- ストキャスティクスの見方や使い方をマスターしたい
- ストキャスティクスの手法を学びたい
- 絶妙なタイミングでエントリーしたい
ストキャスティクスは、どのようなプラットフォームにも実装されている超有名なオシレーター系インジケーターです。
エントリータイミングを的確に知らせてくれるので、多くのトレーダーに重宝されています。
私がお世話になったプロトレーダーの方も唯一『ストキャスティクス』だけはチャートに設定していまた。
この記事では、ストキャスティクスの基本から応用まで完全解説しています。
さらに、
- ストキャスティクスの見方と使い方
- ストキャスティクスの計算式
- スロー・ストキャスティクスとストキャスティクスの最強設定
- ストキャスティクスの実践的な使い方と手法
を分かりやすく解説しています。
ストキャスティクスを使いこなせるようになると、絶妙なタイミングでエントリーすることができるようになります。
そのことによって、今まで以上に損小利大を実現させることができます。
この記事があなたのトレードレベルの向上の向上のお役に立てれば幸いです。
目次
ストキャスティクスとは?|基本的な計算式と使い方
ストキャスティクスは、テクニカル分析におけるオシレーター系の指標で、市場の「売られすぎ」や「買われすぎ」を判断する上で非常に有効です。
ストキャスティクスは、特にトレンドに依存しないレンジ相場で役立ち、RSI(相対力指数)に似た機能を持ちますが、分析には2本の線を使用する点が異なります。
まずはじめに、ストキャスティクスの基本について解説しますね。
初心者でも理解できるストキャスティクスの見方と使い方
ストキャスティクスの見方
- 数値範囲
- ストキャスティクスは0%から100%の範囲で価格の位置を示す。
- 価格位置の反映
- 特定期間内の最高値と最安値に対する現在の価格の位置を数値で反映する。
- 「買われすぎ」シグナル
- 価格が一定期間の最高値に近づくほど、指標は100%に近づき「買われすぎ」を示します。
- 「売られすぎ」シグナル
- 価格が一定期間の最安値に近づくほど、指標は0%に近づき「売られすぎ」を示します。
- シグナルの使い方
- 相場の反転ポイントを見極めることが可能で、逆張り戦略に適している。
ストキャスティクスは、0%から100%の範囲で価格の位置を示す数値を提供します。
これらの数値は、特定期間内の最高値と最安値に対する現在の価格の位置を反映しています。
価格がその期間の最高値に近づくほど、指標は100%に近づき「買われすぎ」を示します。
逆に、価格が最安値に近づくほど、指標は0%に近づき「売られすぎ」を示します。
この指標を通じて、市場の反転ポイントを見極めることができるため、逆張り戦略において重宝されます。
シンプルな構成のインジケーターのため、初心者の方々にとっても、非常に使いやすいテクニカル指標になっています。
簡潔に言えば、ストキャスティクスは市場の極端な状態を捉え、価格が反転する可能性のあるポイントを示唆するためのインジケーターです。
ストキャスティクスの計算式
次に、ストキャスティクスの計算方法について解説してますね。
まずは、ストキャスティクスを構成する3つの指標である『%K、%D、Slow%D』の成り立ちを押さえましょう。
まずは、実際のストキャスティクスを確認しましょう。
ストキャスティクスは、基本的に「%K」と「%D」の2本の曲線で表示されます。
それでは、具体的に「%K」と「%D」の意味と計算式について分かりやすく解説していきますね。
テクニカル指標は、計算式の理解より使い方の理解の方が大切です。
計算式が理解できなくても問題ありません。
ストキャスティクスの「%K」
「%K」が示す数値は『直近の特定の期間で、今現在の価格がどれくらい高いのかまたは安いのか』です。
%Kの計算方法
(n期間の%K)
%K={(直近価格ー過去n期間の最安値)÷(過去n期間の最高値ー過去n期間の最安値)}×100%
%Kの特徴
%Kは一定期間の中で、
- 現在価格が最も高ければ100%になる。
- 現在価格が最も安ければ0%になる。
- 上昇トレンドであれば80%を上回る
- 下落トレンドにあれば、20%を下回る
上記が目安になります。
また、設定期間が狭ければ狭いほど0%、100%になりやすくなります。
ストキャスティクスの「%D」
%Dは、簡単に説明すると%Kの移動平均線です。
単純移動平均線化しています。
これは、%Kの最新の価格変動に対する反応を滑らかにしているということです。
そのことによって、%Dは%Kの動きを平滑化し、信頼性の高い指標を示します。
%Dの計算方法
(A期間の%D)
%D = (期間1の%K + 期間2の%K +… 期間Aの%K) ÷ A
【例)3日間の場合の%D】
- A期間=3日間
- (初日の%K+2日目の%K+3日目の%K)÷3
Slow%D(S%D)
後に解説するスロー・ストキャスティクスにおける%Dをここで解説しておきます。
スロー・ストキャスティクスは少しだけややこしくなります。
