『チャートに描いたトレンドラインに自信が持てない・・・』
もし、あなたがこのような不安があれば、この記事は予想以上に役に立つでしょう。
トレンドラインは、テクニカル分析の基本です。
しかし、ブログや動画を見れば、トレンドラインの引き方が違うから迷いが生じるのも事実。
ひどいものになると、
『とりあえず、引いて引いて引きまくる』
笑っちゃいますが、そのように教えている方もおられます・・・
この記事では、明日からあなたが迷いなく効果的なトレンドラインを引けるようになるために、分かりやすく解説していきます。
さらに、この記事では、意外と知られていない以下のようなトレンドラインの解説もしています。
・トレンドラインの落とし穴
・トレンドラインの使い方
・意外と知らないトレンドラインを正しく引く方法|5STEP
・教えてもらわないと気付けない間違ったトレンドラインの引き方
最後の項目では、
・誰でも簡単かつ効果的!トレンドラインの引き方をルール化する方法
以上、トレンドラインの引き方を、まるごと解説していきますので楽しみに読み進めてくださいね。
トレンドラインを知ることで、テクニカル分析の武器がひとつ増えます。
しかし、トレンドラインの理解を深め活用できるようになれば、武器は無数に増えることになります。
この記事が、あなたのトレードレベルの向上のお役に立てれば幸いです。
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目次
トレンドラインで失敗する2つの落とし穴
チャートにトレンドラインを引くけど、まったく機能しない・・・
そこには2つの落とし穴があります。
ひとつ目は『ご都合ライン』。
そして、もうひとつは『過去チャートのどこでもライン』です。
トレンドライン≠ご都合ライン
トレンドラインを引く上で、絶対に描いてはいけないラインが『ご都合ライン』です。
『ご都合ライン』とは、自分の都合だけで引いた主観的なトレンドラインのことです。
自分の都合で引いた主観的なトレンドラインですので、他のトレーダーには全く意識されないわけです。
トレードを始めると、テクニカル分析の基本で、トレンドラインというものを知ります。
そして、あなたもツールを使ってチャートにラインを引いたことでしょう。
しかし、そのトレンドラインは、どのようなルールでトレンドラインを引きましたか?
トレンドラインを引いた明確な根拠はありましか?
もしも、あなたの回答が、
『なんとなく』であれば、それはトレンドラインではなく、自分に都合の良いように描いた、ただの『ご都合ライン』かもしれません。
自分の都合で描いたトレンドラインは、世界中のトレーダーたちは全く意識していないラインなので機能しないのは言うまでもありませんね。
まぁ、私も正しいトレンドラインを教わるまでは、常に『ご都合ライン』でしたが・・・
過去チャートではどこでも機能している『どこでもライン』
トレンドラインのもうひとつの落とし穴は、『過去チャートを見ればどこでもトレンドラインが機能している』ように見えてしまうことです。
私はそれを、『過去チャートのどこでもライン』と呼んでいます。
そのことによって、トレンドラインを妄信的に信じてしまうんです。
もちろん、トレンドラインは使えますし、テクニカル分析の基本です。
しかし、それは、正しい引き方と使い方を知ったうえでの話です。
以下のチャートをご覧ください。
どうでしょう?めちゃくちゃ機能しているように見えませんか?
「トレンドラインってすごいな~」ってなりますよね。
こんな機能するトレンドラインが引けたらなぁ・・・って思いますよね。
でも、このラインは誰でも引けるんです。小学生でも!
だって、過去チャートだから・・・止まっているチャートだから・・・
トレンドラインを解説しているブログや動画で、もっともらしく聞こえてしまうのは、過去チャートにラインを引いているからなんです。
でも、トレンドラインを使う目的は過去ではなく、未来を予測したいから描いているわけですよね。
それでは、トレンドラインの正しい活用方法と引き方を解説していきますね。
トレンドラインを引くメリットと使い方
あなたは、トレンドラインを何のために引いているでしょうか?
