
『ダイバージェンス・ヒドゥンダイバージェンスってなに?』
『ダイバージェンス・ヒドゥンダイバージェンスを上手く活用したい!』
『ダイバージェンス・ヒドゥンダイバージェンスを使った手法をマスターしたい。』
基本的に、オシレーター系指標は「買われ過ぎ」や「売られ過ぎ」などの相場の過熱感を示唆してくれます。
しかし、オシレーター系指標は、過熱感だけでなく高確率で反転を示唆してくシグナルがあります。
それが
『ダイバージェンス』と『ヒドゥンダイバージェンス』
です。
この2つのシグナルは、世界中のトレーダーが注目してエントリーや決済の根拠にしています。
ただし、この2つのシグナルの見分け方を知らなければスルーして機会損失になってしまいます。
ですので、この記事では、『ダイバージェンス』と『ヒドゥンダイバージェンス』についてかなり詳しく解説していきます。
ダイバージェンスとヒデュンダイバージェンスは、比較的精度の高いシグナルです。
この2つのシグナルをあなたの手法や戦略に取り入れることができれば、さらに高精度な手法や戦略になります。
この記事があなたのトレードレベルの向上のお役に立てれば幸いです。
目次
ダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンスの基本
ダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンスは、価格動向の予測に非常に有効なオシレーター系テクニカル指標のシグナルです。
ダイバージェンスは、トレンドの終了と反転、ヒドゥンダイバージェンスは、トレンドの継続を示す信頼性の高いサインとして知られています。
以下、ダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンスの基本的な違いと見分け方、そして効果的なトレード方法について詳しく解説していきます。
ダイバージェンスとは?
まずは、ダイバージェンスの解説です。
ダイバージェンスとは、通貨の価格動向とオシレーターが逆方向に動く現象を指します。
「divergence」という言葉は「方向性が異なること」という意味を持つのですが、その通りになっていますね。
次に説明するヒドゥンダイバージェンスと明確に対比するために、「レギュラーダイバージェンス」と呼ぶ場合もあります。
ダイバージェンスの現れ方の一例を解説しますね。
以下のチャートをご覧ください。

メインチャートでは価格は下落しています。
それにもかかわらず、サブチャートに配置されたRSIは逆に上昇していますね。
このようなダイバージェンスが見られる時はトレンドが弱まっていて、価格の反転、つまりトレンドの転換が近いという可能性を示唆しています。
このようなダイバージェンスの出現を捉えることで、逆張りエントリーや早期の決済などの判断材料に使用することができます。
ヒドゥンダイバージェンスとは?
次は、ヒドゥンダイバージェンスを解説します。
ヒドゥンダイバージェンスは、価格動向とオシレーターが逆方向に動く現象です。
ただし、ヒドゥンダイバージェンスの場合は、相場のトレンド転換ではなく、トレンドの継続(または加速)を示唆する現象です。
この「ヒドゥン」は、英語で「hidden」(隠された)という意味があります。
通常のダイバージェンスと比べると、「見つけにくい」ということからこの名がついたようです。

上のチャートをご覧ください。
メインチャートで価格は切りあがり上昇しています。
しかし、サブチャートのオシレーターは下落しています。
これがヒドゥンダイバージェンスです。
このようにヒドゥンダイバージェンスは、示唆する内容がトレンド転換ではなく、トレンドの継続となります。
このヒドゥンダイバージェンスの出現を捉えれば、順張りエントリーのチャンスを手にできます。
しかも、ヒドゥンダイバージェンスは通常のダイバージェンスよりも信頼性が高いとされます。
特に強いトレンドの中でヒドゥンダイバージェンスが観察された場合、非常に高い確率でトレンドの継続が予測することができます。
ダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンスの見つけ方
解説してきたようにダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンスのパターンを正確に分析することで、トレンドの転換点や継続を早期に見極めることができます。
このセクションでは、ダイバージェンスとヒデュンダイバージェンスの定義を明確にし、それぞれの見つけ方を詳細に解説していきます。
ダイバージェンスの意味と見つけ方
ダイバージェンスには、「強気のダイバージェンス」、「弱気のダイバージェンス」の2つの種類があります。
