマスターしたい
- ピボットポイントを使った手法を習得したい
- デイトレードの勝率を上げたい
この記事は、ピボットポイントを攻略できるように詳しく解説しています。
ピボットポイントは、『テクニカル指標の父』J.W.ワイルダー氏が開発したテクニカル指標です。
そのため、世界中のFXトレーダーに人気のインジケーターになっています。
人気の理由はそれだけではありません。
初心者でもパッとひと目でサポート・レジスタンスを判断できる点も人気の理由です。
この記事では、
- ピボットポイントの利点
- ピボットポイントの正しい使い方
- ピボットポイントのパターン
- ピボットポイントの注意点
- ピボットポイントを使った応用手法
など、わかりやすく解説しています。
ピボットポイントを取り入れることで、今まで見えなかったエントリーが視覚的に分析できるようになります。
そのことによって、『待つ』技術が身に付き、自然と勝率が向上します。
この記事があなたのトレードレベルの向上の向上のお役に立てれば幸いです。
目次
ピボットポイントとは:何が可能になるのか?
PIVOT(ピボット)とは
「PIVOT(ピボット)」は、自動で計算されるサポート・レジスタンスのことです。
「PIVOT(ピボット)」は、J.W.ワイルダーが開発しました。
ワイルダー氏はピボットの他にもRSI・パラボリック・ADX・DMIを開発した『テクニカル指標の父』と呼ばれる工学者です。
ピボット最大のメリットは、なんといっても誰もが意識するラインを自動でパッと1発で引けること。
そして、前日の高値・安値・終値を元に、当日のサポートとレジスタンスの目安を算出し、トレードに活かせる点です。
事前にサポート・レジスタンスが分かることで、デイトレーダーであればトレード戦略を組み立てやすくなります。
ピボットポイントとは? – 基本の「キ」
ピボットポイント分析は、特定の価格帯で市場がどのように反応するかを予測するテクニカル分析です。
ピボットポイント分析は、主にサポート(支持)レベルやレジスタンス(抵抗)レベルを事前に特定し、相場のターニングポイントを予測するのに用いられます。
デイトレーダーに特に人気がありますが、さまざまな時間足で有効に機能します。
ピボットポイントやレジスタンス、サポートを算出する際には、その日の高値、安値、始値、終値などの主要な価格データが使用されます。
これらのデータに基づいて計算されるピボットポイント等は、『目に見えない』サポートやレジスタンスのレベルを示し、トレーダーがトレードのタイミングや範囲を予測する際に非常に役立ちます。
ピボットポイントの計算式と意味
まずはピボットの各ラインの計算式を説明します。
確かに文字だけを追うと理解しにくいのですが、図も併せて考えるとわかりやすくなります。
計算式を理解したうえでピボットを利用することで、より実践で有効活用することができるようになります。
ピボットポイント計算の基本式と意味
ピボットの計算のベースとなっているのは次の4つです。
これらをもとに各種のラインの価格を算出します。
ピボットポイント計算に必要なベース値
ピボットポイントの計算に必要な各ベース値
PP:Pivot Point, H:High, L:Low, C:Close
- ① PP[ピボットポイント]=(H[前日高値]+L[前日安値]+C[前日終値])÷3
- ② H-PP[ピボットポイントと前日高値の差]=前日高値-ピボットポイント
- ③ PP-L[ピボットポイントと前日安値の差]=ピボットポイント-前日安値
- ④ PP+(H-PP)+(PP-L)[前日の高値と安値の差]=②+③
なんのこっちゃ分からないですね。
大丈夫です。
分かりやすく図解で解説していきますね。
以下の画像をご覧ください。
すべての計算のもとになるのは①のPP(ピボットポイント)です。
難しそうにみえるだけで、意味は簡単です。
計算式の通り、これは前日の高値・安値・終値の平均値です。
これに②③④を加えたり引いたりして各ラインが決まります。
それでは、ひとつずつ各ラインの計算式を解説していきましょう。
ピボットポイントR1とS1の計算式
ますは、R1とS1の計算方法を解説していきますね。
R1とS1の計算式
- R1=PP+(PP-L)
- S1=PP-(H-PP)
- R1はピボットポイント+「ピボットと前日安値の差」
- S1はピボットポイント-「ピボットと前日高値の差」
計算式だけ書くと難しく見えますね。
でも、大丈夫です。
意味はとても簡単。
R1はピボットポイントから前日安値までの幅分を逆に上に加えた価格です。
S1はピボットポイントから前日高値までの幅分を逆に引いて下げた価格です。
