
「ディナポリ手法のシングルペネトレーションは、どこで入るの?」
「3×3DMAやスラストは、どう判断すればいい?」
名前だけでは難しく感じますが、見る順番を整理するとチャートで確認しやすくなります。
私も初心者時代、むさぼるようにディナポリ氏の手法を研究しました。
ここでは、強い値動きの後の押し目・戻りを狙うシングルペネトレーションを、元のチャート画像とともに解説します。
最初に押さえたいのは、DMAを抜けただけでエントリーする手法ではないということです。
スラストの確認→最初のDMAの抜け→フィボナッチで押し・戻りを測る→売買条件を確認という順番で見ていきましょう。
3×3DMAの意味、買いと売りの違い、エントリー・損切り・利確の目安、見送る場面まで整理します。
この記事が、あなたのトレードレベルの向上のお役に立てれば幸いです。
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シングルペネトレーションとは?ディナポリ手法の考え方
ディナポリ手法の中でも代表的な手法が『シングルペネトレーション』です。
強い上昇・下降の後に入る押し目や戻りを確認し、元の方向への反発の一部を狙います。
手法の詳細に入る前に、『シングルペネトレーション』がどのような手法なのか概要レベルで解説しておきます。
まずは、画像をご覧ください。


ペネトレーションとは、「貫通」を意味します。
まずスラストと呼ぶ強い値動きを確認し、その後に価格が3×3DMAを最初に抜ける場面に注目します。
つまり、シングルペネトレーションは強い値動きの方向に沿うトレンドフォローの考え方です。
強いトレンドや継続を確認した後に、一旦の押し戻しが入ります。
押し目・戻りからの反発を狙いますが、そのまま反対方向へ進むこともあるため、損切り条件を先に決めます。
この手法の特徴は、2つあります。
ひとつ目は、スラストがある場面に対象を絞ることです。
ふたつ目は、フィボナッチを使ってエントリー・損切り・利確の目安を分けて考えることです。
手順を覚えたら、まずは過去チャートやデモ環境で同じ条件を繰り返し確認してみてください。
ディナポリ手法で利用するDMAとフィボナッチ比率
ここで、ディナポリ手法では欠かせないDMAとフィボナッチ比率について解説しておきます。
3×3DMAの意味と設定
DMAは、移動平均線の表示位置をずらしたものです。
画像で確認しておきましょう。

3×3DMAは、3期間の単純移動平均線(SMA)を右へ3本分ずらして表示した線です。
未来の価格を計算しているわけではありません。
| 項目 | 3×3DMAの設定・確認 |
|---|---|
| 平均する期間 | 3期間 |
| 移動平均の種類 | 単純移動平均線(SMA/Simple) |
| 適用価格 | 終値(Close) |
| 表示をずらす本数 | 右へ3本(MT4の表示移動:3) |
| 注意点 | 未来の価格を予測して描く線ではない |
フィボナッチ比率

そして、『シングルペネトレーション』で利用するツールが、フィボナッチリトレースメントです。
フィボナッチリトレースメントは、反転の『目安』として利用します。
この解説の押し目・戻りの計測では、主に38.2%と61.8%を使います。
フィボナッチは、選んだ値動きに対してどれくらい押したか・戻したかを測る道具です。
比率に到達しても、必ず反転するわけではありません。
ディナポリ手法の基本ルール『スラスト』
ディナポリ手法の基本事項である、DMAとフィボナッチ比率についておさらいしました。
次は、手法の前提となるスラスト(thrust)を確認しましょう。
ディナポリ手法では、急騰・急落を確認した後、手法が発動する『シングルペネトレーション』『ダブルレポ』などがあります。
ここでは、値動きの勢いと3×3DMAとの位置関係をセットで見ます。
スラストは、一方向へ強く進む値動きを指します。

本数に加えて、一方向に進む値幅と勢いも見ます。
元の解説では小幅な1〜2本の抜けを許容する考え方も紹介していますが、これは裁量を含みます。
検証では、抜けを許容するかどうかを先に決め、途中で条件を変えないようにしましょう。
以下の8本という数え方は、この記事でチャートを確認する際の目安です。
本数だけで判断せず、値幅やDMAを繰り返しまたいでいないかも確認してください。
8本の長さは、日足なら8本の取引日、4時間足なら32時間分、1時間足なら8時間分に相当します。
休場などでローソク足が作られない時間を含む、単純な経過時間とは区別してください。
最後に、チャートで確認しておきましょう。