次のの画像を見てください。

直近のメインチャートの価格と、サブチャートのオシレーターの値の動向を見てみましょう。
価格の「低点」(赤マル)を示す2つの頂点の位置関係を見ると、それが切り下げているのがわかります。
一方で、オシレーターにおける「低点」の場合は、逆に切り上げていますね。
このような場合、価格は下降トレンド(赤色矢印)から上昇トレンド(青色の矢印)への転換の可能性を示唆しています。
直近のメインチャートとサブチャートの動向を見てみます。
価格における「高点」(赤マル)を示す2つの頂点の位置関係を見ると、今度はそれが切り上げていますが、オシレーターにおける「高点」は逆に切り下げています。
この場合には、価格は上昇トレンド(薄い赤色矢印)から下降トレンド(青色の矢印)への転換の可能性を示唆しています。
「ダイバージェンスでは、まずは価格(メインチャート)を見て、トレンド方向の2つの頂点を結ぶ直線(画像の中の青線)を描画する」ということが出発点です。
⑴なら低点の2頂点、⑵なら高点の2頂点を結んで(青線)、その方向性(切り上げor切り下げ)を明らかにします。
次に、オシレーター(サブチャート)の場合でも同様の作業を行います。
つまりオシレーターでも⑴では低点同士、⑵では高点同士の間にそれぞれ線を引き、その方向性を確認するわけですね。
そのうえで、メインチャートとサブチャートの方向性が逆方向になっているのなら、ダイバージェンスが発生しているということになります。
ダイバージェンスの確認手順
価格(メインチャート)の、トレンド方向の2つの頂点を結ぶ
オシレーター(サブチャート)の、2つの頂点を結ぶ
- 価格が切り下がり、オシレーターが切り上がれば強気ダイバージェンス
- 価格が切り上がり、オシレーターが切り下がれば弱気ダイバージェンス
ダイバージェンスは、価格とオシレーターの動向が逆行している現象です。
価格が急激な値動きから穏やかな値動きとなることで発生し、トレンドの勢いが弱まっていることを示します。
つまり、トレンド転換の可能性を早めに示すシグナルとなります。
ヒドゥンダイバージェンスの意味と見つけ方
ヒドゥンダイバージェンスにも、「強気のヒドゥンダイバージェンス」、「弱気のヒドゥンダイバージェンス」の2つの種類があります。
次の画像をご覧ください。

直近のメインチャートの価格と、サブチャートのオシレーターの値の動向を確認してみましょう。
価格の「低点」(赤マル)を示す2つの頂点の位置関係を見ると、それが切り上げているのがわかります。
一方で、オシレーターの「低点」では、逆に切り下げていますね。
このような場合、次の価格動向としては下降トレンド(赤色矢印)が継続または加速する(青色の矢印)可能性を示唆しています。
直近のメインチャートとサブチャートを確認してみましょう。
価格の「高点」(赤マル)を示す2つの頂点の位置関係を見ると切り下げていますが、オシレーターにおける「高点」は逆に切り上げています。
この場合には、次の価格動向として下降トレンド(薄い赤色矢印)が継続または加速する(青色の矢印)可能性を示唆しています。
「ヒドゥンダイバージェンスでは、まずは価格(メインチャート)を見て、トレンドの方向とは逆方向の2つの頂点を結ぶ直線(画像の中の青線)を描画する」というのが出発点です。
ダイバージェンスとの違いは、トレンドの方向とは「逆方向」の2つの頂点を結ぶことにあります。
⑴なら低点の2頂点、⑵なら高点の2頂点を結んで(青線)、その方向性(切り上げor切り下げ)を明らかにします。
次に、今度はオシレーター(サブチャート)の場合でも同様の作業を行います。
つまり、オシレーターでも⑴では低点、⑵では高点にそれぞれ線を引き、その方向性を確認するわけですね。
そのうえで、メインチャートとサブチャートの方向性が逆方向になっているのなら、ヒドゥンダイバージェンスが発生しているということになります。
ヒドゥンダイバージェンスの確認手順
価格(メインチャート)の、トレンド方向の2つの頂点を結ぶ
オシレーター(サブチャート)の、2つの頂点を結ぶ
- 価格が切り上がり、オシレーターが切り下がれ強気ダイバージェンス
- 価格が切り下がり、オシレーターが切り上がれば弱気ダイバージェンス
このヒドゥンダイバージェンスが現れた際には、トレンドが継続する可能性が高いと判断できます。
その上で、⑴と⑵で示された低点および高点をそれぞれ「押し安値」と「戻り高値」の候補として評価し、エントリーに適したタイミングを判断するための分析作業を行います。
トレンドフォロー手法と組み合わせてエントリーポイントでヒドゥンダイバージェンスが確認できると、トレードの精度が高まります。
ヒドゥンダイバージェンスがなぜトレンド継続を示唆するのか?
