FXモメンタムのインジゲーター使い方と設定！精度が高い手法を徹底解説

『モメンタム』というインジゲーターは、どこのチャートにもデフォルトで実装されている有名なインジゲーターです。

しかし、実際にどのように使えば良いか分からない。

そのような方のために、この記事では、

• モメンタルの基本
• モメンタルの２つの計算式
• 最適なパラメーターの設定値
• モメンタルの見方と使い方
• モメンタルを利用した勝率を上げる手法
• モメンタルと他のインジゲーターの組み合わせ

など、『モメンタル』インジゲーターの基本や使い方、手法までまるごと解説しています。

モメンタルを使いこなせるようになることで、あなたの手法の精度がグンッと上がります。

あなたのトレードレベルの向上のお役に立てれば幸いです。

メンタムって一体何？FXでの役割とは

まずはじめに、実際に『モメンタム』というインジゲーターを見てみましょう。

以下の画像をご覧ください。

『モメンタム』は、オシレーター系指標になります。

「モメンタム」とは、英語の「momentum」を日本語にした言葉です。

「momentum」とは、「勢い」という意味です。

つまり、モメンタムというインジゲーターは、通貨ペアの価格が上がるか下がるかの『勢い』を示すインジケーターということです。

上記の画像では青色のラインがモメンタムです。

モメンタムの使い方は後程詳しく解説しますが、簡単に説明すると通貨ペアの「勢い」が分かり、取引する通貨が現在、「人気」なのか、または「不人気」なのかを確認できます。

もう一度、実際のチャートで確認してみましょう。

モメンタムインジゲーターは、100以上で多くの人が勝っている可能性が高く、100以下で多くの人が売っている可能性が高いという見方が出来ます。

モメンタムの基本的な２つの計算式

モメンタムの計算式は２つ存在します。

証券会社のチャートや各種プラットフォームによって、モメンタムの計算方法が違いますが、使い方はまったく同じですのでご安心ください。

計算式は、以下のように定められています。

ｎは自分で設定できる数値です。

デフォルトは「10」や「14」が多いですね。

例えば、今日の終値が150円、10日前の終値が140円だった場合、モメンタムは「（150円 – 140円）×100 = 107.1」となります。この107.1という数値がモメンタムの値となります。

この場合、モメンタムが100以上ですので、この通貨ペアは人気があり買い手が多いということがわかりますね。

モメンタムおすすめの設定値

FXのモメンタム設定は一般的には「14日」がおすすめとされています。

デフォルトでは「10」や「14」が多いですが、短期的なモメンタム、長期的なモメンタムを知りたい場合は、設定値を変更することもあります。

例えば、短期の5日設定では、市場の小さな動きを敏感に捉えますが、結果として振動が激しくなり、エントリーシグナルの信頼性が低くなります。

一方、50日や100日のような長期設定では、市場の長期トレンドを正確に掴むのに役立ちます。

特に、モメンタム(100)は100水準以上で続けて上昇することが多いとされます。

このようにモメンタムを用いて、トレード時の相場の動きや強弱を適切に評価することができます。

モメンタムの見方: FXトレーダー必見のテクニック

モメンタムは、以下の3つの見方があります。

モメンタムの急な変動や、トレンドの変わり目をしっかりとキャッチすることで利益を最大化し、リスクを減少できるため、上記の3項目について確認しておきましょう。

見方①：100ラインを中心とした解析法

まず1つ目は100ラインを基準に通貨ペアの「買われている」「売られている」を把握する方法です。

モメンタムのグラフで100ラインを中心に価格の動きを見ることで、現在の市場の強さや弱さがひと目で判断できます。

例えば、

モメンタムが100ラインを上回るときは、市場の勢いが強くなっているサイン。

逆に、100ラインを下回るときは、市場の勢いが弱まっているサインと判断できます。

見方②：モメンタムの角度からのアプローチ

モメンタムの角度の急な変動は市場の強い動きを示唆しており、これを捉えることで取引のタイミングを計ることができます。

モメンタムは通貨の勢いを示すものとして知られていますが、この「勢い」の度合いを表すのが角度となるわけです。

具体的に、モメンタムのラインが急激にグンッと上昇またはガクンッと下降している時、その角度が急になることから、市場参加者の強い買い意欲や売り意欲を感じ取ることができます。

見方③：トレンド転換を瞬時にキャッチする方法

モメンタムを活用することで、トレンド転換のタイミングを瞬時にキャッチできます。

単に100ラインを超えるだけでなく、100ラインを抜ける方向を考慮することでトレンド転換の初動をキャッチできます。

例えば、

急激に100ラインを上回る場合は上昇トレンドに転換、急激に0ラインを上回る場合は上昇トレンド転換の可能性が高いです。

逆に、100ラインを下回れば下降トレンド転換の可能性が高くなります。

後ほど、「他のインジゲーターとの組み合わせ」でも解説しますが、モメンタムだけでなく、移動平均線やサポート・レジスタンスラインといった指標と合わせて使うことで、トレンド転換をより精密に確認することができます。