つまり、PPを基準に前日高値・安値を利用して計算しR1・S1を計算しています。
ピボットポイントR2とS2の計算式
続いてはR2とS2の計算式です。
R2とS2の計算式
- R2=PP+(H-L)
- S2=PP-(H-L)
急に計算式がシンプルになりましたね。
R2はピボットポイントに前日の高値安値の幅すべての分を足した価格です。
S2は逆にピボットポイントから前日の高値安値の幅すべての分を引いた価格です。
R1,S1は前日高値、前日安値のどちらか一方との差のみ利用していましたが、R2,S2は前日高値と前日安値を合体させたものとの差を利用して計算しています。
ピボットポイントR3とS3の計算式
最後にR3とS3です。
R3とS3の計算式
- R3=R1+(H-L)
- S3=S1-(H-L)
R3,S3の計算式もシンプルで簡単ですね。
R3はピボットポイントに前日安値までの幅分・前日高安値の幅すべての分を足した価格です。
S3は逆にピボットポイントから前日高値までの幅分・前日高安値の幅すべての分を引いた価格となります。
つまり、R1・R2の要素を両方とも考慮して加算したのがR3で、S1・S2の要素を両方とも考慮して減算したのがS3ということになります。
なお、R3はHBOP(High Break Out Point)、S3はLBOP(Low Break Out Point)とも呼ばれます。
計算式・まとめ
レベル | 計算式 |
---|---|
PP | (C+H+L)÷3 |
R1 | PP+(PP−L) |
S1 | PP−(H−PP) |
R2 | PP+(H−L) |
S2 | PP−(H−L) |
R3 | R1+(H−L) |
S3 | S1−(H−L) |
サポート&レジスタンスラインの基本的な活用法
主な活用方法は2つです。
- 相場の勢いを分析
- サポートラインおよびレジスタンスラインとして利用
1. 相場の勢いを分析
ピボットポイントや各ラインを使用すると、相場の強さ・勢いを把握することができます。
ピボットポイント(PP)と各ラインとの距離が離れているほど勢いが強まっていると見ることができます。
また、複数のラインがあり、現在の価格帯がどのラインに位置しているかによって、相場の勢いを判断することができます。
2. サポートラインおよびレジスタンスラインとしての利用
ピボットポイントなどのラインはサポートラインやレジスタンスラインとして活用できます。
これらのラインで反転するかどうかを予測し、反転せず第1ラインを越えた場合は、次に第2ライン、そして第2ラインを越えた場合は第3ラインへ向かう可能性を予測します。
例えば、以下のようなトレード手法があります。
- レジスタンスラインR2に到達したら売り、サポートラインS2に到達したら買う、という逆張り手法
- ピボットポイントなどのラインを基準にトレンドの方向性を判断したうえで、数日分がつながったラインをMAのように用い押し目・戻りの判断材料に使うというトレンド順張り手法
MT4・MT5でピボットポイントを使用する方法
世界中のFXトレーダーが最も利用しているプラットフォームのMT4・MT5。
MT4・MT5のピボットインジケーターの利用方法を解説しますね。
まだMT4・MT5をお持ちでない方は、ダウンロード方法を以下の記事で分かりやすく解説しています。
MT4・MT5にピボットを追加する方法
MT4の標準インジケーターにはピボットが含まれていません。
しかし、ネット上に多数あるカスタムインジケーターの中からピボットのインジケーターを探して、ご自身のMT4・MT5に追加できます。
まず、「mt4用 PIVOT」というキーワードでネット検索をしてみましょう。
ダウンロード可能なサイトがいくつか見つかります。
ダウンロードしたピボットインジケーターを、以下の手順でMT4・MT5に追加しましょう。
カスタムインジケーターをMT4/MT5に保存する
『Pivots』というカスタムインジケーターを導入する場合を例にします。
カスタムインジケーターをMT4/MT5に追加する手順
- 「ファイル」メニューをクリック
- 「データフォルダを開く」を選択
- 「MQL4」を選択
- 「indicators」と開く
- 「indicators」フォルダに、『Pivot』のインジケーターファイルを保存
- MT4・MT5を再起動
カスタムインジケーターをチャートに表示する
カスタムインジケーターをチャートに表示する
- メニューより「挿入」をクリック
- 「インジケーター」を選択
- 「カスタム」を選択
- ダウンロードしたピボットインジケーターがリストに表示されている