ヒドゥンダイバージェンスは、価格のトレンドが継続しているときに逆行する形でオシレーターが動く現象です。
そして、ヒドゥンダイバージェンスは、レギュラーダイバージェンスと異なり、トレンドの途中で見られる「押し安値」や「戻り高値」で顯著に現れます。
例えば、上昇トレンドの相場で、価格が一時的に下落して「押し目」を形成するとします。
この押し目は、トレーダーが利益を確定するために行う短期的な売りが主な原因です。
一方で、オシレーターはさらに大きく下落することがあります。
それでは、なぜヒドゥンダイバージェンスはトレンド継続のサインなのか?
3つの段階に分けて説明できます。上昇トレンドを例に説明します。
1.オシレーターの過剰反応
価格の軽微な下落に対してオシレーターが大きく反応する場合、これは市場の売りが一時的に過剰であったことを示します。
オシレーターの大きな動きは、実際の価格動向に比べて感度が高すぎるため生じます。
2.市場の自己調整機能
「押し安値」までの価格下落が、売りによるものであれば、その売りが積極的に行われた後、相場には再び買いが戻る余地があります。
売り手が少なくなると(売り枯れ)、価格は自然と元の上昇トレンドに戻る傾向があります。
3.売り圧力の枯渇
オシレーターの下落が示すのは、短期間に市場が売りによって下押しされたが、それが持続不可能であることを意味しています。
売り手が一段落すると、逆に買い手が市場を支配しやすくなり、価格は再び上昇し始めます。
まとめると、ヒドゥンダイバージェンスは、価格の一時的な下落や押し目が売られ過ぎた結果であり、これを調整する過程で元のトレンドに回帰すると解釈できます。
これらがヒドゥンダイバージェンスがトレンド継続を示唆する理由です。
要は、上昇トレンドの調整の下落がRSIが下値を切り下げするほどに行き過ぎているので、買いのチャンスになると思う人がそれなりにいるってことです。
ダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンスの違い
ここまで解説してきたダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンスの違いについて整理すると、この表のようになります。
直近の価格動向 | メインチャート | サブチャート | シグナルの意味 | ||
ダイバージェンス | 強気 | 下降トレンド | 低点の切り下げ | 低点の切り上げ | トレンド転換/買いシグナル |
弱気 | 上昇トレンド | 高点の切り上げ | 高点の切り下げ | トレンド転換/売りシグナル | |
ヒドゥンダイバージェンス | 強気 | 上昇トレンド | 低点の切り上げ | 低点の切り下げ | トレンド継続/買いシグナル |
弱気 | 下降トレンド | 高点の切り下げ | 高点の切り上げ | トレンド継続/売りシグナル |
チャート分析で両者をしっかり区別して把握するために大切なことは上述した通りで、
- ダイバージェンスでは、価格(メインチャート)におけるトレンド方向の2つの頂点を結ぶ直線を描画すること
- ヒドゥンダイバージェンスでは、価格(メインチャート)におけるトレンドの方向とは逆方向の2つの頂点を結ぶ直線を描画すること
が出発点です。
そのあとはオシレーター(サブチャート)においてメインチャートに対応する2つの頂点を結び、メインチャートでの直線と方向性を比較します。
リアルチャートで見るヒドゥンダイバージェンスとトレード手法(RSI)
このセクションでは、ヒドゥンダイバージェンスに絞って、実際のチャートでヒドゥンダイバージェンスを確認してみましょう。
さらに、ヒドゥンダイバージェンスを使ったトレードのアイディアもご紹介します。
オシレーター系インジケーターの代表格であるRSIを用いて説明していきます。
RSIを使ったヒドゥンダイバージェンスの見つけ方

ヒドゥンダイバージェンスが発生したら、理論通りにトレンドが継続するのかを確認してみましょう。