スロー・ストキャスティクスは、%Dとslow%Dの2本の曲線で表示されます。
スロー・ストキャスティクスの%Dは、「Slow%K(スローパーセントK)」と呼ぶこともあります。
Slow%Dは、Slow%Kを移動平均化したもの(つまり、%Kを移動平均化して、さらにそれを移動平均化したもの)です。
slow%Dの計算方法
(B期間のslow%D)
Slow%D(S%D) =(期間1のSlow%K+期間2 のSlow%K+…+期間BのSlow%K)÷B
なお、Slow%K=%D
具体的には、B期間のSlow%Kの値を合計し、その合計をBで割ることで計算されます。
2種類のストキャスティクス
ストキャスティクス指標は、各FX業者のチャートによって2本表示や3表示など、異なる表示方法があります。
一般的には先述の%K、%D、S%Dの3本の線で表示されることが多いですが、ストキャスティクスは、大きく分けると「ファスト・ストキャスティクス」と「スロー・ストキャスティクス」の2種類に分類されます。
ファスト・ストキャスティクス
ファスト・ストキャスティクスは、『%K』と『%D』の2本の線を用いて分析します。
このタイプは売買のサインが早く出る傾向がありますが、その反面、誤ったサイン(ダマシ)が発生しやすいというデメリットがあります。
スロー・ストキャスティクス
スロー・ストキャスティクスは、『%D』と『Slow%D(S%D)』の2本の線を用いた分析方法です。
ファスト・ストキャスティクスと比較して、売買のサインの出現が価格変動に対して遅れる傾向がありますが、その分ダマシの発生が少なく、安定したトレンド指標だと言えます。
実際に、ファスト・ストキャスティクスとスロー・ストキャスティクスを比較してみましょう。
それでは、以下のチャーをご覧ください。
ファスト・ストキャスティクスとスロー・ストキャスティクスの違いは、チャート上での動き方にも顕著に表れています。
上のチャートのように拡大してみるとスロー・ストキャスティクスはファスト・ストキャスティクスより緩やかに動くことが観察できますよね。
スロー・ストキャスティクスの方が、安定したサインを提供しているので多くのトレーダーに使用されています。
ストキャスティクスのおすすめ最強設定
ストキャスティクスの分類とそれぞれの指標の推奨される設定値について詳しく説明します。
ファスト・ストキャスティクスとスロー・ストキャスティクスの最適な設定値
ファスト・ストキャスティクスとスロー・ストキャスティクスは、それぞれ異なる特性を持つため、それぞれの設定値も異なります。
- ファスト・ストキャスティクスは市場の短期の動きを捉えるために使用されます。
- スロー・ストキャスティクスはより長期的な動きを捉えるために使用されます。
ストキャスティクスの推奨される最強設定値とその理由
ファスト・ストキャスティクス
一般的には、%Kの期間は「14」(または「5」「9」)、%Dの期間は「3」が標準とされます。
特に「14」期間の高値・低値範囲を基にした%Kがよく用いられています。
日足で言えば約2週間(0.5か月分)に相当し、市場の短期的な動きを捉えるのに適しているためです。
FXの場合は同一のポジションを日足チャートメインのトレードで、しかも2週間も持ち続けることはあまり多くはないかもしれません。
ストキャスティクス自体レスポンスがかなり速いので、少なくとも慣れるまではこの数値「14」を使っておくことがおすすめです。
%Dの期間を「3」に設定するのは、%Kの動きを平滑化し、シグナルの品質を高めるためです。
ストキャスティクスおすすめ設定値
- 5・3・3
- 9・3・3
- 14・3・3(おすすめ)
スロー・ストキャスティクス
スロー・ストキャスティクスの設定では、一般的に%Dの期間を「3」、Slow%Dの期間を「3」とします。
先述の通り%Dはファスト・ストキャスティクスの%Kを平滑化したものとし、さらにその%Dを平滑化してSlow%Dを作ります。
この二重の平滑化により、より安定したトレンドを示し、誤ったサイン(ダマシ)の発生を減らすことができます。
スロー・ストキャスティクスもファスト・ストキャスティクスと同様のパラメーターで問題ありません。
スローストキャスティクスおすすめ設定値
- 5・3・3
- 9・3・3
- 14・3・3(おすすめ)
パラメーターは、ファスト・ストキャスティクスと同様。
ストキャスティクスの設定の注意点
パラメーターの設定は、それぞれのストキャスティクスが相場の動きをどのように捉えるかに基づいています。
ファスト・ストキャスティクスはより敏感で短期的な動きを捉え、スロー・ストキャスティクスはより安定して長期的な動きを捉えるように設計されています。
もちろん、これらの設定値は固定されたものではありません。
トレーダーは自分の取引スタイルや市場状況に応じて、これらの設定値を調整することが必要です。
例えば、より短期的な動きに注目したい場合は、%Kの期間や%Dの期間を短くすることで、ストキャスティクスの反応を早くすることができます。