トレンドのラインだから、トレンドを知るためでしょ!
もちろん、トレンドを把握するのもひとつの目的です。
しかし、トレンドラインを引く目的は、トレーダーによって様々なんです。
・トレンドの有無の確認
・エントリーポイント(サポート・レジスタンス)
・エントリーの根拠
・エグジット(利食い)の目安
どうでしょうか?
意外と多いと思いませんか?
それでは、本題のトレンドラインの引き方と活用方法をまるごと解説していきますね。
2つのトレンドライン
トレンドラインには2種類のラインがあります。
右肩上がりの上昇トレンドラインと右肩下がりの下降トレンドラインです。
画像で確認してみましょう。
【上昇トレンドライン】
上昇トレンドラインの上にローソク足がある時は、基本的にアップトレンドで買い目線。
【下降トレンドライン】
下降トレンドラインの下にローソク足がある時は、基本的にダウントレンドで売り目線。
トレンドラインの正しい引き方5STEP
トレンドラインの引き方には、注意すべき点や厳格なルールがあります。
また、どこまでトレンドが生きていて、どこでトレンドが無効化するのかなど、トレンドラインの正しい引き方を5STEPで解説していきますね。
これで迷わずトレンドラインを引けるようになります!
STEP1 2点の高値同士(安値同士)をラインで結ぶ
トレンドラインを引くためには、
上昇トレンドの場合 ⇒ 起点となる安値と起点より切り上げた安値を結ぶ。
下降トレンドの場合 ⇒ 起点となる高値と起点より切り下げた高値を結ぶ。
つまり、トレンドラインは、最低2点以上の高値(安値)があって初めて引けるラインです。
はい!当たり前ですよね・・・
しかし、当たり前のようで、意外と知られていないのが、高値と安値の認識方法です。
高値と安値の認識方法が、毎回違うようであれば、もちろんトレンドラインも毎回違うラインの引き方になってしまいます。
つまり、高値と安値の認識方法が固定(ルール化)されていなければ、それこそが、なんとなく自分で主観的に引いた『ご都合ライン』というわけです。
まず、正しいトレンドラインを引くためには、正しい高値と安値を認識(ルール化)する必要があります。
高値と安値の認識方法については、
【FXで迷わず高値・安値を定義付けする方法!スイングハイ・スイングロー】
で詳しく解説していますので、参考にしてください。
STEP2 結ぶ2点の高値(安値)はヒゲと実体のどちらが正しい?
トレンドラインを結ぶ2点の高値(安値)をヒゲと実体のどちらを対象に引けばいいの?
この議論は昔から尽きません。
結論から言うと、『どちらでもOK』です。
なぜなら、ヒゲを対象にしているトレーダーもいますし、実体を重要視しているトレーダーもいるからです。
もちろん、どちらもそれなりに機能しています。
だからと言って、毎回、ヒゲと実体を入れ替えたりすると分析方法に一貫性がなくなります。
ヒゲと実体のどちらで結ぶのかを決めて、トレンドラインを結ぶためのマイルールを持ちましょう。
私の場合は、ヒゲの先端とヒゲの先端で結んでいます。
理由はいくつかあります。
ひとつ目は、欧米ではバーチャートを利用しているトレーダーが多いからです。
ローソク足ももちろん世界的に有名ですが、視覚的に実体でラインを結ぶトレーダーより、バーの先端で引いているトレーダーの方が多いと思うからです。
ふたつ目は、そもそも私自身がトレンドラインをそこまで妄信的になっていないのが理由です。
確かにライン上で反応は見せますが、ピタリとすべてが上手く反応するわけではありません。
そもそも、ブローカーによって若干のチャートの違いもあるわけで・・・
ですから、トレンドライン付近を注目するという意味で利用していますので、私のマイルールはヒゲを対象にしてトレンドラインを引いています。
【トレンドラインの対象を実体にしたい方へ】
トレードを本格的に学び始めたら、一度は耳にしたことがあるテクニカル分析の教科書で最も有名な『シュワッガーのテクニカル分析』。
ジュワッガー氏は、トレンドラインの引き方で『内部トレンドライン』という考え方を推奨しています。
『内部トレンドライン』とは、一言で説明すると、トレンドラインを実体と実体で結ぶトレンドラインのことを言います。
実体を重要視している理由は、
「極端なヒゲは相場の行き過ぎた感情を表していて、正しいトレンドを示していない」
という考えからきています。
シュッワッガー氏の実体を結ぶトレンドラインを解説しましたが、シュワッガーのテクニカル分析でも、ヒゲとヒゲを結ぶトレンドラインのことを「従来のトレンドライン」という表現で解説しています。完全否定はしていないんです。