オシレーター系のインジケーターは、代表格のRSIを使っています。
RSIの設定値は、デフォルト通りの期間14で、チャートは、ポンド円の15分足です。
それでは、分析してみましょう。
メインチャートの価格は、中央部で長い下ヒゲをつけてアセンディングトライアングル(上昇の三角持ち合い)を形成したあと、上昇トレンドが開始していますね。
そのあと、低点である押し目2点を青線で結ぶと、切り上げが見られます。
それに対して、サブチャートのRSIの低点はゆるやかな切り下げが見られます。
このように、価格の低点を結ぶと上昇しているのにRSIは下降を示しているというとき、ヒドゥンダイバージェンスが発生していると判断できます。
このシグナルの発生を確認したら、トレンドはさらに継続すると予測できるので買いエントリーを狙うことができるんです(強気のヒドゥンダイバージェンス)。
それでは、この相場は、ヒドゥンダイバージェンスのシグナルが示す通りに上昇するのか?
それでは、その後のチャートを確認してみましょう。

ヒドゥンダイバージェンスの発生後、相場はシグナルどおりに順調に上昇を継続していることがわかりますね。
このようなヒドゥンダイバージェンスを一つの根拠としてトレードに活用すれば、いっそう確信を持ってトレンド順張りのエントリーができることになります。
手法のアイディア~移動平均線の併用
ここでヒドゥンダイバージェンスを使用した手法の一アイディアをご紹介します。
この手法の概略は、200EMAを使用して全体的なトレンドの方向性を判断したうえで、ヒドゥンダイバージェンスと短期EMAを使って具体的なエントリーと決済のタイミングを見極めます。
ヒドゥンダイバージェンスは、トレンドの継続を示唆する重要な指標として機能する特徴を活用して、押し安値・戻り高値でのエントリー機会を捉えることを狙った手法です。
それでは、以下のチャートを元に解説していきますね。

STEP①| 環境認識
長期トレンドの状況を200EMAで確認します。
STEP②|ヒドゥンダイバージェンスの確認
ヒドゥンダイバージェンスによって、直近の相場状況を分析します。
STEP③|エントリー実行
STEP④| 決済条件(利益確定・損切りのタイミング)

決済の判断のしかたには様々あると思いますので、ここでは一例として、短期EMAをローソク足の実体部分が抜けた時に決済をルールとします。
これは、価格がこの移動平均線を明確に越えたことを示すシグナルとして利用します。
ただし、①損切り位置を深めに取りたい場合のオプションとして、直近安値・直近高値近辺を損切りラインとして使用することもあります。
また、②利益確定にせよ損切りにせよ、ダイバージェンスの発生時に決済する方法もあります。トレンドが反転する可能性があるからです。
なお、時間足を下位足に下げ、ご自分の使用するエントリー手法を使うことで、より細かくエントリータイミングを見定めることができます。
また、レジサポ帯としての水平線などのツールを併用することで、エントリータイミングだけでなく決済についても精度をあげることができます。
MACD、ストキャスティクスで見るヒドゥンダイバージェンス
ここまでの解説では、ダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンスの発生を確認する際、オシレーターにRSIのみを用いてきました。
それでは、他のオシレーターではどうでしょうか。
ヒドゥンダイバージェンス発生でトレンドが継続した同じチャートを見ながら、反応にどのような差が出るか、RSIに対してMACD・ストキャスティクスを比較してみましょう。
各オシレーターの設定について

上のチャートはTrading Viewです。サブチャートにTrading Viewに標準装備された3つのオシレーターのインジケーターを配置しました。
各オシレーターの設定は、
- RSIでは期間14です。これは一般的で、デフォルト通りの数値です。