逆に、より長期的な動きに注目したい場合は、%Kの期間や%Dの期間を長くすることで、ストキャスティクスの反応を遅くすることができます。
A・Bについては「3」以外の数値を使うトレーダーがほとんどいないので、ストキャスで変更する余地のあるパラメーターは実質的には先述のnのみです。
「14」か「5」「9」が初期設定されている場合が多いですが、おすすめは先ほど述べたとおり「14」です。
設定値を変更する場合は、設定値を短くしすぎるとストキャスティクスが価格のブレに敏感に反応しすぎて誤ったサイン(ダマシ)が発生しやすくなります。
逆に設定値を長くしすぎると、ストキャスティクスが価格の変化に遅れて反応しすぎて有効なサインを見逃しやすくなります。
そのため、変更する場合は、自分のトレードスタイルや手法に合わせて、検証を通じて適切なパラメーターを見つけてくださいね。
なお、この記事では特に断りのない限りはスロー・ストキャスティクスを使用し、n=14, A・B=3(14・3・3)の設定で解説しています。
ストキャスティクスの使い方
ストキャスティクスのトレードでの使用法の基礎から応用まで、わかりやすく解説していきます。
売買シグナルの見極め方
ストキャスティクスは、レンジ相場の反転ポイントを見極め、逆張りトレードを狙う戦略に効果的です。
ストキャスティクスは80%以上を「買われすぎ」、20%以下を「売られすぎ」として表しています。
とはいっても、毎回それだけでエントリーするわけではありません。
この領域にストキャスが入ってくることは頻繁にあるので、あくまでも一つの目安にすぎません。
仮にストキャスだけでトレードポイントを考えるにしても、エントリーするには以下の条件が必要です。
ファスト・ストキャスティクスの売買シグナル
%Kと%Dの2つのラインのクロス点を売買シグナルとして活用します。
80%以上の「買われすぎ」ゾーンで%Kが%Dを上から下に抜くデッドクロスが発生した場合、売りシグナルとなります。
一方、20%以下の「売られすぎ」ゾーンで%Kが%Dを下から上に抜くゴールデンクロスが発生した場合は、買いシグナルとなります。
スロー・ストキャスティクスの売買シグナル
%DとSlow%Dの2つのラインのクロスポイントを売買シグナルとして活用します。
基本的にはファスト・ストキャスティクスと同じです。
80%以上の「買われすぎ」ゾーンで%DがSlow%Dを上から下に抜けるデッドクロスは売りシグナルとなります。
20%以下の「売られすぎ」ゾーンで%DがSlow%Dを下から上に抜けるゴールデンクロスは買いシグナルとなります。
- ファスト・ストキャスティクスの売買シグナル
- 売買シグナルは%Kと%Dの2つのラインがクロス
- 80%以上の「買われすぎ」ゾーンで%Kが%Dを上から下へとクロスするデッドクロスが売りシグナルとなる
- 20%以下の「売られすぎ」ゾーンで%Kが%Dを下から上へとクロスするゴールデンクロスが買いシグナルとなる
- スロー・ストキャスティクスの売買シグナル
- 売買シグナルは%DとSlow%Dの2つのラインのクロス
- スロー・ストキャスティクスもファスト・ストキャスティクスと基本的には同じ
- 80%以上の「買われすぎ」ゾーンで%DがSlow%Dを上から下へとクロスするデッドクロスは売りシグナルとなる
- 20%以下の「売られすぎ」ゾーンで%DがSlow%Dを下から上へとクロスするゴールデンクロスは買いシグナルとなる
このように、両ストキャスティクス指標は「買われすぎ」または「売られすぎ」ゾーンでのラインのクロスポイントを売買のシグナルとして利用します。
ストキャスティクスのダイバージェンスを利用した売買シグナル
ストキャスティクスを使ったもう一つの重要な売買シグナルは、ダイバージェンスを利用した売買シグナルです。
ダイバージェンスとは
ダイバージェンスとは、オシレーターと価格の逆行現象のことです。
ダイバージェンスは価格の動きと指標の動きが逆行します。
ダイバージェンスを見極めることで、反転ポイントを早期に予測することができます。
上のチャートでは価格が上昇を続けているのに対して、ストキャスティクスは買われすぎ圏に戻ってもその頂点が下降し続けていますね。
その後価格も下降を始めます。
このように、価格が新しい高値や安値を記録しているにもかかわらず、ストキャスティクスがそれを反映していない場合、相場に反転の可能性が高まっていることを事前に示唆してくれます。
個人的に、オシレーターのダイバージェンスは、ストキャスティクスが最も発見しやすいテクニカル指標だと思います。
強いトレンド時のストキャスティクスの挙動と対処法
ストキャスティクスはレンジ相場での逆張り手法で用いるのが原則ですが、トレンド順張り手法でも有効に利用できます。
その方法を解説していきます。
まず、ストキャスティクスはオシレーター系のインジケーターですが、トレンド順張り戦略では、欠点を補うためにトレンド系インジケーターである移動平均線(短期長期の2本)もあわせて使用します。
基本的なルールは次の通りになります。
- 2本移動平均線同士、ストキャスティクスの%DとSlow%D(ファストなら%Kと%D)がともにゴールデンクロスをしたらロングエントリー