スラスト後の動きに注目してください。
この例では、押し目から上昇方向へ反発しています。
このような押し目の場面を、以下の手順で確認していきます。
それでは、本題の『シングルペネトレーション』の手法の解説に入りますね。
ディナポリ手法『シングルペネトレーション』
ここからは、主に買いのチャートを使って手順を説明します。
売りの場合は、上下を反対にして確認してください。
STEP②フィボナッチリトレースメントを引く
STEP③38.2%付近でエントリー条件を確認する
STEP④買いは61.8%の下、売りは61.8%の上に損切り設定
STEP⑤逆フィボナッチリトレースメントの61.8%で利確(指値または成行、分割決済)
それぞれの比率が、どの値動きから引かれているかに注目してください。
ひとつずつ分かり易く解説していきますね。
| 確認項目 | 買いの場合 | 売りの場合 |
|---|---|---|
| スラスト | 強い上昇 | 強い下降 |
| 最初のDMAの抜け | 価格がDMAを下抜ける | 価格がDMAを上抜ける |
| エントリーの目安 | 上昇幅に対する38.2%の押し | 下降幅に対する38.2%の戻り |
| 損切りの目安 | 同じ上昇幅の61.8%より下 | 同じ下降幅の61.8%より上 |
| この解説の利確例 | 押し目の下落幅を61.8%取り戻す水準 | 戻りの上昇幅を61.8%下へ戻す水準 |
STEP①スラストをさがす
まずは、スラストを探していきます。
この解説では、終値が3×3DMAの上側(上昇)または下側(下降)におおむね8本以上続く動きを目安にします。
つまり、
スラスト=急騰・急落でしたね。
それでは、チャートで確認してみましょう。

上図では、14本のスラストを確認した後に、DMA(3×3)を割り込んできました。
STEP②フィボナッチリトレースメントを引く
買いでは上昇スラスト後に価格がDMAを下抜ける最初の場面、売りでは下降スラスト後に上抜ける最初の場面を確認します。
⇒【ディナポリ手法のDMA設定とフィボナッチの引き方】で詳しく解説しています。
買いはスラストの安値から高値、売りはスラストの高値から安値の値幅を測ります。
買いでは高値から下へ38.2%・61.8%、売りでは安値から上へ38.2%・61.8%となっているか、表示を確認しましょう。
それでは、チャートで確認してみましょう。

STEP③38.2%付近でエントリー条件を確認する

エントリーポイントの目安は38.2%です。
38.2%付近に指値を置く方法と、反発の動きを確認してから成行で入る方法では、約定価格や取り逃す場面が変わります。
下位足のプライスアクションを待つ場合も、損切りまでの距離と利確までの値幅を確認してください。
反発を待ったことだけで安全になるわけではありません。
STEP④買いと売りで損切りの方向を確認する
この手法を検証すると分かりますが、すべてのスラストが38.2%や61.8%で反応する訳ではありませんので、しっかりと損切り設定をしましょう。
この買いの例では、スラスト全体に引いたフィボナッチの61.8%より下側を損切りの目安にします。
売りの場合は逆で、61.8%より上側が目安です。
「どこまで進んだら、想定した押し目・戻りではないと判断するか」を、エントリー前に決めておきましょう。
買いの損切りは61.8%の下、売りは61.8%の上です。
どの程度の余裕を持たせるかは、通貨ペアの値動きやスプレッドも踏まえて決め、損切り幅に合わせて取引数量を調整します。
チャートで確認します。

STEP⑤逆フィボナッチリトレースメントの61.8%で利確(指値または成行、分割決済)
さて、最後に利確ポイントです。
利確ポイントは、再度、決済用にフィボナッチリトレースメントを引き直します。
利確用の線は、下の画像の赤色フィボナッチです。

