- DMIってどんなインジゲーターなのか知りたい
- DMIの計算や設定値や設定方法など具体的な使い方を知りたい
- DMIの手法を知りたい
このような方は、この記事ですべて解決することができます。
DMIは、長く多くのトレーダーに利用されているインジゲーターのひとつです。
なぜなら、開発したのは、テクニカル指標の開発で有名なJ.W.ワイルダー氏だからです。
RSIなど多くの有名インジゲーターの生みの親です。
あの有名なワイルダー氏も
『自分が作った中ではDMIに一番開発に時間をかけており、出来も最も満足したものだった』
と言っているほどのインジゲーターがDMIですね。
この1記事をお読み頂くことで、DMIを完全にマスターすることができます。
この記事では、
- DMIの基本
- DMIの具体的な見方と使い方
- DMIの売買ポイント
- DMIを利用したトレンドを見極める方法
- 他のインジゲーターとの組み合わせ
など、DMIをマスターするための内容を分かりやすく解説しています。
DMIをマスターすることで、トレンド判断や売買ポイントに迷わなくなります。
そのことによって、あなたの手法の精度がグンッと上がります。
この記事があなたのトレードレベルの向上のお役に立てれば幸いです。
目次
DMIの基本:何故これが必要か
まずは、DMIがどのようなインジゲーターなのか分かりやすく解説していきます。
さっそくですが、実際にDMIを確認してみましょう。
3本のラインが特徴的ですね。
それでは、次にDMIとは、いったいどのようなインジゲーターなのかを解説しますね。
DMIとは何か?
DMI(Directional Movement Index)は、日本語で「方向性指数」という意味です。
DMAIは、金融市場において多くのトレーダーに信頼されているインジゲーターの一つで、多くのトレーダーに愛用されています。
DMIで分析できることは主に、『相場の動きが強いのか弱いのか』という点です。
DMIは、当日の最高価格(高値)と最低価格(安値)を見ることで、それが前日と比べてどう変動したのかを判断します。
当日の高値が前日よりも高ければ相場が強気
当日の安値が前日よりも低ければ相場が弱気
このように、DMIは相場の強弱を判断します。
DMIの歴史と成り立ち
DMIは、開発されたのは1970年代半ばで、相当古くから使用され続けているテクニカル指標です。
開発者はJ.W.ワイルダー氏という人物で、彼はRSIという非常に有名な指標も手掛けています。
ワイルダー氏は、自分が作った中ではDMIに一番開発に時間をかけており、出来も最も満足したものだったと言っています。
既存の指標であるRSIやストキャスティクスは、逆張り効果を発揮するような市場に役割が限られていましたが、市場の方向性が一方に傾くトレンド相場では有用性が低いのでDMIは、そういった指標の欠点を補完するため、市場のトレンドの有無や強弱を探る指標として生まれました。
なお、DMIはオシレーター系の指標として分類されます。
DMIの具体的な見方と使い方
それでは、DMIの具体的な見方と使い方を解説していきますね。
DMIの一般的な見方
DMIには主要なライン[+DI][-DI][ADX]が3つあります。
それぞれの役割や見方がありますので、ひとつずつ解説していきますね。
+DIラインの見方
まず、+DIラインです。
画像のチャートでは緑色に設定しています。
+DIラインは上昇トレンドの方向性(上向きの強さ)を示しています。
具体的には、価格が反発する時に上昇することが多く、+DIラインが40以上の時は上昇トレンドの方向性は非常に強く、20以下の時には弱いといわれています。
+DIの見方
- 価格が上昇傾向にあるとき、+DIも上昇する
- ラインが40以上:非常に強い上昇トレンド
- ラインが20以下:上昇トレンドは弱い
-DIラインの見方
次に、-DIラインです。
画像のチャートでは赤色に設定しています。
-DIラインは、下降トレンドの方向性(下向きの強さ)の強さを示しています。
価格が下落すると上昇し、価格が上昇すると逆に低下します。
+DIの場合と同様に、-DIラインが40以上の時は下降トレンドの非常に方向性は強く、20以下の時は弱いといわれています。