- 決済はストキャスティクスがデッドクロスをしたとき(押し目・戻りを狙うイメージでのエントリー)
【強いトレンド時のトレード例】
上のチャートを見ながら解説を読み進めて下さい。
- チャート設定
- 青=20日指数移動平均線(20EMA)
- オレンジ=50日指数移動平均線(50EMA)
- ゴールデンクロスの確認
- ① ストキャスティクスによるゴールデンクロスの確認
- ② 移動平均線(20EMAと50EMA)によるゴールデンクロスの確認
- トレード実行
- ストキャスティクスと移動平均線のゴールデンクロスを確認したので、②´買いエントリーを実行
- 決済
- ③ ストキャスティクスによるデッドクロスが生じたことを確認
- ③′ そのデッドクロスを受けて、+140pipsの利益で決済
- ストキャスティクスの特性
- ストキャスティクスは反応が早く、ダマシに対しても素早く元の方向に回帰するため、エントリー後の判断ミスやトレード失敗を早期に察知し、損失を最小限に抑える助けとなります。
また、価格の上昇の勢いが弱まってきているように見えてもストキャスティクスがまだデッドクロスしていない場合は、上昇トレンドが依然として継続していると判断できます。
また、デットクロスしていても、上のチャートのようにストキャスティクスが80%以上のエリアまたはその近辺に張り付いている場合、強い上昇トレンドが継続中であって決済にはまだ早いと判断することも可能です。
実例で学ぶストキャスティクスのパラメーター最強設定を検証
ここでは、まずストキャスティクスの設定値をカスタマイズしたらチャートにどのような変化が見られるのかを確認します。
ストキャスティクスの設定値については前半で説明した通り、%K・%D・Slow%Dにそれぞれおすすめパラメーターがありました(この記事ではそれぞれ、n・A・Bと表しました)。
そして、A・Bについては「3」以外はほとんど使われず、カスタマイズする余地のあるのは「n」のみです。
代表的な数値は、(5・9・14)のいずれかが使われていることも解説しましたね。
そこで、実際チャート上で、n=5・9・14の違いを確認して、どのパラメーターが適切なのかを確認していきましょう。
ストキャスティクス設定値検証|例①
これはUSD/JPYの15分足チャートです。
スロー・ストキャスティクスが3つ表示されていますが上から(5・9・14)の順に表示されています。
先述の通り数値が小さければ小さいほど敏感に反応しているのが見てわかると思います。
それでは、縦のピンクの点線部をご覧ください。
この場面、下降をとらえることができれば、売りエントリーで大きな利益が見込めますね。
n=14のみが、買われすぎ80パーセントエリアにありますので、上手くタイミングを計ることができています。
それに比べて、n=5・9は下降時点ですでに50%強のところまで下降してしまっており、ストキャスティクスの反応速度が速すぎるということが確認できます。
ストキャスティクス設定値検証|例②
このチャートはEUR/USDの15分足です。
こちらもスロー・ストキャスティクスが表示されています。
縦のピンクの点線部をごらんください。
移動平均線は上昇傾向を示しています。
よって、上昇トレンド中で基本的には買いエントリーチャンスの出現を狙うべきポイントです。
ところがn=5・9だと反応が強すぎて、買われすぎが点灯しています。
特にん=5では売りのチャンスと誤解しやすそうです。
一方でn=14ではおよそ50%の位置にあるので、間違った早期エントリーを防ぐことができます。
ストキャスティクス設定値検証|例③
最後の例はXAU/USDの4時間足チャートでスロー・ストキャスティクスを表示しています。
緑色のマルは、売られすぎエリアからの上昇タイミングを表しています。
売られ過ぎゾーンで上手くタイミングが計れているのは、n=14のみです。
しかし、紫の斜めラインをご覧ください。
この線は、ストキャスティクスのダイバージェンスです。
ダイバージェンスがはっきりしているのは、n=5・9ですね。
n=14だと、ダイバージェンスをはっきりと読み取ることはできません。
このように、相場の動き方やトレードスタイルによっては敏感な反応が好ましいこともあります。
ストキャスティクスのパラメーター検証まとめ
- エントリー判断の多様性
- ストキャスティクス単独でのエントリー判断を避ける。
- 他のインジケーターと組み合わせることで、ストキャスティクスの過敏な値動きを補う。
- 反応速度と強度の問題
- n=5やn=9の設定では、反応速度が速すぎたり、反応が強すぎると考えられる。
- 一般的な設定の推奨
- n=14の設定が多く使用され、適切な反応速度と強度を提供すると考えられる。
- この記事では、その他の数値設定よりもn=14を推奨する。
MT4/MT5とTrading Viewでの設定方法
MT4/5とTrading Viewの設定方法を解説します。