モメンタムを駆使した実践的トレード手法

ここでは、モメンタムを駆使した実践的トレード手法3つを紹介します。

手法①：100ラインのクロスオーバーからトレンド転換を捉える

モメンタムを使った手法として、100ラインのクロスオーバーからトレンド転換を捉える手法があります。

具体的な手順として、まずは以下の画像のように100ラインをクロスしている箇所を見つけます。

実際のチャートで確認してみましょう。

すると、

100ラインを超えると買いエントリーのサインとなり、逆に100ラインを下回ると下降トレンドへのショートエントリーのトリガーになります。

このように100ラインのクロスオーバーを活用することで、簡単にトレンド転換の起点を見つけられます。

ただしクロスオーバーが発生したからと言って安易に「トレンド転換した」と捉えるのではなく、テクニカルやファンダメンタルズ、他のインジケーターを参考に総合的に判断することが重要です。

手法②：ダイバージェンスからトレンド転換を捉える

トレンド転換を捉えるには0ラインのクロスオーバーだけでなく、ダイバージェンスから捉える方法もあります。

ダイバージェンスとは価格とモメンタムの相違を示し、それがトレンド転換の兆候となります。

例えば以下のように、価格が安値を更新しているのにモメンタムが上昇している場合、トレンドの弱さを示しリバーサルの可能性が高まります。

それでは、実際のチャートで確認してみましょう。

ダイバージェンスによる手法はリスク管理が不可欠なので、ストップロスと、適切なポジションサイズの計算を行いリスクを最小限に抑えましょう。

手法③：モメンタムの角度や急激な変化に注目し、トレンドに乗る

モメンタムを駆使した実践的なトレード手法の一つは、押し目買いと戻り売りのタイミングを見極めることです。

例えば押し目買いでは、上昇トレンド中に価格が一時的に下落する「押し目」を狙います。

この際、モメンタムが100ラインを下回ってから再び上向きになる瞬間がエントリーポイントです。

これはトレンドが一時的に戻しをつけていることを示し、低い価格で買うチャンスになります。

モメンタムの角度や急激な変化に注目し、他のテクニカル指標との組み合わせも検討することで、押し目を見つけやすくなるでしょう。

モメンタムの相性が良い他のテクニカル指標を組み合わせた精度の高い手法

モメンタムと組み合わせて使うことで、トレーダーにとって非常に有用なテクニカル指標があります。

以下はモメンタムとの相性が良いいくつかの指標です。

それぞれのテクニカル指標の組み合わせについて解説していきますね。

モメンタムとRSI（相対力指数）を組み合わせた手法

RSIは相場が過買いまたは過売り状態にあるかを示す指標で、モメンタムとの組み合わせはトレンドの転換点を見つけるのに役立ちます。

例えばモメンタムとRSIが同時に買われ過ぎ、または売られ過ぎを示す場合、トレンド反転の可能性が高まるといえます。

モメンタムとRSI（相対力指数）の連携は、トレーダーにとって非常に有力なトレードサインを見つける手助けとなります。

以下はその手順です。

それでは、実際のチャートで確認してみましょう。

モメンタムは、ダイバージェンス状態ですので、買いサイン。

RSIも30以下で売られ過ぎゾーンですので、買いサイン。

さらに、トレンドラインをブレイクしたので、買いサイン。

このように、RSIやトレンドラインをモメンタムに加えるだけで格段に精度が高くなります。

モメンタムとMACD（移動平均収束拡散）を組み合わせた手法

MACDはトレンドの強弱を示す指標で、モメンタムと組み合わせるとトレンドの変化を検出しやすくなります。

具体的には、MACDのクロスオーバーシグナルを利用することで、エントリーやイグレスのシグナルとして活用できます。

【MACDの売買シグナル】

MACDの売買シグナルとモメンタムの売買シグナルを組み合わせて、シグナルの精度を上げます。

たとえば、

モメンタムが100を超えて上昇し、MACDがシグナルを上回ると、これは強い買いシグナルとみなすことができます。

反対に、

モメンタムが100を下回り下降し、MACDがシグナルを下回ると、強い売りシグナルと判断できます。

それでは、実際のチャートで確認してみましょう。

MACDが買いシグナルが確認できましたが、まだ、モメンタムは売り手が強い状態です。

しかし、その後、モメンタムも100を上回ったことがら、買い手が強い状態になりました。

２つのインジゲーターのシグナルが一致したので、このタイミングでエントリーします。

このように２つのインジゲーターの組み合わせで、だましが少ないエントリーをすることができるようになります。

しかし、MACDとモメンタムの組み合わせは、トレンドの確認やエントリーシグナルの強化に役立つ方法ですが、リスク管理も忘れないようにしましょう。

モメンタムとMoving Average（移動平均線）を組み合わせた手法