-DIの見方
- 価格が下降傾向にあるとき、-DIも上昇する
- ラインが40以上:非常に強い下降トレンド
- ラインが20以下:下降トレンドは弱い
ADXラインの見方
最後に、ADXライン。
画像のチャートでは青色に設定しています。
ADXラインは『トレンドの勢いの強弱』を表しています。
チャートの左のように上昇トレンドでも、チャートの右のように下降トレンドでも、強いトレンドが発生するとこのラインは上昇します。
これも40以上の時は非常にトレンドが強く、20以下の時には弱いとされています。
ADXの見方
- ADXはトレンドの強さを数値で表します。
- 上昇トレンドでも下降トレンドでも、トレンドが強ければADXは上昇します。
- ADXの値が40以上の場合: トレンドは非常に強い
- ADXの値が20以下の場合: トレンドは弱い
DMIの売買ポイントの見つけ方
DMIは、上昇トレンドと下降トレンドの勢いをひと目で分析できるインジゲーターでしたね。
このインジゲーターを利用して、売買ポイントを見つけたり、エントリーのタイミングを計ることができます。
売買ポイントの見つけ方は、3つあります。
- +DIと-DIの位置と動きで判断する方法
- ADXの動きでトレンドを判断する方法
- ダイバージェンスで判断する方法
①+DIと-DIの位置と動きで判断する方法
+DIと-DIの位置と動きでトレンドを判断することができます。
上昇トレンドを判断する方法
以下のチャートをご覧ください。
+DIは上昇トレンドの強さを、-DIは下降トレンドの強さを示します。
よって、
+DIが-DIよりも上に位置する場合、上昇トレンドが強い
と判断することができます。
下降トレンドを判断する方法
次に、下降トレンドの判断方法を確認してみましょう。
以下のチャートをご覧ください。
チャートのように、
-DIが+DIよりも上に位置する場合、下降トレンドが強い
このように判断することができます。
トレンド転換を判断する方法
今までの解説から分かるように、+DIと-DIのクロスはトレンド転換の可能性があるので注目ポイントです。
以下のチャートをご覧下さい。
②ADXの動きでトレンドを判断する方法
次に、ADXでトレンドを判断する方法について解説していきます。
以下のチャートをご覧下さい。
ADXの上昇、特に40を超える動きは、勢いの強いトレンドに発展すると判断することができます。
なおADXが60を超えることはほぼなく、これが上限の目安になると考えていいです。
また、ADXと+DI、-DIのクロスでトレンドを判断することもできます。
以下のチャートをご覧ください。
+DIと-DIとが交差した後に
ADXが下落中の-DIを上抜く ⇒ 上昇トレンド
と判断することができます。
下降トレンドも確認してみましょう。
以下のチャートをご覧ください。
ADXが下落中の+DIを上抜く ⇒ 下降トレンド
と判断することができます。
ダイバージェンスで判断する方法
ダイバージェンスとは
ダイバージェンスとは、「逆行現象」とは意味しています。
特に、RSIなどのオシレーター系のテクニカル指標が、実際の相場とは逆方向に向かって動いている状態を指します。
トレンドの転換を見極めるサインとしてダイバージェンスは利用されています。
チャートのように価格が上昇しているのに、+DIやADXが下落する場合、上昇トレンドの勢いが失われている可能性が考えられます。
逆に、価格が下降しているのに、-DIの上昇が止まる、またはADXの上昇が止まる場合、下降トレンドが終わる可能性が考えられます。
もちろん、ダイバージェンスは反転の「可能性」を示すに過ぎないので、このダイバージェンスのみで売買判断を行うというのは無謀です。
しかし利益確定のタイミングを探る場面などで使うことは十分できそうですね。
これらの情報を元に、市場の動きを読み解くことができます。
ただし、単一の指標だけに依存するのではなく、他の情報や分析方法と組み合わせて使用することがおすすめです。
なお、詳しいエントリー方法はあとで説明します。
トレンドを見極めるための3つののコツ
①ラインのクロスをチェックする