どちらもファスト・ストキャスティクス及びスロー・ストキャスティクスに設定するにはどうしたらいいのかがわかりにくいので、少し注意が必要です。
ストキャスティクスの設定方法|MT4・MT5の場合
- チャート上部メニュー
- チャート上部メニューの「挿入」をクリック。
- インジケーターの選択
- 「インジケーター」を選び、次に進む。
- オシレーターの選択
- 「オシレーター」をクリック。
- Stochastic Oscillatorの選択
- 表示されるリストから「Stochastic Oscillator」を選択。
- インジケーター設定ウインドウ
- 「Stochastic Oscillator」のインジケーター設定ウインドウが表示される。
- インジケーターの追加確定
- 設定ウインドウで「OK」をクリックし、インジケーターをチャートに追加。
以下のようにストキャスティクスがチャートに表示されます。
ここで、1点注意が必要です。
次の画像はパラメーター画面です。
デフォルトの設定だと%D・Slow%Dが表示されています。
Slow%Dを[3]に変更しておきましょう。
なお、ファスト・ストキャスティクスを使用するときは、設定のパラメーターウィンドウで「スローイング」を[1]にします
ストキャスティクスの設定方法|Trading Viewの場合
- インジケーターの選択
- チャート上部のヘッダーから「インジケーター」をクリックします。
- インジケーターの検索
- 検索ボックスに「STOCH」または「ストキャスティクス」と入力します。
- インジケーターの追加
- 表示された「STOCH(ストキャスティクス)」をクリックすると、チャートにストキャスティクスが表示されます。
- 設定の調整
- デフォルト設定では%K Smoothingの期間が「1」に設定されており、これはファスト・ストキャスティクスを意味します。
- %K Smoothingの期間を「3」に変更することで、スロー・ストキャスティクスに設定変更することができます。
ストキャスティクスの実践的な使い方とトレード戦略
このチャートはUSD/CADの日足です。
環境認識からエントリーセットまでを解説していきますね。
- トレンドの状況
- 直近は、長期間にわたる下降トレンドが続いている。
- 重要な水平線(ラウンドナンバー)に接近
- 日足レベルで意識され、過去に何度も反発しているラウンドナンバー1.25000に価格が近づいてきている。
- ストキャスティクスの状況
- 売られすぎエリア内でダイバージェンスを示しているので買いエントリーを検討。
- 時間枠の変更
- 1時間足にチャートを切り替えて、さらに詳しい反転分析をする。
- エントリー準備
- 反転が確認できた場合、トレンド転換を期待して逆張りでのエントリー準備に入る。
このように、長期の下降トレンドの中で反転の可能性を見極めていきます。
適切なタイミングで逆張りエントリーをするために、重要な水平線の接近や、ストキャスティクス指標のダイバージェンスを利用します。
さらに、ストキャスティクスだけシグナルに頼るのではなく、精度の高いトレードを行うために、より小さい時間枠でエントリーポイントを絞り込んでいきます。
それでは、以下のチャートをご覧ください。
下位足の詳しい分析からエントリー、リスク管理まで解説していきますね。
- ストキャスティクスの状況確認
- 1時間足でストキャスティクスは売られすぎエリアからの上昇とダイバージェンスを示しました。
- ダイバージェンス後に、ゴールデンクロスを確認。
- プライスアクションアクションの分析
- 1時間足チャートはダブルボトムを形成。
- 移動平均線2本がゴールデンクロスで上昇転換。
- その後、ネックラインでロールリバーサルが発生したのでエントリー検討。
- エントリーポイントの確定
- 上記の条件が揃ったため、買いエントリーを実行します。
- リスク管理
- 損切りラインは直近の最安値に設定。
- より保守的なアプローチを取る場合は、サポートラインの1.25000に設定することも可能。
- 利益確定戦略
- 利確ラインはリスクリワード比(RR比)1:1のラインに設定。
- エントリー環境が好条件ですので、分割決済を行いながら利確ラインをより高く設定することも検討できます。
このように、上位足でストキャスティクス分析を行った後、下位足である1時間足で詳細に分析する必要があります。
1時間足では、テクニカル指標の分析、価格アクションの確認、そしてそれに基づいたトレードのエントリーとリスク・リワード管理を戦略的に行うことで、トレードの精度がグンッと上がります。
それでは、その後のチャートを確認してみましょう。
上位足と下位足でエントリー根拠が重複したので、価格は大きく上昇しました。
他のインジケーターと組み合わせたストキャスティクスの利用方法
ストキャスティクスを使用する場合も、単独で使わず他のインジケーターと組み合わせて使った方がより精度の高いトレードが実現できます。
ここでは他のインジケーターとストキャスティクスの併用例を4つご紹介します。
ストキャスティクスとMACDの組み合わせ方