どちらにせよ、ヒゲか実体か?何が正しいとかではなく、何を選ぶかが大切なんです。
STEP3 トレンドラインを引くタイミング
実は、トレンドラインの引き方には、ルールがあります。
それが、トレンドラインを引くタイミングです。
FX初心者の方が、『ご都合ライン』になってしまうNo.1の理由は、おそらく、トレンドラインの引くタイミングを知らないことが原因です。
トレンドラインを引くタイミングが早すぎて、全く意味のないラインになっていないでしょうか?
ですから、トレンドラインの引くタイミングはとても大切なんです。
以下、トレンドラインを引くタイミングのルールです。
【上昇トレンドラインを引くタイミング】
直近の高値を更新してから、起点となる安値と直近安値を結ぶ。
【下降トレンドラインを引くタイミング】
直近の安値を更新してから、起点となる高値と直近高値を結ぶ。
それでは、画像で確認してみましょう。
次は、実際のチャートで確認してみましょう。
トレンドラインは焦って引いてもなんの効果もありませんし、焦って引く必要もありません。
しっかりと高値(安値)の更新を待ってから、トレンドラインを引くようにしましょう!
STEP4 トレンドラインの引き直すタイミング
トレンドラインの引き方には、もうひとつルールがあります。
それが、トレンドラインの引き直すタイミングです。
まず、下の画像をご覧ください。
【Ⅰ】高値を更新したので、安値①と安値②を結び正しいトレンドラインを引きました。
しかし、その後、チャートは右図のようになります。
【Ⅱ】トレンドラインを価格が終値で下回ってしまいました。しかし、まだダウ理論的にはアップトレンド継続。この場合、トレンドラインを重要視しているなら、トレンド転換を警戒しなければいけません。
その後、チャートはどうなったのか?
下の画像をご覧ください。
【Ⅲ】最初に引いたトレンドラインを割ってきましたが、安値③をつけて再度高値更新してきました。それでは、この後のトレンドラインはどうすればよいのでしょうか?右の画像に進んでください。
【Ⅳ】最初に引いていたトレンドラインは意識されていなかった可能性があります。つまり、再度、起点の安値①と直近の高値を更新した直前の安値③を結んでトレンドラインを引き直しましょう。このトレンドラインが意識される可能性があります。
その後、安値⑤で綺麗に反発していますね。
ダウ理論的にトレンドが崩れるまで、トレンドラインを引き直していきましょう。
それまでは、トレンドは生きている可能性があります。
詳しくは、次のSTEP5|トレンドラインの無効化で解説していきます。
STEP5 トレンドラインの無効化
トレンドラインを引き直すことで、意識されるトレンドラインが引けるようになりましたね。
『でも、いつまで引き直せばいいの?』
または、『いつまで引き直すことができるの?』
当然、疑問に思うはずです。
もちろん、引き直しができる限界が存在します。
[トレンドラインの無効化]です。
これを知らないと、まさに『超ご都合ライン』になってしまうので気をつけましょう。
それでは、解説していきますね。
下の画像をご覧ください。
最高値を更新した直近の安値のことを押し安値と言います。
(※押し安値と戻り高値については、【トレンド転換・継続サインの見極め方は押し安値と戻り高値の更新】で詳しく解説していますので、参考にして下さい。)
押し安値⑤を価格が更新した時点(上図の青帯)で、現在のトレンドラインは無効化になり、これ以上トレンドラインを引き直すことができなくなります。
つまり、ダウ理論的にトレンドが崩れた時点でトレンドラインは無効化されるということです。
これが、トレンドラインの無効化です。
意外とやってしまう間違ったトレンドラインの引き方
さて、トレンドラインの正しい引き方の解説の最後に、よくやりがちな間違ったトレンドラインの引き方を解説しておきます。
知らなければ意外と多くのトレーダーがやってしまう引き方ですので、トレンドラインの引き方に自信が持てない方は、次の解説でスッキリするはずです。
トレンドラインの無効化を知らずにトレンドラインを引き直すとどうなるか確認してみましょう。
【トレンドラインの無効化】で使用したチャートを例に解説していきますね。
下のチャートをご覧ください。
青色のトレンドラインが間違ったトレンドラインの引き方です。
青色のトレンドラインは、一度崩れたトレンドの安値を結んで引いてしまったトレンドラインになります。
どうでしょう?意外とやってしまってませんか?