買いの例では、スラストの高値から押し目の安値までの下落幅を測り、その61.8%を取り戻す水準を利確の目安にしています。
売りでは、スラストの安値から戻り高値までの上昇幅を測り、その61.8%を下へ戻す水準が目安です。
損切り用の61.8%と、利確用の61.8%は、測っている値動きが違います。
買いの利確用は押し目の安値を0%・直前の高値を100%、売りの利確用は戻り高値を0%・直前の安値を100%として確認します。
『シングルペネトレーション』は、スラスト方向のトレンドフォローですので、少しもったいないような気もするかもしれません。
しかし、必ずしも、トレンド方向に価格が動き、高値をブレイクするわけでもありません。
ですので、『シングルペネトレーション』は、反発の一部を抜き取る保守的な手法になっています。
ただし、利確を近くに置けば必ず勝率が上がるとは限りません。
取引コストを含めた損失と利益の比率、実際の検証結果を合わせて判断しましょう。
シングルペネトレーションを見送る場面
DMAを何度もまたぐレンジや、はっきりしたスラストがない場面では、無理に形を当てはめないようにしましょう。
損切り位置や利確目標を説明できない場合も、エントリーを見送る判断が大切です。
すでに大きく反発していて、利確までの距離が損切りまでの距離に見合わない場合は、追いかけて入る前に条件を再確認してください。
ディナポリ公式サイトに掲載されたTony DiNatale氏の解説でも、スラスト後の最初のペネトレーションと、事前に定めたエントリー・損切り・目標が重視されています。
参考:DiNapoli公式サイト「DiNapoli Expert – Tony DiNatale」(上記の判断方針の参照元)。
シングルペネトレーションの応用例と検証の注意点
ここからは、基本の手順に加えて検証したい応用アイデアです。
以下は、エイクがこの記事で紹介する使い方の工夫です。
ディナポリ手法そのものの必須条件と、追加する判断条件は分けて記録しましょう。
条件を増やすと取引回数も変わるため、良い例だけで効果を判断しないことが大切です。
ということで、最後に『シングルペネトレーション』を活用するために、いくつかアイデアをあげておきます。
是非、ご自身で検証されてみてください。
アイデア②上位足のトレンド方向のみトレードする
アイデア③分割決済をする
アイデア①下位時間でプライスアクションを確認してエントリーする
まずは、日足の『シングルペネトレーション』をチャートで確認します。

フィボナッチリトレースメントの38.2%~61.8%のゾーンを下位足である4時間足で確認してみましょう。

インサイドバーが出現しました。
⇒【ローソク足のプライスアクションで勝つ!FX最強シグナル7選|保存版】で詳しく解説しています。
赤色のフィボナッチリトレースメントが、決済の目安で引いたフィボナッチです。
決済用フィボナッチリトレースメントの61.8%まで、しっかり到達していますね。
この例では、下位足の値動きを使ってエントリーを絞り込んでいます。
損切りを狭くしすぎると通常の値動きで決済されやすくなるため、利益と損失の比率を比較して検証しましょう。
アイデア②上位足のトレンド方向のみトレードする
トレンドフォローの基本になりますが、上位足のトレンド方向のみ『シングルペネトレーション』の手法を当てはめる。
上位足と同じ方向に絞る方法もありますが、それだけで勝率の向上が決まるわけではありません。
チャートで確認してみましょう。
まずは、上位足の週足です。
ダウ理論も上昇トレンド、ボリンジャーバンドもバンドウォーク中です。

それでは、[A]と[B]を日足で『シングルペネトレーション』に当てはめて確認してみましょう。


[A]も[B]も決済用のフィボナッチリトレースメント61.8%に達成しています。
うまくいった例に加えて、損切りになった例も集めて比較してみてください。
さて、ここで、欲張りになってしまうのが、さらに値を伸ばしたい・・・
トレンド方向に手法を当てはめたとき、決済目安の61.8%を突き抜けて、さらに価格が伸びることも当然あります。
そこで、次のアイデア③分割決済です。
アイデア③分割決済をする
『シングルペネトレーション』は、トレンドフォローです。
かつ、上位足のトレンドも分析した上で活用すると決済後も価格が伸びることも多々あります。
そこで、少し欲張りたい方は、分割決済も検討してもよいでしょう。
チャートをご覧ください。

これは、あくまで一例ですが、まだ価格が伸びると思えば分割決済を考えます。
①決済目安である61.8%で、まず半分決済します。
(※部分決済なので、1/3や1/4の決済でもよく、半分の必要はありません。)
分割決済後も、残したポジションの損失と取引コストを含めて確認します。
急変時には指定価格で決済できないこともあるため、利益が必ず残るとは限りません。
この買いの図では、分割決済後に損切り位置を青色フィボナッチ38.2%の下へ引き上げる例を示しています。
あとは、どこで全決済するのか目標価格を分析するだけです。
まとめ
ディナポリ手法『シングルペネトレーション』を解説してきましたが、手法を活用するしないにしても、フィボナッチリトレースメントの活用方法や、スラストなど、後のトレードに活かせるものが多々あると思います。
また、アイデア①~③では、下位時間足でのプライスアクション、上位足のトレンド、分割決済など簡単なテクニックではありますが、こちらも、どのようなトレードにも活かせる内容だと思います。
是非、興味がわいたら少しチャートで『スラスト』と『シングルペネトレーション』を探してみてください。
