MACDとストキャスティクスを組み合わせたトレード手法は、実にシンプルなアプローチで、書籍などでもよく目にする王道的手法です。
ストキャスティクスとMACDを組み合わせたトレード手順
- 方向性の確認
- 大きな市場の方向性はMACDを使用して確認します。
- エントリータイミングの特定
- エントリーのタイミングは、MACDが示す市場の方向とストキャスティクスが同じ方向を示したときに特定します。
- 買いエントリー
- MACDがゴールデンクロスしており、ストキャスティクスが20以下から上昇してゴールデンクロスするタイミングで買いエントリーします。
- 売りエントリー
- MACDがデッドクロスしている時に、ストキャスティクスが80以上から下落してデッドクロスするタイミングで売りエントリーします。
- 取引の確実性の向上
- ストキャスティクスが提供する「80以上・20以下」という明確な数値基準により、取引の確実性が向上します。
- エントリーチャンスの限定性
- 理想的なエントリーチャンスが少ない可能性があるという欠点があります。
- 決済戦略
- 買いポジションはストキャスティクスのデッドクロスで、売りポジションはゴールデンクロスで決済します。
- 戦略のメリット
- MACDで大きなトレンドを把握し、ストキャスティクスのクロスでエントリーや決済のタイミングを精密に調整できる点がメリットです。
大きな方向性の確認にはMACDを使用し、細かいタイミングは、ストキャスティクスがMACDと同じ方向を示すポイントでエントリーします。
基本的には、MACDを利用して市場が買いか売りかを判断し、ストキャスティクスでエントリーの適切なタイミングを見つけます。
買いエントリーのタイミングを見極めるには、MACDがゴールデンクロスしている状態で、ストキャスティクスが20以下またはその近辺から上昇し、ゴールデンクロスするタイミングで買いエントリーします。
逆に、MACDがデッドクロスしている時にストキャスティクスが80以上から下落し、デッドクロスするタイミングで売りエントリーします。
メリットは、ストキャスティクスが「80以上・20以下」という明確な数値を基にしており、これにより取引の確実性が高まります。
しかし、エントリーチャンスがなかなか巡ってこない場合があるという大きな欠点も存在します。
エントリーのタイミングを見極めた後、決済方法は主にストキャスティクスのクロスを利用します。
買いポジションではストキャスティクスのデッドクロスで、売りポジションではゴールデンクロスで決済することが一般的です。
MACDとストキャスティクスを組み合わせることのメリットは、大きな方向性をMACDで把握し、ストキャスティクスのクロスでエントリーや決済のタイミングを精密に調整できる点です。
特に、押し目や戻りでのエントリーを自然に行うことができ、これはトレードにおいて大きな利点となります。
しかし、デメリットとしては、オシレーターを利用するためにエントリーと決済のタイミングが遅れがちになり、比較的大きなトレンドが発生しない場合には利益を出しにくい点が挙げられます。
ストキャスティクスとRSIとの組み合わせ方
RSIもとストキャスティクスと同じく、市場の「買われすぎ」や「売られすぎ」を示すオシレーター指標ですので、オシレーター同士を併用することはあまりありません。
しかし、それぞれの指標の注目するポイントは異なります。
ストキャスティクスが最高値と最低値に焦点を当てるのに対し、RSIは一定期間内の価格の上昇幅と下落幅のバランスを重視します。
この違いにより、ストキャスティクスは短期的な取引に、RSIはより長い期間を見据えたスイングトレードに適していると言えます。
両指標を組み合わせることで、市場のトレンドが長期から短期にかけてどのように変化しているかを詳細に把握することができます。
ストキャスティクスとRSIを組み合わせたトレード手順
- 売買タイミングの基準
- RSIが70を超えると売られすぎ(過熱)、30を下回ると買われすぎ(過小評価)と判断。
- ストキャスティクスが80を超えると買われすぎ、20を下回ると売られすぎと判断。
- 売りエントリーの検討
- RSIが70を超え、かつストキャスティクスが80を超えた時に売りエントリーを検討。
- 買いエントリーの準備
- RSIが30未満、かつストキャスティクスが20未満になった時に買いエントリーを準備。
- エントリー精度の向上
- 価格動きと指標のダイバージェンスがあれば、エントリー精度が高まる。
- 決済方法
- MACDの場合と同様に、ストキャスティクスのクロスを利用して決済。
- 買いポジションではストキャスティクスのデッドクロス、売りポジションではゴールデンクロスで決済。
売買のタイミングは、両指標の基準値を超えた時点で判断されます。
具体的には、RSIが70を超えると売られすぎ、30を下回ると買われすぎとみなされます。
一方、ストキャスティクスでは80を超えると買われすぎ、20を下回ると売られすぎのサインです。
売りエントリーは、RSIが70を超え、ストキャスティクスが80を超えた時点で検討します。