- MACDは、短期EMA期間は12、長期EMAを期間26、シグナルを期間9にしています。これも一般的な数値で、デフォルト通りです。
- ストキャスティクスでは、「スロー・ストキャスティクス」という一般的に用いられる設定を使用しています。
TradingViewでは、デフォルト設定が「%K Smoothing」の期間が「1」に設定されており、これは「ファスト・ストキャスティクス」を意味します。
%K Smoothingの期間を「3」に変更することで、「スロー・ストキャスティクス」に設定変更することができます(他の設定はデフォルト通りです)。
上昇トレンド時の各オシレーター

上のチャートでは、およそ中央まではレンジ相場気味になっています。
そのあと上昇トレンドが発生し、その中では、各オシレーターは価格に対して値が下降し、ヒドゥンダイバージェンスが発生しているのが確認できますね。
RSI、MACD、ストキャスティクスすべてヒドゥンダイバージェンスが確認できます。
下降トレンド時の各オシレーター

このチャートでは左側では緩やかな上昇トレンドになっていますが、中央部で下降トレンドに転換しています。
なお、サブチャート表示が3つもあるため、メインチャートの縦幅が狭く価格の上下やトレンドは見た目にはわかりにくくなっていますが、トレンドにそれなりの強さは出ています。
各オシレーターについてみると、価格が切り下げて下落しているのに対して、各オシレーターは値が上昇しており、ヒドゥンダイバージェンスが発生しています。
RSI、MACD、ストキャスティクスすべてヒドゥンダイバージェンスが確認できていますね。
RSI・MACD・ストキャスティクスのヒドゥンダイバージェンスを考察する
3つのオシレーターを比較して気づいたことを整理してみます。
改めて、3つのオシレーターのヒドゥンダイバージェンスを確認してみましょう。
以下のチャートをご覧ください。

さらに、MACDやストキャスティクスは、それぞれの中に複数の有力な指標や設定値があります。
- MACDなら、MACDライン・シグナルライン・ヒストグラムのどれを基準にするか
- ストキャスティクスなら、そもそもファスト・ストキャスティクスとスロー・ストキャスティクスのどちらを採用するのか、さらにそれらの中で、%K・%D・S%Dのどれを基準に判断するのか
と、選択肢が多くて迷います。
そのうちのどれを判断材料にするか、トレーダー間での選択が分散しやすいと言えます。
これに対して、RSIはほとんどの場合、多くのトレーダーは期間設定が9または14という標準設定で使用します。
つまり、RSIは同じ期間設定のものに集中しています。
そのため、ダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンスの判断においては、RSIはシンプルでその信用性が高いので、RSIがおすすめです。
ヒドゥンダイバージェンスの注意点
ヒドゥンダイバージェンスは多くのトレーダーにとって強力なツールですが、その使用には注意が必要です。
以下に、ヒドゥンダイバージェンスを効果的に利用するための重要なポイントを3つ挙げます。
1. 単独でのエントリー判断には適さない
ヒドゥンダイバージェンスは、相場のトレンド継続を示唆する指標ですが、確実なトレードシグナルではありません。
ヒデュンダイバージェンスを見たからといって、すぐにトレードを開始するのはおすすめしません。
ヒドゥンダイバージェンスはあくまでトレンドの持続可能性を示す一要素に過ぎません。
単体で使用することは避け、値動きや他のインジケーター、市場分析と組み合わせることが重要です。
2. エントリートリガーとしての役割
ヒドゥンダイバージェンスをフィルターの一つとして加えることは有効ですが、エントリーの直接的なトリガーとしては不十分です。
エントリーを行う前には、他のテクニカルシグナルやチャートパターンなどで追加の確認を行うことが必要です。