- +DIが-DIを下から上へと交差:上昇トレンドのサイン
- +DIが-DIを上から下へと交差:下降トレンドのサイン
- +DIと-DIが交差した後、ADXが下落中の-DIを超える:上昇トレンドの強化
- +DIと-DIが交差した後、ADXが下落中の+DIを超える:下降トレンドの強化
- クロスするポイントは、トレンド転換が生じる可能性が高いので、注意が必要
②ラインの角度をチェックする
- 急な角度:強いトレンドを示唆
- ゆるい角度:トレンドが弱い可能性
③取引の判断基準
角度が緩やかな場合は、トレンドが弱くなっている可能性があるのでエントリーを避ける
DMIを利用してトレンドやエントリー判断する場合は、上記の3つのコツを確認することで精度がグンッと上がります。
DMIの計算式とその背後の理論
※DMIやADXの計算式は以下の通り複雑ですが、計算式を完全に覚える必要はありません。
使用方法は比較的シンプルであり、重要なのは、それらの指標がどのように動くかを理解することです。
以下の表がDMIの計算式になります。
内容 | 計算式 |
---|---|
+DMと-DMの算出 | ・+DM(上昇幅):当日の高値 – 前日の高値 ・-DM(下落幅):前日の安値 – 当日の安値 |
注意点 | ・+DMが0未満の場合:+DM=0 ・-DMが0未満の場合:-DM=0 ・+DMが-DMより大きい場合:-DM=0 ・-DMが+DMより大きい場合:+DM=0 |
TR(True Range)の算出 | TR:以下のA, B, Cの中で最も大きな値 ・A:当日の高値 – 前日の終値 ・B:前日の終値 – 当日の安値 ・C:当日の高値 – 当日の安値 |
+DIと-DIの算出 | ・+DI:(N日間の+DMの合計 ÷ N日間のTRの合計)×100 ・-DI:(N日間の-DMの合計 ÷ N日間のTRの合計)×100 参考:Nの期間は一般的に14日間(多くのツールが14をデフォルトとして使用) |
ADXの算出 | ・DX =(+DI―-DI)÷(+DI + -DI)×100 ・ADX = DXのN日間の平均 |
DMIの使用法と応用技術:他の指標との組み合わせ
これまではDMIの基本を解説してきました。
ここからは、実際にDMIをどのように活用していけばよいのか?
シグナルの精度を高めるにはどうすればよいのかを解説していきますね。
売買ポイントの探し方
以下にトレンドの判別やエントリーポイントを見つけるための使用方法を整理しました。
おさらいになりますが、DMIの基本的な使い方を理解しましょう。
ADXラインの解釈 | ADXラインの値でトレンドの勢いを判別します。 ・20未満:レンジ相場 ・20~30を上抜け:中程度以上のトレンド相場へ発展する可能性あり ・40~50以上:強いトレンド相場 |
トレンドの方向の判別 | +DIと-DIの位置関係で上昇トレンドか下降トレンドかを判別します。 ・+DIが-DIを上回る場合:上昇トレンド ・-DIが+DIを上回る場合:下降トレンド |
エントリーシグナル | +DIと-DIの交差点が大切です。 ・+DIが-DIを下から上に抜ける(ゴールデンクロス):買いサイン ・-DIが+DIを下から上に抜ける(デッドクロス):売りサイン |
トレンドの終了のサイン | ADXが下向きになった時はトレンドが終了する可能性が高いのでエグジットの準備をしましょう。 |
ダイバージェンスに注意 | ADXの実線が失速する場合、トレンド転換のサインかもしれません。 短い時間足のトレンドと大きな時間足のトレンドを確認して、全体の方向性を理解しましょう。 |
基本のトレードスタイル | +DIと-DIの交差をトレンドシグナルとして利用 |
具体的なデイトレード方法|ロングエントリー
DMI手法|ロング(買い)エントリーの手順
- DMIを利用して上位足のトレンドを把握する
- 下位足で押し目買いを狙ってエントリー
【①DMIを利用して上位足のトレンドを把握する】
まずは、上位足(1時間足~4時間足)などで、DMIでトレンド判断をします。
チャートのようにピンクのラインで+DIが-DIを上抜けオレンジの帯のようにADXが20-30を超えていくような角度で上昇したことを確認します。
