
ダブルレポ(Double RePo)は、強い一方向の値動きの後に、価格がDMA(3×3)を終値で2度抜ける動きから、反転の候補を探すディナポリ手法です。
見た目がダブルトップ・ダブルボトムに似ていても、それだけで成立するわけではありません。
スラストの有無、終値の位置、2度の交差の間隔を順に確認することが大切です。
この記事では、元のチャートと動画を使って、成立条件・活用方法・ダブルレポフェイラーを解説します。
反転した事例だけを見て勝率を判断せず、条件を満たさない場面や損切りまで含めて学んでいきましょう。
DMAの設定から確認したい方は、ディナポリ手法のDMAとフィボナッチ、MT4の導入方法はディナポリチャートの設定方法をご覧ください。
ダブルレポとは?ダブルトップ・ダブルボトムとの違い
ダブルレポは、ジョー・ディナポリ氏の手法で使われる反転パターンです。
形だけで判断するのではなく、移動平均線との位置関係と時間の条件を組み合わせます。

| 確認する点 | ダブルトップ・ダブルボトム | ダブルレポ |
|---|---|---|
| 形 | 近い価格で2つの高値・安値をつける形に注目 | 2つの高値・安値に加え、直前の強い値動きも確認 |
| 判断の基準 | ネックラインの突破など、採用するルールによる | DMA(3×3)を終値で2度抜ける過程を確認 |
| 時間の確認 | 手法によって基準が異なる | 先行するスラストと2度の交差の間隔を確認 |
| 注意点 | 形ができても反転するとは限らない | 条件がそろっても損失になることはある |
一般的なダブルトップ・ダブルボトムにも、ネックラインや損切りなどの判断基準があります。
ダブルレポでは、それに対してDMAと本数の条件に注目する、と理解すると整理しやすくなります。
DMA(3×3)の意味を確認する
DMAは、移動平均線を表示する位置をずらしたものです。
3×3は「3期間の単純移動平均線を、右に3期間ずらす」設定を指します。
「期間3の移動平均線をそのまま表示する」設定とは異なります。
また、右にずらすことは将来の価格を知ることではありません。
過去の価格から計算した線を、別の位置に表示しています。
ダブルレポの成立条件を3ステップで確認する
まずは、スラスト・終値の交差・間隔の3つを同じ時間足で確認します。
買い方向と売り方向では、DMAを越える向きが反対になる点に注意してください。
| 手順 | 確認内容 | 迷いやすい点 |
|---|---|---|
| STEP1 | 直前に一方向への強い値動きがあるか | レンジ内の小さな上下だけで判定しない |
| STEP2 | DMAを反転方向へ終値で抜け、元の側へ戻り、再び反転方向へ終値で抜ける | ヒゲが触れただけ・未確定のローソク足は同じ扱いにしない |
| STEP3 | 2つの高値・安値の近さと、1度目から2度目の交差の間隔を確認 | 価格の距離とローソク足の本数を混同しない |
STEP1|スラストを確認する
スラストとは、ここでは同じ方向に勢いよく進む値動きを指します。
小さな値動きが続くレンジではなく、DMAの一方の側で強い上昇・下落が続いているかを確認します。
先行する値動きは8~10期間程度以上を確認するのが目安です。
元の解説では、15本以上続くスラストにも注目しています。
ただし、本数が多いだけで成立するわけではなく、値動きの勢いとその後の条件を合わせて見ます。
「営業日」ではなく、選んだ時間足のローソク足の本数で確認します。
日足なら日足、4時間足なら4時間足の本数です。
時間足を途中で変えて数えると、条件の意味が変わってしまいます。
STEP2|DMAを終値で2度抜ける動きを確認する