- 『Pivot』のインジケーターの設定ウインドウが表示されるので「OK」をクリック
基本的にピボットインジケーターは基本的に、デイトレードなどの短期トレード用です。
よって、4時間足、1時間足、30分足、15分足、5分足、1分足などの短いタイムフレームでのみ表示され、日足以上の長いタイムフレームでは表示されません。(※例外もあります。)
自分のトレードスタイルに最も適した足で表示して利用してください。
なお、Trading Viewではピボットが標準機能として組み込まれています(Pivots[ピボットポイント・スタンダード] )。シンプルですが使いやすい仕様となっています。
MT4・MT5|おすすめの無料ピボットインジケーター
「PivotPoints.All-In-One」(MT4)
ピボットの種類や計算期間・表示方法など、必要と考えられる機能がすべてそろったインジケーターです。
「pivot」(MT4)
デイリーピボットだけを表示するインジケーターで、他に大きな特徴はありませんが過去のピボットポイントもさかのぼって表示され見やすいです。
「pivot point」(MT5)
デイリーピボットだけでなくウィークリー・マンスリーピボットも表示できます。
過去のピボットポイントも遡って表示されます。
Trading View|おすすめの無料ピボットインジケーター
Pivots[ピボットポイント・スタンダード]
Pivots[ピボットポイント・スタンダード]
なお、Trading Viewではピボットが標準機能として組み込まれています。
シンプルですが使いやすい仕様となっています。
「Auto DayWeekMonth Fib Levels」(Trading View)
「Auto DayWeekMonth Fib Levels」(Trading View)
Trading Viewのカスタムインジケーターになります。
このインジケーターは、フィボナッチ・ピボットポイントを日足だけではなく週足・月足も表示できます。
デフォルトでも色分けが明確で見やすいです。
「Daily and Weekly Pivots」(Trading View)
「Daily and Weekly Pivots」(Trading View)
当日の日足だけではなく過去の日足・週足のS3~R3をチャートに表示できます。
ピボットポイントバリエーションとその特徴
これまでピボットポイントを解説してきましたが、実はピボットポイントはひとつではなく、いくつかバリエーションがあります。
この項目では、ピボットポイントのバリエーションとその特徴について解説していきますね。
ピボットポイントのバリエーション
- クラシック・ピボットポイント
- フィボナッチ・ピボットポイント
- カマリラ・ピボットポイント
- ウッディ・ピボットポイント
- デマーク・ピボットポイント
①クラシック・ピボットポイント
クラシック・ピボットポイントは、今まで解説してきた「ピボット」です。
利用者が最も多いのが特徴です。
クラシック・ピボットポイントは、フロア・ピボットポイントとも呼ばれます。
②フィボナッチ・ピボットポイント
フィボナッチ・ピボットポイントの計算式
- R3 = PP + ((H – L) × 1.000)
- R2 = PP + ((H – L) × 0.618)
- R1 = PP + ((H – L) × 0.382)
- PP = (H + L + C) ÷3
- S1 = PP – ((H – L) × 0.382)
- S2 = PP – ((H – L) × 0.618)
- S3 = PP – ((H – L) × 1.000)
このタイプは、チャート分析で人気の高いフィボナッチ数列(0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, …)に基づいて計算されています。
メインのピボットポイントは通常通り計算されますが、サポートとレジスタンスのレベルは、前日高値・安値・終値にフィボナッチ比率(0.382、0.618)を用いて算出されているのが特徴です。
③カマリラ・ピボットポイント
カマリラ・ピボットポイントの計算式
- R4 = (H – L) × 1.1 / 2 + C
- R3 = (H – L) × 1.1 / 4 + C
- R2 = (H – L) × 1.1 / 6 + C
- R1 = (H – L) × 1.1 / 12 + C
- S1 = C – (H – L) × 1.1 / 12
- S2 = C – (H – L) × 1.1 / 6
- S3 = C – (H – L) × 1.1 / 4
- S4 = C – (H – L) × 1.1 / 2