間違った引き方をした青色トレンドラインは、チャートの右側を見れば、全く反応していないですよね。
もちろん、反応することもありますが、それは、そもそもトレンドの規模が一回り大きなトレンドにたまたま反応しているだけなんです。
トレンドの規模を統一して引かなければ、ラインなんかどこでも引けてしまうので、気をつけましょう。
◆トレンドの規模を統一すること
◆1トレンドに1トレンドライン
正確なトレンドラインの引き方を簡単にルール化する方法
最後に、誰でも簡単かつ正確なトレンドラインが引けるようになる方法を解説したいと思います。
しかも、ルール化されているので、誰でも同じように引けます。
今までの解説は、すべてこのルールのもとに解説してきました。
トレンドラインの引き方に自信がない方は、是非マネしてください。
とても綺麗なトレンドラインが引けますし、かなり効果的です。そして、ご都合ラインからは、これでおさらば出来ちゃいます。
それでは、解説していきますね。
まず、トレンドラインは、2点の高値(安値)同士を引くことでしたね。
ここで、ネックになるのが、高値と安値の認識を統一しないと、毎回違うトレンドラインを引いてしまうことでした。
そこで、私が推奨するのが、スイングハイとスイングローという考え方です。
(※スイングハイローは【FXで迷わず高値・安値を定義付けする方法!スイングハイ・スイングロー】で詳しく解説していますので、参考にしてください。)
正確かつ効果的なトレンドラインの引き方の簡単ルールは以下のようになります。
(※引き方は正しいトレンドラインの引き方で解説しています。)
それでは、下の画像をご覧ください。
※下の画像は、今まで解説で使ってきたチャート(トレンドライン)です。
そうですね。これは、4時間足に引いたトレンドラインです。
それでは、このチャートを1時間足にしてみます。
下のチャートをご覧ください。
そうすると、よく見るトレンドラインの規模になります。
しかも、このルールに沿ってトレンドラインを引けば、トレンドの規模を間違える心配もありません。
つまり、高値や安値もトレンドの規模も統一することができるんです。
めちゃくちゃ簡単かつ精度の高いトレンドラインの引き方ルールでした。
是非、活用してみてください。
チャートで使用しているインジケーターは【SwingHL_mesen】です。
まとめ
トレンドラインはテクニカル分析の基本だからこそ、多くのトレーダーが意識するポイントになります。
もちろん、そのポイントこそがトレードポイント。
トレンドラインが、トレードするうえで強い武器になるのは言うまでもありません。
しかし、このトレンドラインを正しく引けている初心者トレーダーは少ないのではないでしょうか?
ビギナーレベルでも正しく活用しているトレーダーは意外と少ないかもしれません。
是非、この記事を参考にトレンドラインという武器を使いこなし、他のトレーダーに差をつけましょう。