上の図は、下落してきた相場から買い方向の反転を探す例です。
15本のスラストの後、DMAを終値で上回り、いったん下へ戻った後に、再び終値で上回っています。
| 方向 | 先行する動き | 終値の順序 |
|---|---|---|
| 買い方向の候補 | DMAの下側で下落が続く | DMAの上 → 下 → 再び上 |
| 売り方向の候補 | DMAの上側で上昇が続く | DMAの下 → 上 → 再び下 |
2度連続でDMAの上・下にあるだけでは、この交差の過程を満たしません。
一度反対側へ戻る動きを確認します。
ヒゲの突破と終値の突破も区別してください。
2度目の交差を確認してから判断します。
形成途中のローソク足は、確定するまで終値の位置が変わるため、完成したパターンと同じ扱いにしないようにしましょう。
STEP3|価格の近さと交差の間隔を確認する
元の解説では、2つの安値同士・高値同士が近いことと、2度の交差が短い間隔で起こることに注目しています。
「安値の価格差」と「交差の時間差」は、別々に確認してください。
| 距離の種類 | 確認するもの | 見方 |
|---|---|---|
| 価格の距離 | 2つの安値、または2つの高値 | 近い価格帯かを確認する。 この記事では共通のpips基準は設定していません。 |
| 時間の距離 | 1度目と2度目にDMAを終値で抜けたローソク足 | 8~10本以内を目安に確認する。 3~4本の短い間隔にも注目する。 |

上の図では、安値同士が近く、2度の交差の間隔は4本です。
反転に至った事例として、どのローソク足を起点に数えているかも確認してください。
期間の目安とDMAの設定は、IG公式のDouble RePo解説(イタリア語)でも確認できます。
これは成立条件を学ぶための参考情報であり、勝率や利益の保証ではありません。
ダブルレポで考える市場心理

上の図は、17本のスラストの後、4本という短い間隔で反転の動きが出た例です。
長く続いた下落と、短い時間での反対方向への動きの違いに注目します。
強い下落の後に、売り手の判断が揺らぐ場面
勢いのある下落では、売りに乗り遅れた参加者が途中から入ることがあります。
その後に価格が急反発すると、売りポジションの決済や新しい買いが重なり、値動きが加速する可能性があります。
ただし、チャートだけから全参加者の心理や注文を断定することはできません。
ここでの市場心理は、値動きを理解するための解釈として扱います。
値固めとの違いを見る
値固めとは、同じ価格帯で持ち合いを形成する状態です。
長い持ち合いを経た動きと、強い一方向の動きから短時間で切り返す動きは、分けて考えます。
「10本のスラストの後に、交差にも10本かかった場面」と「17本のスラストの後に、4本で交差した場面」は同じではありません。
数字だけでなく、チャート全体の勢いと時間の関係を確認することが大切です。
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ダブルレポをトレードに活用する4つの見方
ダブルレポは、エントリー候補を探すだけでなく、上位足の状況確認や決済を検討する材料にもなります。
以下の補助条件は、成立条件そのものとは分けて確認します。
① ダイバージェンスを補助材料にする
ダイバージェンスは、価格の高値・安値の更新に対して、オシレーターの高値・安値が同じように更新しない動きです。
値動きの勢いの変化を考える補助材料になります。

上の図では、ダイバージェンスとダブルレポを合わせて、反転した場面を確認できます。
ダイバージェンスが出ても、それだけで反転が決まるわけではありません。
② 上位足のサポート・レジスタンスを確認する
ダブルレポが見つかったら、同じ時間足と上位の時間足で、過去の高値・安値やサポート・レジスタンスを確認します。
反転を考える位置と、周囲の価格帯を合わせて見ます。
4時間足で確認したダブルレポ
日足で確認したレジスタンス
元の図では、オレンジ色の四角で囲った箇所が4時間足のダブルレポです。
日足のレジスタンス付近で起こった動きとして比較してください。
上位足のラインが近いことは検討材料になりますが、ラインがあるだけでエントリーするわけではありません。
損切り位置と、進行方向にある次の支持・抵抗も確認します。
③ 下位足でエントリーのタイミングを検討する
次の図は、日足で26本のスラストの後に、買い方向のダブルレポが確認された例です。
まず、日足の終値で条件が成立したかを確認します。

日足で反転候補を見つけた後、4時間足で押し目や値動きの切り返しを検討します。
下位足へ切り替えたら、日足の本数をそのまま下位足に当てはめることはしません。

上の図の青丸は、下位足でタイミングを検討する箇所です。
実際の取引では、その時点で見えていた価格だけを使い、エントリー・損切り・利確の条件を先に決めておきます。
後からきれいに見えるチャートでも、同じ結果が得られるとは限りません。
下位足では値動きが細かくなり、スプレッドやだましの影響も考える必要があります。
④ 保有ポジションの決済を検討する