単独でのエントリーはリスクが高く、時に「大火傷」を負う原因となり得ます。
3. 時間足の選択
ヒドゥンダイバージェンスの信頼性は、使用するチャートの時間足に大きく依存します。
長期間の時間足でこの指標を使用するほど、信頼性が高まります。
1時間足や4時間足(またはそれ以上)での使用が理想的です。
これは、より長い時間足がより多くのデータとトレンド確認を反映するため、信頼性の高いトレード判断が可能となるためです。
4. 相場環境の理解
ヒドゥンダイバージェンスを利用する際は、常に現在の環境認識、とくにトレンド状況を理解することが重要です。
マーケットの全体的なセンチメントや主要な経済・政治イベントが指標の解釈に大きく影響するため、これらの要因を考慮に入れてトレード判断を行う必要があります。
特に、相場が極端なニュースやイベントによって動いている場合、ヒドゥンダイバージェンスのシグナルもその影響を受け、信用度が下がることがあります。
5.低点同士・高点同士のラインのひき方
厳密に考えると、2つの低点の間に、明確に切り上がった低点が入っている場合(及び2つの高点との間に、明確に切り下がった高い点が入っている場合)は、ヒドゥンダイバージェンスではなくなります。
オシレーターの方向は逆行していても、間に明確な低点(または高点)を挟むとローソク足がきれいな波を作っていない場合が多いです。
そうすると、多くのトレーダーによってヒドゥンダイバージェンスだとは認識されにくくなります。
注意点まとめ
ヒドゥンダイバージェンスは非常に有用なトレーディングツールですが、それを使う際には適切な時間足の選定、他のテクニカル分析ツールとの組み合わせ、そして相場環境の適切な理解が必要です。
これらの注意点を守ることで、ヒドゥンダイバージェンスはトレンドの持続を予測し、有益なトレード戦略を実行するのに役立つでしょう。
ヒドゥンダイバージェンスを活用する際の工夫
ヒドゥンダイバージェンスは、信頼性の高いテクニカル指標である一方で、その解釈には慎重なアプローチが必要です。
相場の動きは予測不可能な要素を多分に含んでおり、特に短期間での価格変動は誤った判断を招くことがあります。
いくつかの注意点は先述した通りです。
ヒドゥンダイバージェンスを活用する際には、リスク管理に関係するいくつかの重要なポイントを考慮に入れることが必要です。
その具体的な注意点と、これを如何にして戦略に組み込むか、その工夫について解説していきます。
だましに注意し、確実な判断を下す4つの方法
ヒドゥンダイバージェンスは強力なツールですが、市場のノイズや一時的な価格変動によって、誤ったシグナルが示されることがあります。このような「だまし」を避けるためには、以下の点に注意してください。
1.価格の反転を確認してからエントリーする
ダイバージェンスもヒドゥンダイバージェンスも反転シグナルであって、だましが存在します。
この場合、忘れてはいけないのは値動きそのものです。
値動きとはすなわちローソク足の動き。
ローソク足の反転シグナルを併用することで精度が格段に上がります。
2. 複数のインジケーターの使用する
先にも説明した通り、ヒドゥンダイバージェンスだけに頼らず、他のテクニカル指標やチャートパターンと組み合わせて使用することが重要です。
例えば、トレンドライン、レジサポライン、移動平均線などと併用すると良いでしょう。
3. 中長期の時間足を使用
ヒドゥンダイバージェンスの信頼性は、使用するチャートの時間足が長いほど高まります。
1時間足や4時間足以上の中期の時間足での確認を心がけましょう。
4. ボリュームデータの利用
可能であれば、取引量の情報も参考にしてください。
大量の取引が伴う価格の動きは、より信頼性が高い傾向があります。
効果的な損切りルールの設定
損切りは資金管理の基本であり、効果的な損切りルールを設定することは資産を守る上で非常に重要です。