【②下位足で押し目買いを狙ってエントリー】
下位足で押し目買いを狙ってエントリーしていきます。
以下の画像をご覧ください。
画像のように5分足や15分足の下位足のチャートで押し安値から小さなトレンド転換が発生したらエントリーします。
エントリーポイントでローソク足の反転サインなどが確認できれば、積極的にエントリーしていきましょう。
具体的なデイトレード方法|ショートエントリー
DMI手法|ロング(買い)エントリーの手順
- DMIを利用して上位足のトレンドを把握する
- 下位足で戻り売りを狙ってエントリー
【①DMIを利用して上位足のトレンドを把握する】
まずは、上位足(1時間足~4時間足)などで、DMIでトレンド判断をします。
チャートのようにピンクのラインで-DIが+DIを上抜けオレンジの帯のようにADXが20-30を超えていくような角度で上昇したことを確認します。
【②下位足で戻り売りを狙ってエントリー】
下位足で戻り売りを狙ってエントリーしていきます。
以下の画像をご覧ください。
画像のように5分足や15分足の下位足のチャート戻り高値から小さなトレンド転換が発生したら逆張り気味でエントリーします。
買いの場合と同様に、エントリーポイントでローソク足の反転サインなどが確認できれば、積極的にエントリーしていきましょう。
ただし、この方法だけで長期的に安定収益を期待するのは難しいので、水平・トレンドラインや他のインジケーターと組み合わせるなど、自分のスタイルに合わせて検証し、磨き上げていくことが重要です。
また、ダイバージェンスが生じていないかを確認するのも忘れないでください。
DMIを一つの判断材料として効果的に活用して、トレンドをしっかりととらえ、エントリーポイントを見つける能力を高めていきましょう。
RSIとの組み合わせ・逆張りエントリー
DMIとRSIの組み合わせについて詳しく見てみましょう。
RSIは、買われすぎや売られすぎを判断するためのオシレーター系のテクニカル指標として知られています。
この指標は主にレンジ相場での活用が推奨されています。
RSIの見方
- 30%以下になると市場は売られすぎ
- 70以上になると市場は買われすぎ
このような時、RSIのピークを基準に逆張りトレードのエントリータイミングを判断するのが一般的です。
しかし、オシレーター系の指標はシグナルにダマシが多いので注意が必要です。
そのため4時間足・1時間足などの中期足で市場の方向性を確認した上で、15分足や5分足などの短期足を利用して具体的なエントリータイミングを見極めることが推奨されています。
興味深いのは、冒頭で説明したようにRSIとDMIは同じ製作者によって開発されたという背景があること。
実は、DMIはRSIの一部の弱点を補完するために開発されたインジゲーターなんです。
よって、RSIとDMIをうまく組み合わせることでシグナルの正確性を一層高めることが可能になります。
【逆張りエントリー一例】
たとえば、DMIが買いのシグナルを出した際に、上位足RSIが売られすぎの範囲にあれば、その買いシグナルの確信度は非常に高まります。
また、RSIを活用することで、DMIの示すトレンドの終了前に利確するタイミングを掴むこともできるようになります。
さらに、RSIを利用することでDMIでは判断しにくい逆張りの戦略も取り入れやすくなります。
DMIとRSIを上手に組み合わせることで、相場の動きをより的確に掴み、効果的なトレードが行えるようになります。
Trading View、MT4・5の設定手順
Trading View とMT4 ・MT5での設定方法を解説します。
Trading ViewのDMI設定方法
- Trading Viewを開きます。
- チャート上部のツールバーから「インジケーター」をクリック。
- 検索ボックスに「DMI」と入力し、出てきた「DMI(方向性指数)」を選択することで設定できます。
MT4・MT5のDMI設定方法
- MT4・MT5を開きます。
- チャート上部の「挿入」をクリック。
- 「インディケータ」に進み、その中から「トレンド」を選択します。