逆に、買いエントリーは、RSIが30未満、ストキャスティクスが20未満になった時に準備します。
価格の動きに対してダイバージェンスがあればエントリー精度が高まります。
上のチャートでは極めてハッキリというわけではないものの、ストキャスティクス・RSIともにダイバージェンスになり、その後価格は上昇していますね。
決済方法はMACDの場合と同じで、ストキャスティクスのクロスを利用します。
買いポジションではストキャスティクスのデッドクロスで、売りポジションではゴールデンクロスで決済します。
この手順に従うことで、大底や大天井を正確に分析し、的確な反転のタイミングでポジションを持つことができます。
ストキャスティクスとボリンジャーバンドの組み合わせ方
ボリンジャーバンドとストキャスティクスを使ったレンジ逆張り戦略を解説します。
レンジ相場の代表格であるボックスレンジでトレードします。
ボックスレンジとは、価格がともに一定のレジスタンスラインとサポートラインの間の狭い範囲で動く状態のことを指します。
この範囲内で、ボリンジャーバンドとストキャスティクスのシグナルが合致する点でのトレードが非常に効果的です。
この方法はボリンジャーバンドの標準的な使用法とは異なりますが、ストキャスティクスと組み合わせることで、ルールを厳守すれば勝率を大幅に向上させることが可能です。
ストキャスティクスとボリンジャーバンドを組み合わせたトレード手順
- レンジの確認
- 価格がレンジの上限または下限付近に位置していること(チャート①)。
- ボリンジャーバンドとの関係
- 直近でボリンジャーバンドの±2σに価格がタッチしていること(②)。
- ストキャスティクスの状態
- ストキャスティクスが売られすぎエリア(20%以下)または買われすぎエリア(80%以上)、またはその近辺にあること(③)。
- ストキャスティクスのクロス
- ストキャスティクスでゴールデンクロスまたはデッドクロスが発生すること(④)。
- エントリーの実行
- 上記の条件に沿ってエントリーを行うことで、精度の高い取引が期待できる。
- 決済方法
- 原則として、ストキャスティクスが逆側の売られすぎ・買われすぎエリアに達した時に決済を行う。
- 値動きが小さくなった場合は、ボリンジャーバンドのミドルバンド到達時点での決済を目安にする。
- リスク管理
- 価格が実体で水平線を抜けたら即座に損切りを行う。
- 条件が満たされない場合はトレードを見送る。
1. 価格がレンジの上限または下限付近にある(チャート①)
2. 直近でボリンジャーバンドの±2σに価格がタッチしている(②)
3. ストキャスティクスが売られすぎ(20%以下)または買われすぎエリア(80%以上)、またはその近辺にある(③)
4. ストキャスティクスでゴールデンクロスまたはデッドクロスが発生する(④)
これらの条件の順に沿って④のエントリーで、精度の高い取引が可能となります。
決済は、原則としてストキャスティクスが逆側にある売られすぎ・買われすぎエリアに達した時点で行います。
途中、値動きが小さくなった場合はミドルバンド到達時点での決済を目安にすることもあります。
また、ボックスレンジは最終的にブレイクするため、以下の撤退ルールを徹底します
・実体が水平線を抜けたら即座に損切りを行う。
・両指標の条件が満たされない場合はトレードを見送る。
レンジトレードは、相場状況によって利益が取れる幅がそれぞれ異なります。
レンジトレードですので、欲を出して、利幅を大きく狙うのではなくレンジ内でトレードを完結させましょう。
ストキャスティクスとパラボリックの組み合わせ方
パラボリックとストキャスティクスを使用した逆張りトレード方法を紹介します。
トレードルールは以下の通りです。
ストキャスティクスとパラボリックを組み合わせたトレード手順
- 売りエントリーの条件
- パラボリックSARが売り示唆のシグナルを発生させた時。
- ストキャスティクスの2本のラインが買われすぎの80%エリアから下降し始めるのが一致または近接するポイントで売りエントリーを検討します。
- 買いエントリーの条件
- パラボリックSARが買いシグナルを発生させた時。
- ストキャスティクスが売られすぎの20%以下のエリアから上昇し始めるのが一致または近接するポイントで買いエントリーを行います。
- エントリーの見送り
- パラボリックSARとストキャスティクスが示すエントリーの方向性が異なる場合は、エントリーを見送ります。
- エグジット(決済)戦略
- ストキャスティクスがクロスするタイミングでポジションを閉じます。
- 推奨されるトレード時間枠
- 中長期のトレードに適しており、少なくとも4時間足のチャートでの使用をお勧め。
<h2>補足―トレーダー必見のおすすめFX業者とストキャスティクスのさらに深い理解</h2>
最後に、補足として、ストキャスティクスのツールが使いやすいFX業者と、ストキャスティクスに関連する指標をご案内します。
SRV-K・DとSRV-%K・%Dの設定値の違いとは?