カマリラピボットはピボットポイント計算の進化型です。
価格には平均値に回復する傾向があるという考えに基づき『価格の行き過ぎ』を判断しています。
4つのサポートレベルと4つのレジスタンスレベルが表示されるのが特徴です。
これらは前日の高値、安値、終値に基づいて計算されます。
④ウッディ・ピボットポイント
ウッディ・ピボットポイントの計算式
- PP= (H + L + 2 × C)÷4
- R1 = (2 × PP) – L
- R2 = PP+ H – L
- S1 = (2 × PP) – H
- S2 = P – H + L
ウッディピボットはクラシック・ピボットポイントとは異なる独特の計算方法を採用しています。
こちらは前日の高値、安値、終値ではなく、当日のオープン価格(≒前日の終値)を基に算出されています。
一過性のある当日の高値安値よりも始値・終値の方がマーケットの状況をより正確に表すという考えに基づき後者を重視しているのが特徴です。
また、この方法ではサポートとレジスタンスのレベルがそれぞれ4つ存在します。
⑤デマーク・ピボットポイント
デマーク・ピボットポイントの計算式
- R1(予想される最高値の候補)は、「X ÷ 2 – 前日の最安値」で計算されます。
- S1(予想される最安値の候補)は、「X ÷ 2 – 前日の最高値」で計算されます。
「X」の値は以下の条件によって異なります。
- 前日の終値が始値より低い場合:X = 最高値 + 2 × 最安値 + 終値
- 前日の終値が始値より高い場合:X = 2 × 最高値 + 最安値 + 終値
- 前日の終値が始値と同じ場合:X = 最高値 + 最安値 + 2 × 終値
デマーク・ピボットポイントは、テクニカル指標の開発で有名なトム・デマークによって開発されました。
デマーク氏のピボットポイントは、非常にシンプルで、2つのライン(R1とS1)で構成されており、これらの計算は前日の始値と終値の関係に基づいて異なります。
このデマーク・ピボットポイントは、でトレード向きで、1日の値動きの範囲を予測するために使用されています。
また、クラシック・ピボットポイントと同様に、相場のボラティリティ(価格変動の大きさ)を予測するのにも役立ちます。
ピボットポイントの幅が前日より狭い場合は、その日の市場のボラティリティが低い可能性があります。
逆に幅が広がっている場合は、ボラティリティが高く、価格変動が大きくなる可能性があります。
ピボットポイントを使った手法:基本的な使い方から応用テクニックまで
ピボットポイントの計算式や特徴を理解したところで、ピボットポイントを活用した手法を解説していきますね。
ピボットポイントでサポートレレジスタンス見極める方法
ピボットラインは特に海外のトレーダーに意識されているので、そのライン近辺での売買が多くなります。
つまりピボットポイントそのものがレジスタンス、サポートラインになりやすいです。
特に、強力にピボットポイントが機能するラインは、
『反転根拠の重複』です。
【根拠の重複の例】
- ピボットポイント + サポート・レジスタンス
- ピボットポイント + 移動平均線
- ピボットポイント + フィボナッチリトレースメント
- ピボットポイント + ボリンジャーバンド2σ
ピボットポイントだけでも反転材料として有効です。
しかし、さらにピボットポイント手法で勝率をあげるためには、上記のように反転する根拠を増やすことが必要です。
根拠が多ければ多いほど、サポートレジスタンスとして機能するからです。
3つ以上確認できれば強気で反転方向にエントリーしていきたい場面です。
以下の画像をご覧ください。
右肩上がりの移動平均線とピボットポイントが重複されているポイントは、強力な反転ポイントになる可能性があります。
そのポイントに価格がタイミングよく到達した場合は、反転する可能性が高くなります。
『根拠の重複』を理解したうえで、ピボットポイント手法を活用すると勝率が上がります。
ピボットポイントを利用した逆張りエントリー手法
逆張りエントリーの手順
- レンジ相場の特定: 逆張り手法に適した相場を見つける
- エントリーポイントの特定: 逆張りのエントリーポイントを特定する。
例えば、前日からの流れを考慮して、当日のPPからS1の間でレンジが予想される場合、PPとS1のレベルで価格がタッチした時をエントリーポイントとします。 - 反転サインの待機: 価格がPPやS1にタッチした後、反転するサインを待ちます。このサインはローソク足のパターンによって確認できます。