ヒドゥンダイバージェンスを利用する際の損切りポイントを設定するためには、以下のガイドラインを参考にしてください。
1. 直近高値・安値を損切りラインとして設定
エントリーポイントの近くにある直近の高値(売りエントリーの場合)または低値(買いエントリーの場合)を損切りラインとして利用します。
価格がこのラインを超えて逆行した場合、損切りを実行します。
2. ATR(平均真値範囲)を利用する
ATR指標は市場のボラティリティを測定するのに有用です。
ATRでの損切り方法は有名です。
しかも、設定方法はめちゃくちゃ簡単です。
ATRの値の2倍程度を損切り幅として設定することで、相場のランダムで一時的な動きによる損切りを避けられます。
他にもフィボナッチリトレースメントを使ったり、次のセクションで紹介するダイバージェンスを使用して損切りの目安とすることも可能です。
ヒドゥンダイバージェンスとダイバージェンスを組み合わせて使うコツ
ヒドゥンダイバージェンスとダイバージェンスは、FXトレードにおける強力なツールであり、これらを組み合わせて使うことで、市場のトレンドと転換点をより正確に把握することが可能です。
ヒドゥンダイバージェンスとダイバージェンスを組み合わせた使い方と、上手く活用するために必要な姿勢を解説して、記事を終わりにしたいと思います。
ダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンスの相乗効果
レギュラーダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンスは、互いに補完し合う関係を持つことがあります。
レギュラーダイバージェンスがトレンドの転換点を示すのに対し、ヒドゥンダイバージェンスはトレンドの継続を示唆します。
これら二つの指標を組み合わせることで、以下のような相乗効果が得られます。
トレンドの確認と継続の予測
レギュラーダイバージェンスでトレンド転換を確認した後、ヒドゥンダイバージェンスを利用して新しいトレンドの継続を予測することができます。
ダイバージェンスを利用したトレンド転換を狙うエントリーは高いリスクが伴うことが多いです。
これを避けてトレンド転換が生じたのちのヒドゥンダイバージェンスを利用した順張りトレードを行うことで勝率の高いトレードを行うことができます。
このような二段構えの判断を経ることで、よりリスクの低いトレードを目指すことができます。
ヒドゥンダイバージェンスでエントリーし、ダイバージェンスで決済する
ヒドゥンダイバージェンスはエントリーで活用し、レギュラーダイバージェンスは決済で活用することを徹底することをおすすめします。
ダイバージェンスは強いトレンド時でも多発し、だましも多いです。
しかし、早期の反転を示唆してくれます。
よって、ダイバージェンスは決済サインに向いています。
それに比べて、ヒドゥンダイバージェンスは、押し目買いや戻り売りの後押しの根拠になります。
よって、ヒドゥンダイバージェンスはエントリーサインに向いています。
実践と経験から学ぶこと
トレードスキルは、実践と経験から積み上げていくものです。
ヒドゥンダイバージェンスを利用したトレードで成功を収めるためには、以下の点を心がけましょう。
最初は少額のトレードから始め、経験を積み重ねながら徐々にポジションサイズを大きくしていくことが推奨されます。
失敗は避けられない部分もありますが、それぞれのトレードから学ぶことで次第に改善していくことができます。
特にダイバージェンスの見逃しや誤った解釈からの失敗は、次の成功に繋がる貴重な学びとなります。
トレードの記録をつけ、定期的にレビューすることで、自分のトレードパターンを客観的に評価し、改善点を見つけ出すことができます。
これらのポイントを踏まえてヒドゥンダイバージェンスとダイバージェンスの組み合わせを活用することで、トレードの精度を高めることができるようになります。
この記事があなたのトレードレベルの向上のお役に立てれば幸いです。