- 「Average Directional Movement Index」を選ぶことでDMIを設定できます。
注: MT4やMT5では、DMIは”Average Directional Movement Index”という名前で表示されています。
DMIの期間設定については、特に特定の値にこだわりがなければデフォルトの設定値を利用するのがおすすめです。
Trading ViewでもMT4・MT5でもデフォルトとして「14」期間が設定されています。
インジケーターを利用する際、特定の期間が必ずしも正確に機能するわけではないので、期間を調整するよりも、そのインジケーターを如何に上手に活用するかが重要です。
類似・派生インジケーターとの比較
DMIに類似しているインジゲーターATRや、DMIから派生したインジゲーターADXRがあります。
この2つのインジゲーターの特徴を分かりやすく解説しておきますね。
ATR~機能が類似しているインジケーター
ATR(Average True Range)というテクニカル指標は、多くの海外のトレーダーにとってはお馴染みのものですが、日本ではまだその存在が広く知られていないかもしれません。
この指標は、特にFXの相場の過熱感、つまり市場が過度に買われているか、または売られているかを示すツールとして設計されていて、この点にトレンドの勢いを示すADXと共通性が見られます。
ATRは主にボラティリティ、すなわち価格の変動幅や動きの激しさを示す指標として使用されています。
ATRの動きを読み取る際の基本的な判断方法は以下の通りです。
ATRの数値が上昇している場合、新しいトレンドが発生している可能性が高まります。
一方、ATRが一定の水準で安定しているときは、そのトレンドが継続していることを示唆しています。
そして、ATRの数値が下落している場合は、トレンドが終息しつつあることを意味します。
しかし、ATRを利用する上での重要な注意点として、この指標は単純に価格の動きの平均を示すだけであり具体的な売買のタイミングや方向性を直接示してはいない点に注意してください。
ATR(Average True Range)
- ATRは「Average True Range」の略で、価格の変動幅を測るテクニカル指標です。
- 世界の多くのトレーダーには馴染み深いものの、日本ではあまり知られていないかもしれません。
- 主にFX取引で活用され、市場がどれだけ活発か、または静かかを判断するのに役立ちます。
【ATR特徴と基本的な解釈方法】
- ATRの数値が上がっているときは、新しいトレンドが始まる可能性があります。
- 数値が安定しているときは、既存のトレンドが続いていることを示します。
- 数値が下がっているときは、トレンドが弱まっている可能性があります。
【注意点】
- ATRは価格の動きの平均を示しているだけなので、具体的な売り買いのタイミングや方向を直接示すものではありません。
- 市場の過熱感を感じるツールとして活用できますが、使用する際は他の指標と組み合わせるとより効果的です。
ADXR~派生する指標
DMIのインジケーターには、ADXの他にADXRという指標が含まれることがあります。
これらはともに、トレンドの強弱やその方向性を判断する際の重要なツールです。
ADXは前述の通りトレンドの強さを示す指標ですが、ADXRはADXの平滑化バージョンで、短期的な市場の動きに影響されにくい特性を持っています。
ADXRは、ADXの平均を表す移動平均線としての役割を果たします。
これにより、ADXで短期的な相場の流れを確認する一方、ADXRを用いることで長期的な相場の流れも把握することが可能になります。
ADXRの具体的な使い方を見ると、上向きの場合は長期的な上昇トレンドが継続中であることを示し、下向きの場合は長い下降トレンドが継続中であることを示しています。
また、ADXとの関係性では、ゴールデンクロスが現れた場合は上昇トレンドのサイン、デッドクロスが現れた場合は下降トレンドのサインとなります。
ADXRはその特性上、ADXよりも反応が遅れることが特徴的です。
そのため、ADXRを最大限に活用するには、他の指標と組み合わせて使用するのがベストとされています。