- ローソク足パターンの分析: 反転サインとして、特定のローソク足パターン(例:S1でのピンバー、PPでのアウトサイドバー)を用います。これらのパターンが確定し、反転していることが確認できた場合、それがエントリーポイントです。
まずは、逆張り手法に適している相場をみつけましょう。
逆張り手法に適している相場は、レンジ相場です。
よって、前提として相場分析でレンジ相場であると判断できることが前提です。
そのうえで、価格が上昇中なら、基本的にはPP,R1,R2で反応したところを逆張りでエントリーします。
それでは以下のチャートをご覧ください。
綺麗なレンジ相場ですね。
前日からの流れで当日は、PP~S1でレンジが予想できますので、PPとS1で価格がタッチしたら反転サインを待ちます。
エントリーはローソク足の反転サインを使います。
S1でピンバー、PPでアウトサイドバーが確定して反転しているのが分かります。
ローソク足の反転サインについては、以下の記事で解説していますので、参考にされてください。
ピボットポイントを利用した順張りエントリー手法
順張りエントリー手法の手順
- 手法の選定: ピボットポイントの順張り手法として、特にブレイク手法が有名。
- エントリーポイントの特定: S3レベルをローソク足の終値でブレイクした場合にエントリーを検討。
- 大前提の確認: 上位足(より長い時間枠のチャート)のトレンドが、ピボットポイント(S3またはR3)をブレイクする方向と同じであること。
- トレンド方向の分析: 上位足のチャートを分析して、そのトレンド方向を特定します。
- 方向性の一致を待つ: 上位足のトレンド方向と同じ方向へのブレイクを待つ。
ピボットポイントの順張り手法は、ブレイク手法が有名です。
とくにS3をローソク足の終値でブレイクしたらエントリーしていきます。
しかし、大前提で条件があります。
それは、上位足のトレンドがブレイク方向と同じであることです。
以下の画像をご覧ください。
このように、上位足のトレンド方向と同方向にブレイクを待ちましょう。
ピボットポイント活用のメリットと注意点
ピボットポイントの長所・短所を知ったうえで上手に活用しましょう。
以下ではそれらについて詳しく説明します。
ピボットポイントを活用するメリット
1.世界中のトレーダーと同一の分析を利用できる
ピボットポイントの最大の利点は、世界中のトレーダーが行うのと同じチャート分析を行うことができる点です。
移動平均線やボリンジャーバンドなどの多くのテクニカル指標と異なり、パラメーターや期間設定が不要です。
つまり、世界中の初心者トレーダーから機関投資家に至るまで幅広く使われるこのツールは、誰が使っても同じ価格でラインが表示されます。
この一貫性のおかげで、初心者トレーダーでも相場で重視される重要なラインや節目を簡単に識別することが可能です。
FX市場は大衆心理の影響を受け、特定のパターンが形成されることが一般的です。
このため、多くのトレーダーによって利用され有効とされるテクニカル指標は一層効果的とみなされ利用者が増えることになります。
このことがFXトレードでピボットポイントが広く使われる最大のメリットの一つです。
2.トレンドの方向性の把握
前日のピボットポイントと当日のピボットポイントの位置を比較することで、トレンドの大まかな方向性を分析できます。
前日のピボットポイントが大きく下がっている場合、前日は下落傾向にあった可能性が高いです。
ピボットポイントの位置がほとんど変わらない場合、レンジ相場である可能性があります。
デイトレードであれば、ピボットポイントの位置関係で、当日の戦略を考える材料になります。
3.トレンドの勢いと強弱の判断
ピボットポイントの幅は相場の動きの勢いや強さを示します。
例えば、高値は更新されたものの、ピボットポイントがわずかしか上がらない場合、市場は高値を更新した後に下落して終値を迎えたと判断できます。
また、ボラティリティが高い日は、翌日のピボットポイントの幅が広がる傾向にあります。
反対に、レンジ相場の翌日はピボットポイントが狭まることが多く、ブレイクアウト(価格が一定範囲を突破する動き)のタイミングを見極める際に非常に役立ちます。
ピボットポイントの外側のライン(R3やS3)に到達する確率は低く、通常は内側のラインに到達しやすいですが、強いトレンドではR3やS3を超えることもあります。
4.ピボットポイントに戻る傾向
ローソク足はピボットポイントから離れた後、しばしばピボットポイントに戻る動きを見せます。
しかし、ピボットラインの外側に到達する場合は、トレンドの勢いが強い証拠であるため、逆張りする際には注意が必要です。
それでも、この性質を活かしたトレードは可能ですので、他の分析とあわせてトレードに活用しましょう。
5.利益確定と損切りの目安