保有方向と逆のダブルレポが出た場合は、全決済・一部決済・損切り注文の見直しを検討する材料になります。
元の図は、反転候補が決済の目安になった事例です。
サインを待つ間にも含み益が減る可能性があります。
ダブルレポで決済すれば必ず利益を守れる、という意味ではありません。
あらかじめ決めた利確・損切りのルールと整合させて使いましょう。
エントリー前に確認する損切り・見送り条件
| 確認する点 | 判断の例 |
|---|---|
| 損切り | 反転の根拠が崩れる高値・安値などを基準に、注文前に撤退位置を決める。 |
| 資金管理 | 損切り幅と許容損失額からロットを決める。 形がきれいでも許容損失を増やさない。 |
| 利確の余地 | 次の支持・抵抗までの距離を確認する。 利確余地が小さい場合は見送る。 |
| 未確定 | 2度目の終値越えが確定していなければ、成立済みとして扱わない。 |
| 条件不足 | 先行する強い動きがない、交差の間隔が長い、2つの高値・安値が離れている場合は別の形として検討する。 |
| 取引環境 | 重要指標前後やスプレッド拡大時は、予定した損失を超える可能性も考える。 |
損切りを遠ざけて反転を待ち続けると、逆張りの損失が大きくなりやすくなります。
判断の前に、損切り・資金管理の関連記事も確認してください。
ダブルレポフェイラーとは?成立しない形との違い
ダブルレポフェイラーは、成立したダブルレポによる反転が失敗した場面を指します。
最初から成立条件を満たしていない形とは区別します。

上の図は、反転を試みた後に元の方向へ戻った事例です。
反転の根拠が崩れた場合は、まず保有ポジションの撤退ルールを確認します。
失敗した後に元のトレンドが再開することはありますが、必ずそうなるわけではありません。
「フェイラーだから即座に反対売買する」と決めつけず、別のエントリー条件と損切りを確認します。
交差まで13本かかった元の図は、成立条件を満たさない例

上の図ではDMAを2度終値で上回っていますが、元記事の数え方では交差まで13本かかっています。
この記事の8~10本以内という目安を超えているため、成立したダブルレポの失敗例とは扱いません。
| 状態 | どのように区別するか | 対応 |
|---|---|---|
| 成立条件を満たさない | 先行する動き・終値・間隔などの条件が不足 | ダブルレポとは別の形として検討する |
| 成立後のフェイラー | 条件を満たした後、期待した反転が崩れる | 撤退ルールを実行し、必要なら相場を見直す |
| 反転が進んだ事例 | 成立後に反対方向の値動きが続く | 1つの成功例から勝率を断定しない |
ダブルレポについてよくある質問
ダブルレポはダブルボトムと同じですか?
同じではありません。
ダブルレポは、先行するスラストやDMAとの終値の交差、交差の間隔も確認します。
2つの安値があるだけでは成立を判断できません。
8~10という数字は営業日で数えますか?
選んだ時間足のローソク足の本数で確認します。
4時間足であれば4時間足の本数です。
日足の説明に出てくる日数を、すべての時間足にそのまま当てはめないでください。
ヒゲでDMAを越えたら成立しますか?
この記事で説明する交差は、終値で確認します。
ヒゲだけが越えた状態や、ローソク足が確定する前の突破は、成立したサインとは分けます。
DMAを2度越えれば必ず反転しますか?
必ず反転するわけではありません。
条件がそろっても失敗する場合があります。
勝率を判断するには、通貨ペア・時間足・取引コスト・売買ルールをそろえた検証が必要です。
フェイラーが出たら反対売買すればよいですか?
自動的に反対売買するものではありません。
まず損切りなどの撤退ルールを実行し、その後にトレンド・支持抵抗・新しいエントリー条件を確認します。
まとめ|形・終値・間隔を合わせて確認する
ダブルレポは、強い一方向の値動きの後に反転候補を探す手法です。
形だけでなく、DMA(3×3)との終値の交差と、2度の交差の間隔を確認します。
元の図解では、成立した例と、13本かかって条件を満たさない例を比較できます。
成功事例だけを選ばず、見送る場面と失敗した場面も同じルールで記録してみてください。
次に学ぶなら、シングルペネトレーションやディナポリのフィボナッチの使い方を合わせて確認すると、役割の違いを整理できます。
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