ADXR
- ADXRは、DMIの指標の一つで、トレンドの強さや方向を理解するのに役立ちます。
- ADXはトレンドの強さを示し、ADXRはその平滑化されたバージョンです。
- ADXRは短期的な市場の変動に影響されにくい特徴があります。
- これは、ADXの移動平均線として機能し、長期的な市場の動きを捉えるのに適しています。
【具体的な使い方と関係性】
- ADXRが上昇しているときは、長期的な上昇トレンドが続いている可能性があります。
- ADXRが下降しているときは、長期的な下降トレンドが続いている可能性があります。
- ADXとのクロスは重要なサインとなり、ゴールデンクロスは上昇トレンド、デッドクロスは下降トレンドを示します。
【注意点と最適な使用法】
- ADXRはADXよりも反応が遅いため、他の指標と組み合わせて使用すると効果的です。
このようにリライトすることで、ADXRがどのような指標であり、どのように使うべきかがより分かりやすく説明されています。
DMI使用時の注意点
最後にDMIを使用する上での注意点を解説しておきます。
大きく2点あります。
- レンジ相場の対策
- 効果的なパラメーター設定の考え方
それえは、ひとつずつ解説していきますね。
レンジ相場の対策
もみ合い相場になると画像のように+DIと-DIが何度も絡み合うので、エントリーのタイミングがとれないので、トレードは回避します。
また、+DIと-DIがクロスしてもADXの反応が弱ければ強いトレンドではないのでここでもエントリーを避けましょう。
ADXを確認することでダマシを避けることができます。
DMIはトレンド相場向きのテクニカルですので、主にADXの数値が高いときが狙い目ですが、裏を返せば、ADXの低いレンジ相場ではこのテクニカルはなかなか効果を発揮しにくくなります。
ですので、DMIを元にして無理にエントリーをせず、RSIなど他のレンジ相場に強いテクニカル指標でカバーしていくのが無難でしょう。
効果的なパラメータ設定の考え方
DMIのパラメーター設定は、特にこだわりがなければデフォルトのままでよいのですが、一般的にはインジケーターの設定がトレードの成功率や精度を大きく左右する要因の一つにもなります。
習得度が高まり、設定値を自分のトレードスタイルに対してパラメーターを最適化できるようになれば、相場の動きをより正確に捉え、トレードのチャンスを最大化することができます。
以下に、DMIの効果的なパラメーター設定についての考え方をまとめました。
DMIの基準値の選び方
一般的には、多くの場合デフォルトとされる14が推奨される基準値です。
一方、9という設定値を使用するトレーダーもいますが、個人的な意見として、9は値動きにやや敏感過ぎる可能性があります。
しかし、RSIの設定値を9に合わせる場合は、DMIの設定値も9として統一するのが良いと考えられます。
ADXの適切な設定値
ADX単独使用の場合は、9の設定値が推奨されることが多いです。(Trading Viewではこの指標を単独で表示・操作できるインジがあります)
これは、ADXが比較的ゆっくりと動く性質を持っているため、9の設定値を使用することでトレンドの転換を早く感知できるからです。
ただし、9の設定値では、誤ったサインが増える可能性があるため、注意が必要です。
もし自分で設定値を選ぶ場合は、自身のトレードスタイルやリスク許容度に合わせて適切に選択することが大切です。継続的なテストや検証を行い、最適な設定値を見つけ出してください。
DMIのまとめ
DMIは、トレンドの強弱や方向性を判断するためのテクニカル指標
【特徴】
- トレンド相場向き
- 3つのライン(+DI、-DI、ADX)からなる
- +DIと-DIの交差でトレンドの転換を判断する
【使い方】
- +DIが-DIを上回ると上昇トレンドサイン
- -DIが+DIを上回ると下降トレンドサイン
- ADXが20~30突破でトレンド発生
【注意点】
- レンジ相場では誤ったサインが出やすいのでトレードを避けるか、RSIなどを使用
- トレンド相場を狙う場合でも、単独では判断せず他のインジケーターなどを併用
コメントを残す