今までの解説の通り、ピボットラインやS・Rのラインはしばしばサポートやレジスタンスとして機能し、価格がこれらのラインで反発することが多いです。
これを利益確定や損切りの目安として使用することができます。
特に、価格が浅いピボットポイントを突破した後、再びサポートやレジスタンスとして機能し始め、不利な方向に動く場合には早めの損切りを考慮することも一つの戦略です。
トレード手法によりますが、サポートやレジスタンスとしてのピボットラインは重要な指標となることは間違いありません。
ピボットポイント使用時のデメリットと注意点
次は、ピボットポイントのデメリットと注意点を解説しますね。
1. チャートの視覚的問題
ピボットポイントは7本のラインで表示されるため、他のインジケーターと組み合わせるとチャートが複雑になり、読み取りにくくなる可能性があります。
つまり、チャートがゴチャゴチャしてしまうということです。
特に、インジケーターや水平線やトレンドラインなどを追加すると、チャート上のラインの数が増えて視認性が低下する恐れがあります。
ピボットポイントのみをトレードに使うことは推奨されませんが、使用する場合はチャートの複雑化に注意しましょう。
2. 無計画なエントリーを避ける
相場の流れを正確に読み取り、適切な根拠を持ってエントリーすることが重要です。
ピボットポイントは7つのラインがあるので、その都度エントリーチャンスだと身構えてしまう危険性があります。
すべてのラインで反転するわけではありません。
他の指標との組み合わせや、市場の状況を慎重に分析したうえでピボットポイントを活用してください。
3. 有効時間の限界を理解する
ピボットポイントは前日の価格データに基づいて計算されるため、その有効性は基本的に当日限りです。
翌日には新たなデータでリセットされるため、この点を常に頭に入れておくことが大切です。
また、日足だけでなく、週足や月足のピボットポイントにも同様の原則が適用されます。
オプションのオーダー状況のチェック
注意点ではないですが、オプションオーダーを確認することでピボットポイントのデメリットを回避して、上手く活用できます。
オプションのオーダー状況を見つつピボットを利用するとピボットポイント等のラインのうちレジサポになる候補が予測しやすくなり、より精度が高いエントリーが可能になります。
「オプションカット リアルタイム」などで検索するとオプションのオーダー状況がわかるサイトが調べられるので参考にしてみてくださいね。
ピボットポイントの応用と実践
ここでは他のインジケーターなども組みあわせた、ピボットポイント分析の実践的使用例を解説します。
それでは、以下のチャートをご覧ください。
GBP/USDの15分足のチャートです。
相場は2本点線が意識されレンジになっています。
よって、逆張り手法が適用できます。
特に上限に関しては緑の長方形の箇所でラインの周辺で何度も反応し、意識されレジスタンスラインとなっていますね。
これがちょうどS1やR1ラインに重なってきた日に売りエントリーのポイントとして狙い目にします。
それでは、その後のチャートをご覧ください。
時間が進み、営業日が変わり(オレンジ色のタテ線A)新しいピボットラインになっています。
まずは、買いエントリーから見ていきましょう。
前日からのサポートラインとS1が重複しています。
さらにオシレーターはMACDがゴールデンクロスかつRSIが売られ過ぎ。
このことが理由から買いエントリーすることができます。
次は、売りエントリーです。
売りエントリーは、レンジの上限とR1が重複しているので、強いレジスタンスとして判断できます。
MACDがデットクロス、RSIが買われ過ぎから売りエントリーすることができます。
利確は、どちらも直近のサポートレジスタンスで利確しています。
このように、ピボットポイントにプラスして他のテクニカル分析やテクニカル指標を加えてエントリーポイントを絞り込んでいきましょう。
大切なポイントは、戦略を立てたらしっかり『待つ』ことです。
総まとめ:ピボットポイントでトレードを変革しよう
今回の記事では、ピボットポイント分析の基本から応用までを詳しく解説しました。
ピボットポイントは、相場のサポートとレジスタンスレベルを予測するための有効なツールです。
この分析方法は、特にデイトレーダーに人気があり、日足以下の様々な時間枠でのトレードに活用されています。
この記事を参考にして、今後のトレードに活かしてください。
この記事があなたのトレードレベルの向上の向上のお役に立てれば幸いです。
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