最後に、少し応用になります。
SRV-K・SRV-Dはあまり知られてはいませんが、株式トレーダーの間では用いられることのある指標です。
SRVとはstochastics raw valueの略で、ストキャスティクスのことと考えていいです。
SRV-K・Dは次の式により導かれます。
覚える必要はないですが、ここで解説をしておきます。
SRV-K・Dの計算式
[C:直近の終値]
[Ln:過去n期間での最安値]
[Hn:過去n期間での最高値]
K = ((C – Ln) / (Hn – Ln))×100 (%)
SRV-K = (当日のKの値×1/3)+(前日のSRV-Kの値×2/3)
SRV-D = (当日のSRV-Kの値×1/3)+(前日のSRV-Dの値×2/3)
SRV-K・Dとは
SRV-Kは当日の%Kの値に1/3の重みを、前日のSRV-Kの値に2/3の重みを掛け合わせて計算されます。
これは%Kの変動を平滑化し、より信頼性の高いシグナルを提供することを目的としています。
一方、SRV-Dは、当日のSRV-Kの値に1/3の重みを、前日のSRV-Dの値に2/3の重みを掛け合わせて計算されます。
これはSRV-Kをさらに平滑化し、トレンドの方向性を示すシグナルとしての役割を持ちます。
要するに、SRV-K・Dは通常のストキャスティクスの%K・%Dよりもさらに平滑化された値を提供し、日々の価格変動のノイズをさらに減らしてトレンドに対するよりクリアなビューをトレーダーに提供することを目的としています。
一方普通のストキャスティクスは、特に短期のトレードにおいて、価格のモメンタムとトレンドの変化を捉えるために設計されています。
両者の比較のまとめ
普通のストキャスティクスである%K・%Dは市場の買われ過ぎや売られ過ぎを敏感に示し短期取引に適しています。
これに対し、SRV-K・Dはより緩やかに反応し、中長期の市場トレンドを把握するのに適していますが、買われ過ぎや売られ過ぎの判断が難しいという欠点があります。
よって、投資期間に応じて、これらの指標を選択して使用しましょう。
一般的に考えると、株式投資には後者も選択肢になりますが、FXには、超長期保持をするようなスタイルでない限り、普通のストキャスティクスのほうが向いていると考えられます。
ストキャスティクスの使い方のまとめ―トレードスキルを次のレベルへ
この記事を通じて、ストキャスティクスの全知識についてご紹介してきました。
まとめると以下のポイントが重要です。
- ストキャスティクス指標の概要
- 市場の「売られすぎ」や「買われすぎ」を判断する効果的なツール。
- 計算式
- %K、%D、Slow%Dは、ストキャスティクスを構成する主要な3つの計算式。
- ファスト・ストキャスティクスとスロー・ストキャスティクス
- ファスト・ストキャスティクスは短期的なトレードシグナルを提供。
- スロー・ストキャスティクスはより安定した長期的なトレンド指標を提供。
- 設定値の選択
- トレードスタイルや市場状況に応じた適切な設定値の選択が重要。
- 一般的に使われている設定値でのトレードをまずは推奨。
- 他のインジケーターとの組み合わせ
- ストキャスティクスの効果を他のインジケーターと組み合わせることで高めることが可能。
- 実践的なトレード戦略
- 売買シグナルの見極め方、ダイバージェンスの利用、強いトレンド時の対処法が挙げられる。
ストキャスティクスはトレーダーにとって強力なツールの一つであす。
この指標をマスターすることで、あなたのトレードスキルは次のレベルへと進化するでしょう。
もちろん他のインジケーターとの組み合わせや、他のテクニカル分析も併用することで、より精度の高いトレード戦略を構築することが可能になります。
今回の記事では設定値を一般的に使用されるものにしましたが、慣れてきたら自分のトレードスタイルに合わせた数値を試してみるのもいいでしょう。
この記事があなたのトレードレベルの向上の向上のお役に立てれば幸いです。
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