モメンタムの売買サインは、レンジに弱いです。

それを補うためにトレンド指標を組み合わせます。

トレンド指標の王様『Moving Average（移動平均線）』です。

移動平均線でフィルターをかけることで、モメンタムの売買シグナルの精度がグンッと上がります。

それでは、実際のチャートで確認してみましょう。

以下の解説は、買いパターンです。

移動平均線の期間設定は100に設定しています。

ローソク足が移動平均線より上にあるので、モメンタムは買いサインのみ採用します。

モメンタムの売りサイン（青）はだましですが、移動平均線でフィルターしたことによってノーエントリーで見送ることができています。

その後、モメンタムが買いサインが点灯した後は、価格は上昇していますね。

上手く押し目買いできています。

モメンタムとフィボナッチリトレースメントを組み合わせた手法

フィボナッチリトレースメントは価格のサポートとレジスタンスを示すのに使われる指標です。

フィボナッチリトレースメントとモメンタムと組み合わせると、重要な価格レベルでの反転ポイントを特定するのに役立ちます。

モメンタムの100ラインのクロスオーバーと、重要なフィボナッチの値（黄金比率）が重なっている場合、そこが反転ポイントである根拠が強まります。

それでは、実際のチャートで確認してみましょう。

フィボナッチリトレースメントの黄金比率61.8％で価格が反応したのち、モメンタムが100を上回ったので買いシグナルと判断して買いエントリーです。

このチャートは移動平均線のフィルター手法と同じチャートです。

つまり、

［モメンタム］+［移動平均線］+［フィボナッチリトレースメント黄金比率］

と、３つの買いシグナルが重複しています。

このように、フィボナッチとモメンタムを組み合わせると市場の動きを捉えやすいため、よりトレード戦略を立てやすくなります。

モメンタムを上手く扱うための注意点

モメンタムインジケーターを効果的に利用するためには、以下のノウハウと注意点を押さえることが重要です。

注意点①：適切な設定値の選択

モメンタムの設定値を選ぶ際には、取引スタイルやタイムフレームに合わせて調整しましょう。

短期トレードなら短い期間を、長期トレードなら長い期間を選択することが一般的です。

あまりにマニアックな数値は市場から反応されにくいため、迷ったらデフォルトに設定しておきましょう。

注意点②：ダイバージェンスの警戒

モメンタムはトレンドの勢いを示すため、トレンドの方向性を確認するのに役立ちます。

しかし 、モメンタムが価格と逆方向に動く場合は、ダイバージェンスが発生しているため、トレンドが転換する可能性が有ります。

モメンタムがトレンドを示唆しているからと言ってすぐに飛び乗らず、ダイバージェンスを警戒して立ち回りましょう。

注意点③：トレードプランを定め、リスクを管理を徹底

モメンタムは分かりやすい指標ですが確実な補償はないため、リスク管理は不可欠です。

これらを明確に定め、感情に左右されないように徹底しましょう。

注意点④：モメンタム以外の指標と組み合わせる

モメンタムは市場の動きを把握するのに有用なツールですが単体で使用せず、他のテクニカル指標と組み合わせてトレンドの強さや転換点を判断することが重要です。

例えば先ほど紹介したMACDや移動平均線、RSIなどを組み合わせて、総合的に判断すると良いでしょう。

モメンタムは優秀なツールですが100%未来を予測できるわけではないため、モメンタム以外の知識も重要です。

モメンタムのダマシを避ける2つのコツ

モメンタム取引を成功させる、市場のダマシ（誤った信号やノイズ）を避けるためのコツを掌握することが重要です。

以下は、その2つのコツです。

これらのコツを実践することで、モメンタムをより効果的にトレードに活用し、市場の波に乗るスキルを向上させることができます。

コツ①：複数のタイムフレームを検討

モメンタムを分析する際、単一のタイムフレームだけでなく、複数のタイムフレームを比較することが大切です。

例えば、長期と短期のモメンタムが一致する場合、より信頼性の高いトレードシグナルとなります。

1つの時間足にこだわるのではなく、複数の時間足をマルチタイムで観察することで、

コツ②：経験とトレーニング

モメンタムを理解しダマシを避けるためには、時間と努力が必要です。

デモトレードを通じて経験を積むことや、過去検証ソフトから相性の良い指標やテクニカルを見つけることで、より効果的に利益を挙げられます。

また市場の動向を注意深く観察することも重要で、プロのトレーダーからのアドバイスや教育コースを受けることもおすすめです。

まとめ: FXでモメンタムを活かすための最適戦略

FXでモメンタムを活用するためには、以下の戦略を最適に組み合わせすることが重要です。

これらの要素を組み合わせ、モメンタムを活かす最適戦略を構築しましょう。

この記事が、あなたのトレードレベルの向上のお役に立てれば幸いです。